奥多摩湖とムロクボ尾根
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昨年に引き続き、5月の三頭山を登る。ここに来なくては新緑の季節は終われない。
奥多摩駅から小菅行きのバスで陣屋で下車。すぐに三頭橋を渡り、右側の登山口に入る。
最初から急登だが、ぐんぐん高度を稼ぎ、間もなく木の間越しに奥多摩湖を見下ろせるようになる。雑木と植林の混ざる尾根を登って行く。三頭山方面をわずかに展望できる場所を過ぎる。
ムロクボ尾根は隣のヌカザス尾根同様、緑濃い道だ。登山口から三頭山までの標高差はほとんど同じだが、こちらのほうが急坂が少ない気がする。
ところどころに「橋沢尾根」とか「橋沢滝坂尾根」と書いた導標がたっている。ムロクボ尾根の別名か、それともこれでムロクボと読ませるのか。何となく、この登山道を作った人の苗字を並べたようにも思える。
ツネ泣き峠付近地図
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自然林の割合が多くなり急な木段を登ると、ヌカザス尾根との合流点に着く。真新しい指導標が立っている。
地図では「ツネ泣き峠」がムロクボ尾根とヌカザス尾根との合流地点となっているが、どうもこの地点はそれよりかなり手前のようだ。
しばらく行き小ピークを越えると、今度こそツネ泣き峠だった。ムロクボ尾根方面への道は通行禁止でふさがれている。ムロクボ尾根の上部は、どうやら道が付け替わったらしい。
ムロクボ尾根には危険・注意と書かれた指導標がよくあるが、その部分を迂回するように道をつけたのかもしれない。ここまで、ここといって危険そうな箇所は無かったので。
ブナ林
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ところで、ツネ泣き峠という名の由来は、その昔おツネという女性が、この尾根を越えたときに泣きそうなくらいあまりにも急で時間がかかり、夜を明かしてしまったという話である。が、実は男性に会いに行って朝帰りをしてしまった言い訳に、この尾根越えの難儀さを利用したなんていう話もあって面白い。
ツネ泣き峠付近のゆるやかな登下降の道は、昨年と同じくブナの木がみずみずしい葉を付け、何ともすばらしい。新緑の奥多摩を楽しむには、この尾根を歩かなければ嘘である。
山頂
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入小沢ノ峰、御堂峠を越えて三頭山山頂へ。曇りがちで展望は乏しいが、それでも30名ほどの人。汗だくの体にひんやりした空気が気持ちよく感じる。
少し休み、ヒメイワカガミが咲いているという場所に立ち寄る。ピンクのきれいな花に1年ぶりに会ったが、今年はもう終期。昨年のいろんな人の報告と比べてもやはり、今年は花の期間が1週間早いようだ。斜面にはかなり咲き残っているが、写真を撮りづらい。
1組の夫婦が、やはりイワカガミを見にやって来た。知っている人は知っているようだ。
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ヒメイワカガミ
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今日はこれで、おとなしく下る。ブヨだろうか、小さい虫が異様に多くてうっとおしい。じっとしてると顔の周りに5匹も10匹も飛び回っているように思える。
都民の森に来たのは3年ぶり。バス発車には時間があるので数馬まで歩くことにした。ショートカットする山道がわからず、周遊道路を延々歩く。地図でみるとかなり遠回りだ。
数馬、仲ノ平とバス停を過ぎ数馬の湯で一浴する。
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