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～奥秩父と大菩薩を結ぶいにしえの道～  かさとりやま（1953m）からくらかけさん（1777m） 2003年5月24日（土）～25日（日） 新地平－雁峠－笠取山－白沢峠－倉掛山－天科 |
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今年の奥秩父の冬は雪が深かったようだが、春先の暖かさで大方解け、例年通り新緑の登山シーズンを迎えたようである。 テント張りの練習がてら、笠取山へ出掛けることにした。特に近いうちに幕営縦走する予定もないのだが、久々に山の中で一夜を明かしたくもあった。
●新地平から雁峠へ 塩山駅からバスに乗る。終点の西沢渓谷で下りる人がほとんどだ。新地平（しんちだいら）で下りる。すでに標高1000mを超えている。登山者は自分以外いない。 治山工事用の林道を緩く上がって行く。一般車は侵入禁止なので、前後を気にすることなく歩ける。トラクタの音が少々耳障りであるが。 時折日も射す、沢沿いの穏やかな道でしばらくは水の心配もいらない。釣りをする人を時々見かける。 道端にはタチツボスミレが群落をなしている。水に近いところには、まだ蕾で分かりかねるがクリンソウの茎も伸びてきている。 風向計の前で休憩する。この林道には、地図にも載ってないような枝道が、いくつも四方に伸びているがそれぞれどこに通じているのだろうか、興味あるところだ。 沢が近づきニリンソウを見かける。林道の日の射さなそうな所には、まだうっすらと雪が残っている（歩行には支障無し）。バス停から2時間弱、沢をまたぐ所でようやく林道と分かれ、登山道に入る。 山道は谷間を縫うように上がって行く。久しぶりのテントの重さを感じる。 背後には奥秩父や大菩薩の山々、周囲は芽吹きの木芽が赤みを帯び、まるで紅葉しているかのよう。樹木が途切れがちになり笹原が全面に広がる。急な登りがつき、雁峠（1780m）にたどり着く。林道終点から40分ほどの行程だ。
以前来た時と変わらぬ開放的な草原で、背後におむすびのような笠取山が控える。MTBの人、軽いハイキングの人、雁坂峠方面からの縦走者、さまざまな人が休息している。空は薄雲で白いが、吹き抜ける風が気持ちいい。 ●笠取山へ 笠取小屋へテントを張りに行く。小屋は「水干祭り」とのことで、関係者が多く集まって来ている。ドリンク販売の準備もしている。 小屋の裏にテントを張り、再び稜線に上がって行く。小さな分水嶺からは残念ながら富士山は見えず。 笠取山の西面の直登を登り詰める。背中が軽いので、どんどん高度を稼げる。早やキバナノコマノツメを見る。斜面が急なため目の前に咲いている。 笠取山頂（1953m）に登り着く。1900mを超える場所に吹く風はやはり冷たい。 信州側は草原の向こうに広い展望。しかし富士山はない。この春は山行日の巡り合わせと天候の不順さが重なり、一度も富士山を見ていない。山頂の裏側（秩父側）は樹林帯で、オオカメノキの白い樹花、そしてアズマシャクナゲが開花した。 4年前にここで初めて見たシャクナゲは、今もどの株がそれかを覚えている。東側への岩尾根を伝って行くとさらに花は多くなった。ただ全体としてはまだ1分咲きで、満開は1週間半～2週間後だろう。 そのまま東側の道を通って下山する。今日は山中泊なのでのんびりペースだ。 テントの場所に戻り、水を汲み、食事の用意をし、時の流れるのを肴にビールを飲む。その日のうちに帰るか帰らないかで、こんなにも行動の余裕の出かたが違う。 コンロのガスが切れてしまった。以前もここ笠取小屋で切れたことがある。今日はスペアがあるから安心、と思っていたらそのスペアもすぐに切れてしまった。 小屋でお湯を借りようか。しかしなるべくならテントの中で工夫してやりくりしたいものだ。水でアルファ米を戻す。時間はかかるがそれほど食べられないものではない。ウイスキーのお湯割りが飲めなかったのは残念。 
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