~春もみじと芽吹きの山~ むこうやま(1078m) ・みとうさん(1531m) 2006年4月30日(日)晴れ後曇り 7:30奥多摩駅-[バス]-8:15余沢-8:50登山道分岐-9:00尾根上-9:25向山9:45-10:00白沢分岐-10:30鶴峠分岐10:35-11:20神楽入ノ峰-11:40三頭山13:00-13:45鞘口峠-14:00都民の森-14:50数馬(たから荘)16:09-[バス]-武蔵五日市駅 歩行時間:4時間50分 |
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3度目の向山は、西側の尾根を登ってみることにした。エアリアマップでは破線表示だが、向山は最近小菅村がオマキ平ハイキングコースとして整備しているので、それほど難路ということではなさそうだ。 前回と同じく余沢バス停から車道を下り、再び上がって登山口に向かう。ふと足元のマンホールを見ると、小菅村のマークであるヤマメが書かれていて興味深い。 民家の庭先は遅咲きの桜が満開。モモの花も見られ、のどかな山里の春の風景だ。 ヒノキ林のジグザグ道を丹念に登っていくと分岐となる。直進は展望台を経て向山、右も向山で今日は右折する。 しばらくは山腹をへつる平坦な道。芽吹き間もない、瑞々しい淡緑の木々が日に当たってキラキラしている。 登山道は問題ないが、落ち葉が膝近くまで積もっている所もあり、足運びに注意する。アケボノスミレ、ナガバノスミレサイシンを見る。 上の方から作業服姿の人が数人下りてきた。山の手入れ関係であろうか、それとも上のほうで何かあったのだろうか。聞いてみることはしなかった。 やがて西側から上がってくる尾根に乗る。高度を上げるにつれ芽吹きの木も減り、見通しがよくなる。「山頂まで2300m」という標識が立っているが、まだそんなに距離を残しているとは思えない。
以後木段交えての急登が続く。ミツバツツジが現れるころは背後に展望も広がってくるが、あいにくの曇り空ですっきりした眺めは得られない。 苦しい登りは長く続かず、斜度が弱まってきたと思ったら山頂の一角に出る。さっきの標識からほんの15分程度。1kmくらいではないか。 見覚えのあるあずまやや傾いたトイレを過ぎると、展望台の立つ向山頂上となる。 広葉樹に囲まれた頂上は芽吹きの真っ最中で、黄・黄緑・赤・オレンジと、それぞれの木が様々な彩りに芽吹いている。前回は紅葉真っ盛りの頂上だったが今日は春もみじだ。 展望台は相変わらず老朽化のため上がれないとの札が立てられている。
三頭山へ歩を進める。萌黄色の明るい尾根道は実に気持ちがいい。笹畑川沿いに白沢へ下る道が分岐し、新しく指導標が立てられていた。 高度を上げると芽吹いた木はさらに少なくなる。足元には双葉の葉がたくさん出ている。これはみな木の赤ちゃんなのだろう。何万本のうちの1本ではあるがこれが、見上げるような大きな木に育つことを考えると自然の力の雄大さを感じる。 鶴峠分岐に着くと、ここからは三頭山まで1本道。ブナなど樹相のすばらしいところだがここから上は全く芽吹いていない。太陽も隠れ寒々としてきた。 三頭山頂上は雪こそないがまるで冬のような雰囲気。しかしそこはやはり4月の奥多摩の山、相変わらず人で溢れている。
下山はオーソドックスに、鞘口峠から都民の森、数馬に下る。ここも登山者が多い。しかし何となくスミレが少ないような気がする。この季節の三頭山は初めてだが、もう少し春らしい雰囲気があるかと思っていた。やはり今年の寒い冬・春の影響があるのかもしれない。 人と車、バイクで賑わう都民の森から300mほど車道を歩き、再び山道へ。この数馬へ下る道は、奥多摩周遊道路がすぐ近くに通っているものの静かで、なかなか気に入っている。スミレがたくさん咲き、周囲の山の斜面にはヤマザクラが満開だ。 何度も歩いている数馬への里道だが、足が軽くなるわらじをはいた「足王さま」というのが奉られているのに初めて気づく。ここは東京の西の端、奥多摩の中でも三頭山は以前は最も登りにくい山のひとつであったらしい。 奥多摩周遊道路が出来る前は、峠越えするのも三頭山に登るのも大変なことで、それこそ足王さまにもすがる思いだったのだろう。 昔人の労苦を偲び数馬に下りる。たから荘で入浴し、満員のバスに揺られて五日市駅に向かう。 |