タイトル
金峰山から甲武信岳 2000.8.24.~26.
1 2 3 甲武信岳のトップページへ Home

●瑞牆山荘前から金峰山を登る

太平洋高気圧の勢力が強いのに、秩父・奥多摩あたりの天気はこのところ、どうもすっきりしない。 1日目も、麓からどんよりした曇りだった。
カワラナデシコ カワラナデシコ
トウヤクリンドウ トウヤクリンドウ

中央本線の韮崎駅で下車、バスとワゴンタクシーを乗り継いで瑞牆山荘の前まで行く。しばらくはなだらかな樹林帯を歩く。広葉樹がまだ瑞々しい。
一度林道を横切り、やや急な尾根道へ。富士見平小屋に着くと、テントが数張りあった。マルバダケブキの花に止まるアゲハチョウが色鮮やかだ。

歩きよい山腹の道をなおも進むと、右手に大きな岩のピークが見えてきた。導標には鷹見岩展望台とあり、往復できるようだ。今日は先に進む。
このへんでもすでに標高2000m近くある。登山口の瑞牆山荘前から金峰山は、標高差で言えば1000mと少し。奥秩父第2の高峰は意外と登りやすい(これより600m低い雲取山の場合、鴨沢からの標高差は1480m)。
時々すれ違う人の多くがザックが小さく、日帰り風なのもうなずける。

大日小屋前の切り開きに出る。ここにも何箇所かテント設営地があるし水場も近い。前方に大日岩が大きくのしかかる。
小川山への分岐を過ぎると再び樹林の中。今度はかなりの急勾配で手ごわい。ときどき前方に見え隠れする金峰山は、ガスがかかり始めている。大日岩から1時間余り、ガスの濃い中、樹林が切れた。

五丈岩 五丈岩

長野県側はハイマツ帯、山梨県側は切り立った崖になっていて爽快だ。時々ガスが切れ、前方に千代ノ吹き上げと言う鋭い岩峰が見える。そのわずか後ろには、金峰山の山頂、「五丈岩」がそびえる。
金峰山の斜面は、ガスがかかり薄暗い部分と、日が照って明るい部分とに分けられている。山の大きさを感じる。
気持ちのいい岩尾根歩きはそう長くなく、五丈岩を過ぎ、金峰山の山頂にたどり着く。

五丈岩は、遠目に見ただけでは大きさがわかりづらいが、近くに寄るととてつもなく大きい。こんな岩の塊を、誰がいつ組み上げたのだろうか。山頂からの展望は残念ながら芳しくない。山梨県側はガスで真っ白。長野県側も、小川山の大きな塊が見えるくらいで、瑞牆山はどこにあるのかさえわからない。
しかし、主脈縦走路である国師岳への稜線ははっきりと見えた。甲武信岳ははるかかなただ。

明朝の展望を期待して、山頂直下の金峰山小屋に早々に下りる。
金峰山小屋は閑散としていた。自分のほかに宿泊客は1人。小屋番の人も暇そうだ。今日はいくらか食糧を持ってきたので、食事付きでなく素泊まりとした。布団がフカフカしていて気持ちいい。

●縦走路を国師岳へ

主脈縦走路 ケルンが立ち並ぶ縦走路
翌朝、山頂にガスがかかっていた。しかし山頂に登るにつれガスは切れてきた。
視界をさえぎるガスは無かったものの、春先のようなもやがかかり、雄大な展望は得られなかった。
しかし360度見渡せる山頂は、とても開放感がある。山の朝の涼気の中で、ゆっくり朝ご飯を食べた。

瑞牆山も見えるが、隣りの小川山が大きく、瑞牆山は小川山の支稜のような感じがする。反対側に「裏瑞牆」と呼ばれる岩峰も見える。

山頂から東に歩き始める。しばらくはハイマツ帯の展望のいい道だ。しかしすぐに樹林帯に入ってしまう。鉄山を巻き、朝日岳あたりまでは傾斜もあまりなくどんどん進める。苔むした原生林、無風だが日もあまり差し込んで来ないので、ひんやりとしている。

時々立ち止まって、耳をそばだててみるが、たまに野鳥の声がする以外は、何の音も聞こえない。まさに無音状態。山の中に吸い込まれていきそうな瞬間だ。




前のページ Home 次のページ