~台風の爪跡を確かめに~
タイトル

くらとやま(1169m)から
たかのすやま(1737m)
2007年9月15日(土)曇りのち晴

7:25奥多摩駅-[バス]-7:50倉戸口7:55-8:05倉戸神社8:10-9:25倉戸山9:35-10:30榧ノ木山下10:40-11:05水根分岐-11:25巻き道分岐-11:50鷹ノ巣山12:30-[休10分]-13:05水根山-14:05六ツ石山14:20-15:45羽黒神社-15:55登山口-16:25奥多摩駅
歩行時間:7時間10分

マップ
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石尾根

浅間尾根の眺め

高度を上げても、紅葉した木が多くなるわけではなかった。榧ノ木山(かやのきやま・1485m)を巻くあたりでは倒木が何本かある。樹林の切れ間から覗いた石尾根にはガスがかかっていた。

榧ノ木山からほどなく水根への分岐に出会う。ここあたりから再び桧の林に入るので、また木の枝が地面に散乱し出す。石尾根の稜線に上がるまでもう一息の登り。
両側に笹を見ながら、石尾根に上がる。周囲はガス。足元にウメバチソウ、ニガナを見る。マルバダケブキもまだかなり咲き残っている。しかし進む方向は真っ白。今日は天気はよくなるはずと睨んでいたのに。
それでももう少しだから、とりあえず頂上は目指す。鷹ノ巣山頂上はやはりガスの中。少し肌寒く、長袖を着る。

単独の登山者が数人、ガスの中で何をするでもなく座っている。妙な共感を覚える。食事をしがてら、しばらく乳白色の空を眺める。
山の中にいるという幸せ感は、むしろこうした眺めのないときのほうがよく味わえるものだ。展望がいいと、それに気をとられて今自分がいる場所のありがたみを忘れてしまう。
曇りや雨の日の山もこうした味わいがあるのだが、どうしても天気予報が悪いと腰が重くなり、出かけずじまいになる。

腰を上げる頃、にわかにガスの流れが速くなってきた。今日は稲村岩尾根を下るつもりでいたが、ガスが晴れるような気がしてきて、もう少し石尾根を歩くことに変更する。
稜線を下っていくと、予感的中でガスがみるみる無くなっていく。

ナナカマドの実が赤く色づく
ナナカマドの実が赤く色づく

榧ノ木尾根や浅間尾根、対岸の奥多摩の山並み、そして遠景は雲が多いながらも丹沢方面まで見えてきた。鷹ノ巣山直下の草原に下りて、ススキが風に揺れる中今一度休憩する。

彼岸花が一輪咲いていた。こんな標高1700mの場所に自生しているはずがない。これは誰かが植えたのだろう。あるいは、この付近に遭難碑か何かの跡があって、彼岸花はそのお供え物だったのかもしれない。
この草原にポツンと一輪、明るい赤色の花が咲いているのは不思議な光景である。

ハナイカリ、ノアザミ、ホタルブクロも咲いている。石尾根はおそらく鹿の食害が原因で、夏の花はマルバダケブキ以外の花はほとんど絶滅状態だ。それでも少しずつではあるが他の花も目にするようになってきている。


ハナイカリ

石尾根の樹林はまだ全体的には緑一色。それでもところどころで紅葉が始まった木も見られる。ナナカマドは赤い実をつけ始めた。
空模様はずいぶん持ち直してきて、青空も広がっている。長沢背稜もくっきりと望める。

それほど台風の被害もないので、石尾根をこのまま最後まで行くことにした。水根山(1620m)、将門馬場を過ぎ、六ツ石山(1479m)で一休み。

御前山が大きい

快適に下ってはきたが、久しぶりの長丁場であったせいか最後は足に来た。石尾根の下部は植林帯が多くなるので木の枝で足を取られやすくなり、そのことでもけっこう体力を使うこととなる。
林道に下り立つ少し手前で、何本もの倒木が通せんぼしていた。大きく迂回して進む。

羽黒神社を通り過ぎて奥多摩の町、そして16時過ぎに奥多摩駅に下り立つ。時間が遅いので日帰り入浴は無理だろう。駅前の特設売店でくるみを買って帰ることにする。


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