~沢沿いの花、木の花を見ながら~
タイトル
かわのりやま(1364m)から
おおたんばりんどう
2009年3月29日(日)晴れ後曇り

7:25奥多摩駅-[バス]-7:40川乗橋-8:30細倉橋-9:30百尋ノ滝9:40-10:10沢-10:20足毛岩分岐-10:50東の肩-11:00川苔山11:40-12:00横ヶ谷平-12:22獅子口小屋跡-[撮影15分]-13:30大丹波林道-14:40奥茶屋14:45-15:10上日向-15:55川井駅
歩行時間:7時間

マップ
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3月後半になって寒の戻りがあり、桜の開花前線も、関東地方あたりで足踏み状態になっている。
暖かくなるのを皆待っているのか、奥多摩駅発のバスも乗客はまばら。川乗橋で下車し川乗林道に入る。すぐ左手に、「蕎麦粒山」と書かれた指導標が新たに立てられているのを見る。笙の岩山、鳥屋戸尾根へ向かう登山路である。
今日は直進し、いつもの川苔谷コースを行く。


大丹波林道にはキブシ等木の花が多く咲く

右手に沢を見下ろしながら、緩やかに高度を上げていく。
朝日が谷間を割って差し込んできてはいるが、何となくうすら寒い。それでも路肩にスミレやヤマエンゴサク、キケマンを多く見かける。季節の歩みはゆっくりでも決してストップしてしまうことはなく、着実に前へ進んでいるようだ。

細倉橋を渡って林道と別れ、山道に入る。雪も凍結もなく、ヒヤヒヤしながら歩いた昨年1月のときとはえらい違いだ。しかし芽吹きはまだ先のようで、肌寒さもあって春山の景色からは程遠い。
そんな中にも、沢沿いに1年ぶりのハナネコノメを見ることができた。赤や黄色のしべはもうなくなってしまったものが多いが、咲き始めもある。険阻な川苔谷の岩肌にこびりつくように、健気に花を咲かせている。

春浅い川苔谷
ハナネコノメ
東の肩から川苔山へ
石尾根の山を眺望
管理番号が付いた

木橋を渡り、左岸(右手)に移って山腹を斜上する。高度感がある上に崩れかかっている場所もあるので、気が抜けない。ロープにつかまりながら百尋(ひゃくひろ)ノ滝の基部に下りる。氷結などはもちろんしていない。多量の水がまっすぐに落ちてきている。

滝からはさらに山腹の急登を詰める行程が続く。尾根筋に上がり、右手に作業道を分けるあたりから周囲は杉・檜の植林が優勢になる。
もう一度沢沿いに下り、「日向沢ノ峰・川苔山」と「足毛岩・川苔山」の分岐点に出る。足毛岩方面のほうが若干距離がある。今日は日向沢ノ峰方面に入り、東の肩を経由する道をとる。

大丹波川沿いにも
ハシリドコロ
ダンコウバイ
フサザクラ
アオイスミレ

なお奥多摩の山の指導標には、通し番号の書かれたプレートが付けられるようになった。不慮の事故にあったとき、下界に居場所を知らせるのにこの番号が役に立つ。丹沢の指導標にも同じ様なものがでかでかと書かれているが、それに比べると小さく目立たない。

広々とした台地のような場所に出る。少し雪が残っている。日が注ぐが寒い。カラマツ林を登り、開けた場所に出ると東の肩だ。少しぬかるんだ稜線を上がり、川苔山頂上に出る。
もやがかかってはいるが、奥多摩の山々はよく見えている。雲取山、鷹ノ巣山など北斜面はかなり雪が残っている。遠く丹沢も同じ様だ。そして富士山も、春霞に溶け込む間際のところで、白い頂を見せてくれていた。

しかし今日の川苔山頂上は、本当に寒い。1300mの地といえども、例年3月下旬ともなれば暖かな日だまりの場所所を与えてくれるのだが、今日はまるで冷蔵庫のようだ。

獅子口小屋跡から大丹波川沿いの道を下山路とする。鳩ノ巣駅、古里駅へ道を分け快適な尾根を行く。三ツドッケや蕎麦粒山、その先に秩父の町並みも見渡せる。
横ヶ谷平から急な尾根を下り獅子口小屋跡、大丹波川の道となる。行きの川苔谷に比べて明るく穏やかな谷間の道だ。ハシリドコロ、ネコノメソウなど多く見られる。ハナネコノメもきれいな花をつけていた。

大丹波林道に上がるタイミングが1本早く、いつもより長い林道歩きになってしまった。しかしこの林道沿いはダンコウバイ、アブラチャン、キブシ、フサザクラなど木の花の見本市のようになっていた。
途中で、車の人に「乗っていきませんか」と呼び止められる。まだ歩きたかったので丁寧にお断りするが、車が去った後で後悔した。山で施された人の好意はありがたく受け入れなければならない、という原則をつい忘れていた。

断ったバチが当たったのか、上日向からのバスは、日曜日は夕方までないことを知らされた。川井駅まで歩くしかない。標高を下げ、寒さが和らいでいたのが救いだったがこの歩きは長かった。
重い足腰を引きずりながら、4時少し前に川井駅に着く。


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