2016年1月16日(土) | |||
◇ | 池袋駅 | 6:20 | |
東武線 小川町駅乗換え |
|||
7:19 | 寄居駅 | 7:51 | |
秩父鉄道 | |||
8:35 | 皆野駅 | 8:40 | |
皆野町営バス | |||
9:10 | 秩父華厳の滝 | ◇ | |
9:40 | 大前 | ◇ | |
10:00 | 天狗山 | 10:05 | |
10:15 | 大前山 | ◇ | |
10:23 | 武蔵展望台 | 10:30 | |
10:35 | ノッキンボウ | ◇ | |
10:45 | 札立峠 | ◇ | |
11:00 | 破風山 | 11:45 | |
11:55 | 猿岩 | ◇ | |
12:15 | 風戸 | ◇ | |
12:50 | 秩父温泉 満願の湯立寄り |
14:05 | |
皆野町営バス | |||
14:23 | 皆野駅 | 14:30 | |
秩父鉄道 | |||
14:59 | 寄居駅 | 15:04 | |
東武線 小川町駅乗換え |
|||
16:32 | 池袋駅 | ◇ |
破風(はふ)は建築用語で、家の屋根の三角部分のことを指すらしい。三角は山の形を連想するので、破風山という名前の山はそう珍しいものでもない。
山岳展望ソフト「カシミール」に登録されている日本の山から検索すると、破風山、破風岳など5座があった。この外秩父の山は「はっぷさん」と発音するのが一般的だが、これは秩父の訛りだろうか。
鎖のついた岩尾根を登る。大前山手前にて |
|
皆野駅からバスに乗り、秩父華厳の滝で下車する。少し戻って川にかかった橋を渡る。登山者カウンターがあったのでカチッと押して登山道に入る。
檜林下の谷間の道を緩く上っていく。北斜面で日が差さず、ちょっとひんやりする出だしだ。
後ろから一人の登山者がついてくる。地元の人で、ボランティアで周囲の山の紹介などをしていると言う。皆野町作成の破風山の地図をもらった。
自分も、破風山を巡る登山道はだいたいひと通り歩いており、ここも数年前に登りにとっている。今日はここを初めて歩く友達といっしょに登る。
山を紹介する意味もあって、数ある破風山の登山道の中で一番気に入っているものを選んだらこの大前コースになった。自然林が割と多く、山の深さを感じられる道である。
程なく上部に大前集落の民家が見えてくる。大前は奥武蔵、外秩父の典型的な山上集落だ。登山道がいつの間にか家と家の間の路地に変わってくる。
その道には白いものが見られた。着いてきた地元の登山者によると、昨晩は麓で雨が降り、それが山では雪になったようだとのこと。
集落の上のほうに立っている標識に従い、再び登山道へ。天狗山へ直接上がる道を選ぶ。
稜線近くまで上がると、破風山から続くゴツゴツした山並みが見えてきた。薄く雪の積もったヤセ尾根を歩いて天狗山に着く。木が若干邪魔をするものの、城峰山など四方の眺めが広がっている。
天狗山からは岩がちの急坂を下っていく。この天狗山から破風山、その先の山靴の道に至るルートを「皆野アルプス」と呼ぶらしい。自分が山靴の道を歩いたときはそんな名前はなかった。
たしかに、この破風山の山稜は、周囲の山に比べれば奇岩や岩場が多く、標高の割に歩きでがあり楽しめる。先のボランティアさんが言うには、ここ数年で急に登山者が増えたそうである。やはり「アルプス」の文字が人を惹きつけたと言うことか。
|
ロープのある下りから鎖場の登り返しとなる。樹林に囲まれた尾根だが見通しはいい。首のない石像のある大前山山頂は今日の最高点。さらに「アルプス」らしいヤセ尾根の細かな下り登りが続いた。再び高みに上がったところには「武蔵展望台」の板がかけられていた。
先着していたボランティアさんによると、この地点は標高がだいたい634mなので、地元の人たちで「ムサシ」展望台と勝手に名前をつけちゃった、と言うことだ。
武蔵の山がよく見えるからというわけではなく、いやむしろそういう意味も兼ねてのしゃれたネーミングである。
その武蔵展望台からは、武甲山など奥武蔵・奥秩父の山の眺めがすばらしいのだが、今日の秩父は標高500mあたりから下薄い雲に覆われ、いまひとつはっきりしない。以前黄砂が飛んだ日に登ったことがあるがその時に似ている。あるいはPM2.5の影響だろうか。
この先は一箇所だけ下りの鎖があり、それを終えるとお次は奇岩「ノッキンボウ」である。ニョッキリとも呼んだりする。見れば見るほど不思議な形の岩の塔だ。
ここを過ぎると道は穏やかになり、普通の奥武蔵の山道となる。林の中を下っていき札立峠、再び明るくなった雑木の道を登り返し、破風山山頂に到着した。
もやも少し晴れてきて、気持ちのよい青空が広がる。秩父のパノラマ展望を前に昼休憩とした。出足の遅かった他の登山者もどんどんやってきて、賑やかになった。
パラグライダーが下の方から上がってきた。破風山の下部に発着場でもあるのだろうか。その後パラグライダーは上昇気流に乗り、いつの間にかはるか上空へ。破風山の山頂はまるで時が止まったかのようだ。
秩父温泉に向けて下山する。このまま東の方向の稜線を伝い、山靴の道を歩けば皆野アルプスの全ルートを縦走することになるのだが、やはり温泉の誘惑には勝てない。再び薄く雪の残った北斜面の道を辿る。猿岩を経て樹林帯に入ると、正午を告げるチャイムと防災無線の放送が聞こえてきた。
やがて麓が見えてきて風戸の山上集落に下り着く。木にみかんだかゆずだかがなっている農耕地の斜面を見ながら、近道を下り麓の日野に着いた。5分ほど歩いて秩父温泉「満願の湯」、今日の山行の終点である。
破風山は小さい山だが、変化がありとっつきやすい山であることからよく足が向き、今回で5回目の登頂となった。冬や早春になると登りたくなる山である。