~夏色に輝く草原の山~ かさとりやま 2001.7.21 晴れ時々曇り 五反田4:40~(車)~7:15作場平橋~(一休坂経由)~8:20笠取小屋8:30~9:00黒槐尾根分岐~9:30笠取山10:05~10:30雁峠11:20~11:40笠取小屋~(ヤブ沢峠経由)~12:30作場平橋~(車)~塩山温泉郷~(車)~横浜 (歩行時間:3時間35分) 笠取山のトップページへ |
7月20日が海の日と制定されて以来、日本各所の山はこの日が1年で最も混雑する日となったそうだ。特に今年は海の日を含めた3連休。山小屋の人たちは「いったい、うちの小屋は何人泊まりに来るのだろうか」と戦々恐々としていたそうだ。 自分もこの連休は車利用の小屋泊まりで八ヶ岳の予定だった。が、小屋予約の電話では「ぎゅうぎゅう詰めですがいいですか?」駐車場は朝6時ごろ満杯になる、との予想を聞いてあきれるやらで、結局この連休はおとなしく済ますことにした。 友人が車を出してくれるので、車で日帰りで行くのに向いている、笠取山の名を挙げた。
中央高速・勝沼ICで下り、青梅街道「大菩薩ライン」へ。いつも塩山からバスで大菩薩登山口に行くときの道路だ。 柳沢峠まで一気に上り、一ノ瀬へ下る。山に登る前に車で山越えするのは、何とも妙な気分だ。 細い林道に入り作場平橋の登山口へ。駐車場にはすでに10台くらい止まっている。 暑い日差しを背中に受けながら、樹林の中の登山道に入る。気温はそう高くないようだが、いやに蒸し暑い。すぐにびっしょりと汗をかく。 最初の分岐では、一休坂に向かう尾根道を行く。それほどの急登はなく、濃緑の広葉樹の森を進む。道の両側には笹が目立つ。 沢が現れてしばらくすると、見覚えのある水場がある。あっけなく笠取小屋に着いてしまった。小屋では何やら作業中。伐採した木の移動をやっていた。 あまりに早いペースなので、すぐに山頂に行かずに黒槐(くろえんじゅ)尾根の分岐点まで行き、そこから山頂に登ることにした。 黒槐分岐まではやや下りの道となる。その後しばらくの急坂となる。 心配していた天気も大丈夫そう。急坂の下から見上げると、樹林の間に澄んだ青空が覗いている。 縦走路に合流する。左は水神社へ、右は唐松尾山から将監(しょうげん)峠へ。またここから笠取山山頂への直登道が伸びている。これを登って行く。
かなりの急登だがそう距離は長くなく、不意にあたりが開け最初のピークへ。先にもう少し高いピークが見える。シャクナゲの岩尾根を登下降し、2つ、3つとピークを踏む。標柱のあるピークへ到着。樹林がいくぶんさえぎっているものの、南面が開けている。富士山は厚い雲に覆われて見れない。 さらに進むと西斜面の最上部に着く。ここからの展望は雄大だ。目の先には、ガスに見え隠れしている雁坂峠、木賊山が望まれる。 そして何といっても目に飛び込んでくるのは、眼下に広がる一面の草原だ。急な西斜面・分水嶺付近の小台地・雁峠どれもが鮮やかな緑色に染め上げられている。こういう高度感ある風景が好きである。
笠取山や雁峠に何度か来たが、ここは夏が似合う。標高も2000m近くあり、涼しい。少し日が当たらないと寒いくらいだ。汗もいつしか引っ込んだ。 この景観を目に焼き付け、西斜面の急坂を下る。ここは花が多く、シモツケソウ、ウスユキソウ、ホタルブクロなどをあちこちで見かける。 草原に下り立ち、しばらく歩き後ろを振り返る、笠取山の形のよい緑の三角錐に吸い寄せられそう。足元にはヤマオダマキ、ミヤマシシウド、ノアザミ、コウリンカ、マルバダケブキなど奥秩父や奥多摩でおなじみの盛夏の花が咲きそろっていた。 林の中を少し下って、10ヶ月ぶりの雁峠へ。のんびり昼食をとる。燕山のなだらかな斜面も緑のじゅうたんで日に輝いている。時間がゆっくり、ゆっくりと流れている。
笠取小屋の前まで戻り、ヤブ沢峠経由で下山する。山頂付近こそ人であふれていたが、登山道ではときたま人に会うのみ。混雑を避け手軽に来た山にしては、見応えのある景色と涼しい風を得ることが出来、いい山行だった。 12時半に登山口へ。そのまま車で塩山温泉郷へ。とある温泉旅館で入浴する。気持ちのいいお湯だったがやはり下界は猛暑。宿から出るとすぐさま汗が吹き出す。この時期、下山後の温泉は夕方に入りたい。 帰途、帰京の車が多いからだろうか、都心に近づくにつれ渋滞の度合いはひどくなってくる。明日まで休みなんだから、明日帰って来ればいいのに。近頃の行楽客はせわしない。 この間の瑞牆山と同じく、またしても到着は6時過ぎとなった。 |