~春の息吹を感じ展望の頂へ~
タイトル
かわのりやま(1364m)
2005年3月27日(日) 快晴

7:25奥多摩駅-[バス]-7:40川乗橋-8:30細倉橋-9:15百尋ノ滝9:20-10:20足毛岩の肩10:35-11:05川苔山11:55-12:20舟井戸のコル12:25-13:45大根ノ山ノ神13:50-14:25鳩ノ巣駅-[白丸ダム遊歩道]-15:30鴨足草(ゆきのした)16:15-16:20白丸駅
歩行時間:6時間30分

マップ
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春まだ浅い3月末、久しぶりに奥多摩の中央部に足を踏み入れた。1000mを越える山も2ヶ月ぶり、少しは雪の残る山道も踏んでおこう。
雪の解けた稜線から川苔山を望む
雪の解けた稜線から川苔山を望む

東日原行きのバスは乗客は数えるほど。川乗橋で下りたのは自分だけだ。冬が長い今年は、4月間近になっても奥多摩にハイカーは戻って来ていないようだ。
林道を緩く上がっていく。周囲の山肌はまだ寒々としているが、木々の枝先は赤みを増してきている。そして所々でダンコウバイの黄色、フサザクラの赤色を目にする。地面にはユリワサビの白花もそろそろ見られるようになった。

細倉橋で林道と別れ、山道に入る。しばらくは斜度のない、のんびりした道。雪もない。
沢沿いに緩く上がり木橋で沢を何度もまたぐようになる頃には、周囲は自然林に包まれ、いやが上にも新緑が待ち遠しい気にさせてくれる。川乗林道からのコースは中腹部が杉・檜の植林帯となるから、この下部の自然林の新緑を楽しむために、春の意外と早い時期が登山の適期のひとつとなる。

やがて登山道にも雪が現れ始める。枯葉の下には凍結した雪が隠されていることもあるから、沢を高巻く道は少し緊張する。
しばらくして百尋(ひゃくひろ)の滝の上部に到着。左手前には土砂の流出跡がまだ大きく残っていて、これはこれからもずっとこのままなのか、とちょっと残念に思う。

滝からはやせ尾根の急登となる。分岐が現れる。「川苔山・日向沢の峰」と「足毛岩・川苔山」。今日は足毛岩経由の道を選ぶ。こちらのほうが若干遠回りである。
日陰や植林下では雪が継続して現れるようになる。樹間からは雪のまだらについた山肌、そして石尾根の奥に富士山の姿も見え出す。
川苔山頂上
川苔山頂上
雲取山、天祖山
雲取山、天祖山
マンサク
マンサク

やがて足毛岩の肩に着く。足毛岩はアカヤシオツツジの咲く頃、下から見上げるときれいだが、ピークそのものは平凡で展望もない。

ここから先は右に植林、左に雑木の急登となる。やがて川苔山直下の支尾根に乗る。山頂を正面にすえ、自然林の気持ちのいい稜線が目の前に展開する。今日のコースで一番いい場所だ。
穏やかな稜線から急な登りに転じるが背後に展望も広がり、爽快な登りである。頂上直下の展望のいい急登は七ツ石山や鷹ノ巣山にもあるので、奥多摩の山々の特徴なのかもしれない。

川苔山頂上に着く。目線にの位置に木が少しあるが展望は素晴らしい。
南に富士山や奥多摩三山(御前山、大岳山、三頭山)、丹沢。西側には石尾根の山々や雲取山、天祖山。その先に飛竜山も見える。北側には蕎麦粒山や三ツドッケ。奥多摩の山が勢揃いしている。ずいぶんと御無沙汰している山もある。天祖山は今年の秋には登ってみようか。

川苔山頂上の雪はもう10センチ程度まで溶けている。長い冬から脱した山の雰囲気が感じられる。登山者はたまに登って来るくらい。口々に「今日は空いてるね」と言う。まだまだ静かな奥多摩の山である。

鳩ノ巣駅方面へ下山する。舟井戸のコルまでは自然林が気持ちいい下りだ。
満開のマンサクをすかすように山肌を見ると、木々の根元が円形に雪解けしている。春先、雪国の山のブナ林でよく見られる風景だが、奥多摩では初めて見た。

コルからは植林帯の下りが続く。単調ではあるがどことなく懐かしさの感じられる道だ。
廃村となった峰集落への踏み跡を分けると大根ノ山ノ神。上に駐車場が出来ている。静かでしっとりした休憩適地も、いまやここまで車で上がって来れてしまうようになった。

30分ほどで棚沢集落へ。道端にスミレが咲く。正面に見える端正な三角形の山は、昨年イワウチワの見られた城山だ。

鴨足草のけんちんうどん
鴨足草のけんちんうどん

鳩ノ巣駅横の踏切を渡り、青梅街道を渡ってそのまま渓谷へ下りていく。最初は日帰り入浴して帰ろうかと思っていたが気が変わり、白丸ダムへ通じる遊歩道を歩いていくことにした。
どこかに花でも、と思ったが一箇所カタクリの咲く斜面(開花はまだ)を見つけたくらいで成果はなし。ダムを過ぎて白丸駅前の数馬峡橋の前まで来てしまった。

目の前に、料亭風の店がある。駅前に何もないイメージの強い白丸駅だが、こんな洒落た店があるとは。「鴨足草」と書いてゆきのしたと呼ぶようだ。
よく見ると料亭ではなく、ちょっと高めのうどん店だった。温泉の代わりにここに寄っていくことにした。(注:鴨足草は2006年3月にて閉店)



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