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2010年1月10日(日) |
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池袋駅 |
6:00 |
東武東上線 |
7:16 |
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小川町駅 |
7:21 |
東武東上線 |
7:37 |
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寄居駅 |
7:45 |
秩父鉄道 |
8:00 |
野上駅 |
8:03 |
8:22 |
萬福寺 |
◇ |
8:40 |
尾根 |
◇ |
8:45 |
天狗山分岐 |
◇ |
8:55 |
天狗山 |
◇ |
9:05 |
天狗山分岐 |
◇ |
9:18 |
氷池分岐 |
◇ |
9:27 |
野上峠 |
◇ |
9:35 |
小鳥峠 |
◇ |
9:40 |
林道 |
◇ |
9:50 |
宝登山登山口 |
◇ |
10:05 |
宝登山 |
11:05 |
11:11 |
宝登山登山口 |
◇ |
11:28 |
西光寺 |
◇ |
11:55 |
根古屋橋 |
◇ |
12:10 |
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満願の湯 |
14:25 |
皆野町営バス |
14:43 |
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皆野駅 |
14:55 |
秩父鉄道 |
15:08 |
御花畑駅 |
◇ |
◇ |
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(西武秩父駅) |
15:31 |
西武鉄道 |
17:08 |
池袋駅 |
◇ |
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長瀞アルプスとは、秩父鉄道の野上駅・長瀞駅付近の西側に、南北に伸びる小さな尾根のことを言う。荒川の外側にあるため、陣見山や破風山と同じ山域の「外秩父」というエリアとなる。アルプスと名がつく山塊にしては小さく低く、気合を入れて登山するような山ではない。外秩父の山は、秩父の広大な風景と、その独特な地方色強い雰囲気に惹かれるところがある。
奥多摩や中央線、丹沢の山などは、麓の山村であっても、立派な橋がかかっていたりコンビニがあったり、大きな観光施設が立っていたりする。それはそれで登山者にとっては好都合な面もあるのだが、都会から離れてのんびりとしたいなら、やはり秩父がいいのである。
ロウバイ越しに望む秩父の山並み。宝登山山頂から
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東武線回りで秩父鉄道に乗り、野上駅で下車する。昔懐かしい駅舎を後に、空の広い下、住宅地に入る。すぐ先の民家の軒先にはロウバイが咲いていた。今日は長瀞アルプスから、ロウバイで有名な宝登山まで行く予定である。住宅地の後ろに見えるのはもう、長瀞アルプスの尾根である。
静かな山村に不釣り合いな眼科医院、ちょっと古めかしいスーパーなど、数年前にここを歩いたときの記憶が呼び起こされる。ああ、こんな店もあったな、と。
| 芳香の組み合わせ |
| 長瀞アルプス |
| おたから登山 |
| 神まわり |
| 小鳥峠 |
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鳥の鳴き声が1本の木に集まっている。モズだろうか、何羽もの鳥が同じ木に止まって休んでいる。ちょっと不思議な図だ。
萬福寺で左に折れ、山道に入る。入口に「すばらしい放香・ロウバイの種 黒文字の楊枝」との看板がある。ロウバイが楊枝に、と思ったがそうではなく、クロモジという木が楊枝の材料になるようだ。
ジメッとした植林下の道はすぐ脱して、明るい尾根に出る。もう少し登って本筋の尾根に上がるあたり、ヤセ尾根になっている。アルプスとつけられた名前の面影は、このあたりにあるのか。特に急坂が続いたり、ピークがいくつも連なるといった感じではない。雑木林に包まれた気持ちよい道である。標高が低いので、鉄道や車の音が聞こえてくる。
しばらく歩くと、指導標が立ち「天狗山・御嶽山」に分岐する道が分かれているので、そちらに入っていく。すぐT字路のような場所に出る。左手の小さな高まりが御嶽山であろうか、標識などはなかった。T字路に戻って今度は右手のほうに進む。緩やかな尾根状の道を歩くこと10分弱、登りついたところがおそらく天狗山なのだろう。こちらも文字媒体などは見当たらない。秩父鉄道側に下っていく道が続いていた。
本来の稜線に戻る。「お宝登山」、「神まわり」などユニークな標識がかかっていて面白い。お宝登山は「おほどさん」と読むのだろうけれど、「おたからとざん」でもいいだろうか。年始に歩く山として縁起がいい。
氷池分岐を過ぎて、冬木立の明るい樹林がまだ続く。正面の宝登山がどんどん大きくなってくる。振り返ると、出牛峠から横隈山にかけての山稜が穏やかな曲線を描いている。
眺めの大きく開ける場所はないが、日差し豊かな道だ。一度だけ檜林に入る。アルプスの名前はあっても、アップダウンの連続はなく、「少々歩きがいのある遊歩道」といった表現が合っているだろう。向こうからやってくる人は運動靴だ。
端正で穏やかな形を呈していた宝登山が、いよいよ高い峰に見えてきた。少し薄暗い野上峠から、また陽だまりの道になって小鳥峠。そこから数分で車道に出る。ここから宝登山の登山口まで、舗装された道を歩くことになる。
すぐ先の山側にリボンがあり、そこから踏み跡が伸びていた。これをたどっても宝登山に登れそうだが、根古屋への下山路を確認しておきたかったのでこのまま車道を行く。車が一台、通り過ぎていった。10分と少しで宝登山登山口に着く。狭いが駐車スペースがあり、車でここまで来て登り出す人もいる。
| 一気に開ける展望 |
| 宝登山山頂 |
| 青空に映える |
| 鈴なりのロウバイ |
| 皆野駅から |
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しかしここからは今までと違って鉄砲登り、すなわち直登である。、宝登山の標高は497m。長瀞アルプスはせいぜい300m前後の尾根であり、歩き出しの野上駅付近は140mなので、今日はここまでまだ半分しか高度を稼いでいないのだ。急斜面を一気に登ろうとするが、途中から幅の広い木の階段になり息が切れる。左から1本の道が合流してきた。さっきのリボンの入口から上がってきている道であろう。
にわかにあちこちで人の声がし始め、眺めが突然と開けた。宝登山の山頂である。すぐ下にロウバイがたくさん咲いているが、まずは広い展望に目が行く。武甲山から奥多摩長沢背稜あたり、破風山、城峯山とパノラマ展望がつながり、さらに両神山のギザギザがはっきり見える。北半分の眺めは得られないが、なかなかすばらしい眺望の山だ。
秩父の山を眺めていると、今年もここに帰ってきた、という感慨が沸く。別にここが自分の故郷というわけではないのだが、何となく、ずっと前からこの眺めを知っていた気がする。中央線や大菩薩の山並みを見ても、そういう感覚はない。
ベンチで休憩したあと、ロウバイの咲く遊歩道を一周する。独特の香りが周囲に漂い、一足早い春の雰囲気に包まれる。西武鉄道のサイトで「まもなく満開」と紹介されていたせいもあってか、かなりの人出である。大半はロープウェイで上がってきている人で、登山の格好をしているのは半分以下。自分のように登山靴らしい靴をはいている人はあまり見かけない。
長瀞駅方面へ下り、宝登山神社も見てみたいのだが、少し長く歩きたいので根古屋へ下る。先ほど登ってきた急坂をかけるように下る。まだどんどん人が登ってくる。
登山口に戻ってからは、左手の根古屋方面に進む。未舗装の林道は「関東ふれあいの道」として整備されている。日当たりのよい草地に出るが、日陰の水溜りはカチンカチンに凍っていた。分岐を左折、U字状に掘り窪められた山道を緩く下っていくと、あっけないほどに早く民家、そして県道が視界に入る。橋を渡り下り立ったところは西光寺の前だった。車道を左に少し行くと皆野町営バスの山形バス停がある。宝登山山頂から30分かからなかった。
車道を歩いて満願の湯に立ち寄っていく。以前、横隈山から下山したとき、更木からこの車道を延々と歩いてきたが、今日はその三分の一程度である。歩いているとき、宝登山の山頂が見えた。カメラでズームして見てみると、山頂で人が動いているのがはっきりとわかる。下山に30分しかかからなかったわけだ。
次のバスまで2時間近くある。温泉にゆっくり浸かって皆野駅まで戻る。
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