~台風の爪跡を確かめに~
タイトル

くらとやま(1169m)から
たかのすやま(1737m)
2007年9月15日(土)曇りのち晴

7:25奥多摩駅-[バス]-7:50倉戸口7:55-8:05倉戸神社8:10-9:25倉戸山9:35-10:30榧ノ木山下10:40-11:05水根分岐-11:25巻き道分岐-11:50鷹ノ巣山12:30-[休10分]-13:05水根山-14:05六ツ石山14:20-15:45羽黒神社-15:55登山口-16:25奥多摩駅
歩行時間:7時間10分

マップ
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先の台風9号は、奥多摩町では何と700mmもの雨量を記録し、東京都の奥庭に大きな爪あとを残していった。
多摩川は泥流と化し、下流に被害をもたらした。奥多摩の町内も土砂崩れによる車道や林道の通行止めが相次ぎ、西東京バスは日原方面は数日間運休となった。
また林道のダメージは大きく、かなり先まで通行止めの区間は残るようである。

奥多摩湖は泥の色に
奥多摩湖は泥の色に

登山道も沢沿いや谷筋のコースはかなりの被害が出ているようで、しばらくは安易に入ることは慎んだほうがいいかもしれない。また、檜原都民の森では、都民の森からの三頭山登山を禁止している(9/17現在)。

9月中旬の3連休は天気もよさそうだ。奥多摩の今の状態を見ておきたい。路線バスはどうやら運行再開したようなので、あまりダメージの少なそうなコースを選んだ。

バスから見る奥多摩湖は泥の色だった。台風からもう1週間も経っているのにである。小河内ダムからも多量の水が放流されている。

倉戸口バス停から青梅街道の上を通り、正面に青空をバックにした稜線を見据える。緑の樹林に覆われているはずの稜線は、上部のほうが茶色くなっている。もしかしたら台風の影響で、稜線の広葉樹が落葉してしまったのでは、と思う。



稜線は緑色を失う

木の枝が散乱

もう紅葉の落ち葉

倉戸山頂上

倉戸神社のあるところから山道となる。倉戸山を経て榧ノ木尾根は、鷹ノ巣山に至る最長コースである。
今まで下山路にばかり使っていたが、長丁場の歩きは槍ヶ岳以来1ヶ月近くしていないので、今日は少し骨のあるコースを歩くつもりでいる。

台風の影響はすぐにわかる。桧の植林下は、葉のついたままの桧の枝が無数に地面に敷き詰められている。まるで緑と茶色のミックスの絨毯のようだ。
少し行くと、犬を連れたハンターの人が一人。「ゴミがすごいねー」とため息をついていた。

小さな水の流れを見てさらに登ると、またハンター。ちなみにここ倉戸山付近は、鹿の捕獲区域として今の時期でも狩猟が許されている。多くなり過ぎた鹿の頭数調整のためだ。
どこに登るのか、往復か、別の道を下山するのかを聞かれる。狩猟のために登山者の位置を知っておきたいのだろう。こちらも間違って撃たれるのはまっぴらだ。鈴など鳴り物の携帯も必須である。
急登を詰めていくと案の定、鹿が10mほど先を横切っていった。さっきのハンターに見つかるだろうか。

広葉樹の割合が多くなり、倉戸山直下の急な登りとなる。枝が散乱し、倒木も何本かあって、跨いだり場所によっては小さく回り道をする。
これらの枝や倒木は、しばらくはこのままなのだろうか。奥多摩の山は当分、いつもよりちょっと体力を使うことになりそうだ。

倉戸山直下で早くも紅変したカエデの葉を見る。葉は地面にたくさん落ちている。周囲の木々はまだ緑一色なのだが、よく見るとところどころ紅葉しかかっている。
さっき下から見たとき、稜線が茶色がかって見えたのはこのせいもあるのかもしれない。倉戸山頂上にはサクラの木があって、これも少し紅葉している。
1100m程度の山なのにこれだけ、今の時期に葉の色が変わっているとは意外だ。紅葉は夜の気温が10度を下回らないと進まないとのこと、9月に入ってそこまで冷えた日はまだないはず。先の台風による桁外れの大雨が、何か関係しているのだろうか。

倉戸山で少し休んで、先に進む。相変わらずの枝の散乱した道。半長ズボンでいたため、枝が足のももをひっかいてみみず腫れになってしまった。
植林を脱して榧ノ木尾根の伸びやかな稜線に入る。自然林が多い道になると、いつもよりちょっと足元がうるさいかな、という程度である。


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