●うっすら積雪の大持山
鳥首峠方面の取り付きまで1時間弱の車道歩きだが、雨模様で薄暗い中、桜やツツジの彩りに囲まれた道を楽しんで歩く。ヤマブキの黄色い花もきれいに咲いている。
登山道の取り付きには大きなセメント工場が建っている。初めのうちは道がわかりにくいが、手書きの導標を頼りに登って行く。しばらくはゆるやかな登りで、ようやく雨も上がり雲の切れ間から薄日が差し始める。足取りも軽くなる。
廃屋となった白岩集落を過ぎると不意に展望が広がる。その後すぐ植林帯の急登になる。鳥首峠を示す導標は無く、「奥秩父線21,22号に至る」の黄色い杭を目印に進んで行く。
ジグザグの急坂を登り詰めたところが鳥首峠だ。登山者4,5人が行き交い、峠らしい雰囲気が漂う。左は有間山への縦走路、正面は浦山への下り道。カタクリがあるとのことだったが、ここでは見つけられなかった。右の大持山方面へ進む。
この先は小さいピークをいくつも越えて行く。意外とタフな道だが、自然林が多く清々しい道となる。程なく着いた小ピークでは、奥多摩の長沢背稜が一望出来た。驚いたことに、その斜面がうっすらと白くなっている。
昨日からの雨は奥多摩のあのへんでは雪だったのか。しかしこれからたどる道はまさかな...と考える。
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が、高みに登るにつれて道は雪に覆われ始めた。
時々道がスギ林の中に入るところでは、木に積もっていた雪が溶け出して来ているので、まるで雨が降ってきたような気がしてびっくりする。
ウノタワの鞍部に着く。山中~名郷への下り道が分岐している。一休みしたいが先を急ぐ。若葉の芽吹きが目にまぶしい。これからがいい季節になるだろう。
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大持山・山頂
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雪の被る酉谷山尾根
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妻坂峠の分岐を経て、さらに10分ほどの登りで大持山に到着する。5ミリ~1センチほどの積雪でもやはり雪があると寒い。
それでも、時折降り注ぐ陽の光は柔らかく揺らめき、もう春のそれだ。
武甲山に続く稜線が気持ち良く伸びている。西面には奥多摩の酉谷山から派生する尾根が堂々と横たわっている。北面はかなりの雪化粧だ。でもこの季節になれば溶けるのも早いのだろう。
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