2012年1月14日(土) | |||
◇ | 富ヶ谷ランプ | 4:50 | |
首都高速、中央自動車道 | |||
◇ | 韮崎IC | 6:50 | |
県道27号 | |||
7:00 | 深田公園登山口 | 7:35 | |
7:50 | 饅頭峠 | ◇ | |
8:35 | 林道 | ◇ | |
10:15 | 千本桜分岐 | ◇ | |
10:25 | 茅ヶ岳 | 10:55 | |
11:25 | 石門 | ◇ | |
12:00 | 金ヶ岳 | 12:10 | |
13:00 | 茅ヶ岳 | 13:10 | |
14:00 | 女岩 | 14:05 | |
14:30 | 林道出合 | ◇ | |
14:50 | 深田公園登山口 | 15:05 | |
県道27号、国道20号他 韮崎旭温泉立寄り |
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17:05 | 韮崎IC | ◇ | |
中央自動車道、首都高速 | |||
19:05 | 富ヶ谷ランプ | ◇ |
南関東の山々にも雪が降り積もった最初の土日、茅ヶ岳でスノーハイキングを楽しむことにした。茅ヶ岳には8年前のほぼ同じ時期に登っている。
山梨県の中西部に位置し、すぐ隣りの金ヶ岳とともに、小さいが形のよいひとつの独立山群を形成している。その姿は八ヶ岳に似ているので「ニセ八ツ」などとも呼ばれている。また、日本百名山の深田久弥の最期の山(登山中に脳溢血で逝去)としても有名である。
金峰山の眺めがいい茅ヶ岳山頂 |
今回は、饅頭峠から尾根伝いにダイレクトに茅ヶ岳山頂を目指すことにする。それ以後のコース取りは、登山道の雪の量次第で金ヶ岳まで足を伸ばすことも考える。奥多摩の雲取山でも50センチの積雪だそうなので、ここもある程度まとまった雪があるだろう。軽アイゼン(6本爪)とダブルストックの装備で臨む。
深田公園 |
饅頭峠 |
尾根コース |
八ヶ岳が大きい |
金ヶ岳 |
韮崎インターから県道を北上、深田公園登山口に着く。道路上に積雪はなく、駐車場が白くなっているのみだった。天気は快晴、しかし極限の寒さ。車の中でスパッツをつけ出発する。
すぐ先の登山口ではなく、深田公園の奥に続く林道を上がっていく。樹林の間からは富士山や周囲の山稜がよく見えた。ちょっとした高まりが饅頭峠。ここから北東側に伸びる尾根に入っていく。
薄く積もった雪にトレースはなく、動物の足跡のみ。しかし歩けないことはなく、真っ白い雪面に自分の足跡をつけながら緩い登りを行く。
南に面した斜面であるせいか、平坦なところは決まって雪が薄く積もっているが、上りになるとほとんど土の道だ。小さなアップダウンはあるが、落葉樹が多くて、明るく歩きやすい尾根である。
やがて右手から細い登山道のようなものが合わさってきた。そしてそのすぐ先で、真っ白になった舗装道路と交わる。登山道は車道を10mほど右に進んだところに続いていた。車道をさらに進めばおそらく、深田公園からの登山道と合流するだろう。
尾根コースはこの先、露岩交じりで尾根らしくなり、傾斜も増してくる。踏み跡ははっきりした。
正面にはきれいな三角形をした茅ヶ岳の山頂部が、まだ高い。右手に女岩経由で登るほうのコースも尾根状で見えている。振り向くと韮崎方面の町並みが見下ろせるが、南アルプスは樹林越しで、冬枯れの尾根コースにしては眺めは芳しいとはいえない。急登になるにつれ道はジグザグを切って行くようになる。雪解けの早い南面であっても、高度を上げるとさすがに白い部分が多くなる。
気持ちのよい尾根であるが、斜度が一定で変化に乏しく単調といえなくもない。ずっと同じ眺めで長く感じる。ダブルストックまかせでしゃにむに高度を上げる。
茅ヶ岳と富士山 |
奥秩父の山並み |
女岩 |
暮れなずむ風景 |
千本桜コースとの分岐にやっと出会った。そちらのほうはトレースがほとんどついていない。そこから5分あまりの登りで待望の茅ヶ岳山頂となる。
一気に開ける360度の展望。茅ヶ岳はまさに、甲斐の山々の展望台である。摩利支天も大きな甲斐駒、隣りの金ヶ岳の後ろに真っ白な八ヶ岳、そして富士山も秀麗な姿だ。さらに金峰山が存在感のある姿で目に飛び込んでくる。周囲の山々を従えるようにそびえていて、奥秩父の盟主と呼ばれるのもうなずける。遠く大菩薩方面の山も見える。普段の冬は黒々としているこれらの山も、今日は白い部分がかなり多い。
ここで下ってしまうのはもったいないので稜線を歩きたい。けれど金ヶ岳を越えて明野に下るのは、車まで戻るのにちょっと大変である。膝や腰の状態もまだ完全回復していない。でもとりあえず金ヶ岳を目指し、行けるところまで行くことにする。
山頂から急坂を下る。いままでの南面の登山道と打って変わって、稜線には雪がたっぷりとある。それに身を切る、痛くなるような寒さだ。最低鞍部まで下りつくと、正面の金ヶ岳が果てしなく高くなってしまった。大きな岩の縁を回り込むこの道は、雪があるとなかなかスリリングだ。
石門をくぐりさらに上を目指す。大きな登りをこなして振り向くと、茅ヶ岳の上に富士山が鎮座していた。金ヶ岳南峰はあまり展望がよくない。北峰までもうひと下り登りだが、体力的にいっぱいなのでここで引き返すことにした。
切れ落ちたヤセ尾根の下りを慎重に通過し、茅ヶ岳に戻る。登山者がひとり。今日山中で出会ったのはほんの数名程度。あまりに静かな山だった。
女岩経由で下山する。雪は少なくなるもののシャーベット状になっていて、岩の多い場所も多いので気が抜けない。深田久弥終焉の地からは再び金峰山が望めた。大明神岳鞍部から下は、谷間に向かっての下りとなる。ここも雪が腐り始めていて滑りやすい。茅ヶ岳は日帰りの山としては格好の存在だが、雪がつくと意外と上級向けのコースとなる。まだ尾根コースのほうが安定していて歩きやすいと思った。
ジグザグに高度を下げていくと、まだ枯葉の落ちきっていない木が多くあった。このまま時が経過して、若葉の出てくる時期になるとこの枯葉はいったいどうなるのだろう。
女岩に到着する。前回来た時以上に巨大なツララが発達していて、目を見張る。でも水場の水は凍りつかず、豊かに出ているのが不思議である。
女岩から数分で林道に出た。アイゼンを外す。この先凍結している箇所もあろうが、よけて歩けばいいことだ。駐車場に戻る。スパッツを外して車の中に入るとホッとする。よく歩いた1日だった。腰も膝も大丈夫だった。
高速の下をくぐって、韮崎旭町の温泉に立ち寄っていく。食堂も露天も何もないシンプルな日帰り施設だが、かけ流しで加水・加温なしの良質の温泉だ。泉温は40度なので、熱い風呂好きの人には、冬はちょっとぬるく感じるかもしれない。でも周囲には富士山や茅ヶ岳などが大きく見え、立地条件も最高。この近くの山に登ったときの温泉はここが定番になりそうだ。
夕焼けに染まり始めた茅ヶ岳を見ながら、帰路に着く。上りの高速はそれほど混雑もなく、渋滞なしで帰れた。