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雲取山のトップページへ
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2010年1月2日(土) |
◇ |
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新宿駅 |
6:44 |
中央線特別快速 |
7:12 |
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立川駅 |
7:15 |
青梅線(青梅駅乗換) |
8:28 |
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奥多摩駅 |
8:35 |
西東京バス |
9:15 |
鴨沢 |
9:20 |
9:45 |
小袖乗越 |
◇ |
10:30 |
水場 |
◇ |
10:55 |
堂所 |
11:05 |
12:10 |
ブナ坂 |
12:25 |
12:50 |
奥多摩小屋 |
◇ |
13:30 |
小雲取山の肩 |
◇ |
13:50 |
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雲取山 |
14:20 |
15:50 |
雲取山荘 |
(泊) |
2010年1月3日(日) |
◇ |
雲取山荘 |
6:30 |
6:50 |
雲取山 |
7:25 |
7:45 |
雲取山荘 |
8:20 |
8:35 |
大ダワ |
◇ |
9:15 |
芋木ノドッケ |
◇ |
9:25 |
白岩山 |
9:30 |
9:50 |
白岩小屋 |
9:55 |
10:20 |
前白岩山の肩 |
◇ |
10:55 |
お清平 |
11:00 |
11:15 |
霧藻ヶ峰 |
11:20 |
12:25 |
妙法ヶ岳分岐 |
◇ |
12:40 |
妙法ヶ岳 |
13:10 |
13:40 |
妙法ヶ岳分岐 |
◇ |
14:00 |
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三峯神社 |
15:45 |
西武観光バス |
16:30 |
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三峰口駅 |
16:46 |
秩父鉄道(急行) |
17:02 |
御花畑駅 |
◇ |
◇ |
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(西武秩父駅) |
17:33 |
西武鉄道(飯能駅乗換) |
19:29 |
池袋駅 |
◇ |
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2010年の幕開け。通算24回目の雲取山に登った。寒い冬に一度は避難小屋に泊まりたいと思っているのだが、今年も雲取山荘に宿をとった。寒いのもあるが、冬になると体力が落ちて重い荷物を担ぐのがしんどい。冬の自分の体は、夏のように気合が入らない。
いつものように鴨沢までバスで行く。バスはほぼ満員で、ほとんどが鴨沢で下りた。
小屋泊で荷物は軽いが、どうも体が重い。しかしどういうわけかペースは早い。前後に登山者が多く、引っ張られる感じだ。若い人が多い。
最近、歩いていて気がつくのは、登山する人の年齢層が、下がってきたことだ。昨年前半、若い女性の間で登山やトレッキングがブームになったが、その後男性のほうにも飛び火したようだ。女性に連れられて登ってきたような男もよく見かける。今、全登山者の年齢層で言えば、自分はおそらく中間くらいか、まだ少し若いうちに入るかもしれない。山小屋の食堂で「若い人はたくさん食べて」などと、いまだに声をかけられる。そんな自分も今年末に50歳となる。
雲取山頂上
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小袖登山口からものの30分も歩かないうちに、上のほうの斜面に薄い雪が見え始めた。堂所あたりからは、日の差さない場所は決まって白くなる。七ツ石分岐から巻き道を歩き、ブナ坂に到着する。南に面した部分が多いので、雪は少ない。しかし振り返って七ツ石山を仰ぎ見ると、山頂部西面の防火帯の部分は白かった。
奥多摩小屋からヨモギノ頭を越えると、高度も上がりさすがに凍えてきた。雪は相変わらず少なく、小雲取山の肩の指導標は土台の部分から見えていた。雲の流れが早く、雲取山頂は黒くなったり明るくなったりを繰り返している。
避難小屋の横を通り、雲取山に到着。富士山は逆光になってしまったが、今日は下界の市街地の眺めがいい。本仁田山と御前山の間から覗いているのは、所沢や飯能方面だ。西武ドームや低い丘陵地帯が見える。
| 鴨沢から |
| 雪が薄く付く |
| 小雲取山の肩 |
| 雲取山へ |
| 頂上は積雪10cm |
| 雲取山荘へ |
| 夕食前の談笑 |
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山頂からの下りは雪が薄く積もって、凍結している箇所も多い。今日初めてアイゼンを使う。
雲取山荘に入り、部屋に荷物を置きすぐにロビーのストーブで暖をとる。今日はお正月ということで、ストーブの回りで、甘酒と樽酒がふるまわれていた。甘酒がこんなに甘くおいしいものとは知らなかった。ストーブの回りにやって来た人と談笑しながら、日暮れまでぬくぬくとした時間を過ごす。冬の山小屋はこのまったりとした雰囲気がいいものである。
部屋に戻る。コタツがあって足は暖まるが、部屋全体は寒々としている。同室の人が持っていた温度計では5度だったようだ。広い部屋に4人しかいないので寒い。山頂の避難小屋のほうが、人口密度が高いのでかえって暖かいとの説もある。廊下に出ると、暖かく感じる。ロビーのストーブの暖気が流れてきているからだ。まあ部屋の寒さも冬の山小屋ならではの点景である。
雲取山荘は、この日は60名が宿泊した。お正月は甲武信小屋や金峰山小屋も営業しており、いずれは泊まってみたいと思うのだが今年も雲取山荘になった。なお前日の元旦~2日は20名とのこと。
翌朝、ひとり自炊小屋に入って食事を作る。ストーブがあるので寒さは防げる。ライターを持参してきてよかった。
6時30分に出発。もう一度山頂に登る。昨年2月に登ったときは半端でない寒さで、手足の指が痛くなってくるほどだったが今日はそうでもない。それでも氷点下の世界であることには変わりない。
雲取山頂に着くとすでに周囲は赤らみ、石尾根の上に日が昇り始めていた。他の三方は雲が多く、南アルプスは見えない。富士山も雲に隠され気味だ。しかしいつもながらの広い眺めだ。奥多摩、御坂、丹沢など幾重にも連なる山並みはここ雲取山からの専売特許ともいえる眺望である。
小屋に戻り、三峰へ下山を始める。このコースは、石尾根と違って北斜面が多いので、積雪の量が若干多い。雲取ヒュッテから登り返して、芋木ノドッケや白岩山が望める台地に出るあたりは20㎝以上あり、雪国さながらだ。大ダワを経て芋木ノドッケを西側から巻く。固定ハシゴがつけられた暗い寒い道で、凍結が目立ち慎重を期するところだ。
長沢山・酉谷山への分岐を経て、さらに重厚な森林を辿ると芋木ノドッケの標識に出合う。芋木ノドッケ(1946m)のピークはこの少し上にあるが、今日は立ち寄らない。ここを過ぎると白岩山(1921m)へは緩やかなひと登りで着く。一面白い雪だ。他の季節なら、鹿の見ないほうが珍しいくらいの山だが、さすがに今日は見かけない。しかし遠くで鳴く声は耳にする。
緩く下って、白岩小屋に出る。展望台からは和名倉山を正面に、奥秩父の奥山が広く眺められる。どれも斜面を白くさせていて、この奥多摩~奥秩父山塊は雲取山を境にして雪の付き方がまったく違っていた。それにしても寒い。北斜面が多いからというわけではなく、太陽が雲に隠れる時間が長いからだ。それゆえ積雪が溶ける兆しもなく、凍結した尾根道がこれから先も続く。
前白岩山の肩、前白岩山とやせた尾根を越えて行く。左手に奥秩父の稜線、右手に見える長い尾根は、熊倉山から酉谷山に伸びているものだろう。意外と随所で展望が利く。相前後して多くの登山者が行き交う。ピッケルと12本爪アイゼンという重装備の集団もいる。雪のない斜面では歩きづらそうだ。軽装の若い外人さんグループは、三峰からの往復だろうか。
| 石尾根に日の出 |
| 避難小屋 |
| 芋木ノドッケへ |
| 凍結箇所多い |
| 頂上直下は鎖場 |
| 三峰コースを俯瞰 |
| 初詣客で賑わう |
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前白岩山(1776m)からは少々岩の出た急坂となる。氷でガリガリのジグザグ斜面を慎重に下っていくうち、登山道はようやく雪道から茶色い落ち葉道に移り変わってきた。その境界線は意外とはっきりわかるので、面白い。
お清平のベンチで一休み。雪はもうまだらだ。ここからは霧藻ヶ峰への急な登り返しとなる。両側にスズタケの茂る道をがんばって登ると、売店の立つ霧藻ヶ峰(1547m)である。両神山や西上州の山々の眺めが広い。八ヶ岳は雲に隠されている。売店の煙突からは煙がたなびいていたが、おやじさんは外に出てこなかった。
ここまでくれば、すでに三峰のエリアである。地蔵峠の眺めいい場所は、植生回復のためロープが張られて入れなくなっていた。アシビの木が多く茂っている。今日は三峰に下る前に、途中の妙法ヶ岳に立ち寄っていくことにする。
地蔵峠からそのまま登山道を下っていけば、妙法ヶ岳への分岐があるはずなのだが、ちょっと混乱してしまった。登山ガイドや地図では、炭焼平のところから北東に伸びる尾根に入っていくように書かれているが、実際は炭焼平からさらに100mほど下ったところにある。以前は地図の通りに、炭焼平のところから入れたのかもしれない。
「奥宮を経て三峰神社」という標識が立っているところで右の道に入る。支尾根に乗るまで急登となる。それ以降は小さアップダウンがあったり平坦道になったり。その後小さなピークを右側から下り気味に巻いていく。整備は行き届いているがなかなかタフな道だ。三峰神社からの道との合流地点までは、思っていた以上に長い。どうも距離感や周囲の地形が地図と合っていないような気がする。
合流地点にはあずまやが立っており、ちょっとした展望台になっている。妙法ヶ岳へはコンクリートの鳥居をくぐる。ここから先もアップダウンのある尾根道が続く。いったいどこまで奥に入っていけばいいのか、と思う。三峰コースの下山中に見えた妙法ヶ岳は、いくつかのコブが連なっていて、標高は低いがなかなか険しい山に思えた。登山道はどうやらその一番奥に見えたコブ、そこまで行くようである。
木製の鳥居の場所まで来ると、大きな岩の脇を縫っていくようになる。梯子やクサリ場に注意、という意の看板があった。ここから先はさらに険しそうだ。目の前のコブを梯子で越えると、最後の石の階段。これが恐ろしいほどの急傾斜だ。奥多摩の大岳山・鋸尾根の末端にある愛宕神社の階段を思い出す。階段は短かったが、その上は階段さえ作れないほどの岩の急斜面になっていた。その距離10mほどだが、まるで天に昇るような角度で、鎖をたぐって登る。ちょっと北アルプス槍ヶ岳の最後の登りに似ている。
登りついたところが、社のある妙法ヶ岳頂上だった。
三峰山とは、白岩山、妙法ヶ岳、雲取山の3つの山の総称で、その奥宮がここ妙法ヶ岳ということである。一部では、雲取山を奥宮と位置づける考えもあるようだが、雲取山にこういった、ご神体を奉る社のようなものがあるのだろうか。まだ見たことがない。
頂上からの眺めはよい。社の後ろ側に両神山など、奥秩父山塊の眺望も得られるが、何と言っても今歩いてきた雲取山からの稜線、この眺めが目を引く。雲取山や白岩山の大きさを印象付けられる眺めである。
妙法ヶ岳頂上には、ひとり先客がいた。その人に倣って、自分も拍手をうって初詣代わりのお参りをした。
あずまやの地点まで戻る。ほとんど人の来ない山かと思っていたが、意外と多くの人とすれ違う。やはりお正月だからか。三峯神社に初詣に来たら、登山者ならここまで登ってくるのがお約束なのだろう。
三峯神社に通じる道に入る。高度を下げ、雲取山登山口に到着する。みやげ物屋付近や三峯神社はけっこうな人出になっていた。立ち寄り入浴してから、バスで下山する。バスは満員で立錐の余地がなかった。
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