奥秩父の重厚な山歩き

雁峠から唐松尾山、丹波
(1999.09.24~25 雨 のち 晴れ)
唐松尾山マップ
1日目:新地平9:15→12:15雁峠→12:30笠取小屋(泊)
2日目:笠取小屋6:55→7:10分水嶺7:15→8:15黒エンジュ6:25→9:20唐松尾山9:35→ 10:20山の神土→10:35将監峠→10:40将監小屋11:35→14:00飛竜権現、禿岩14:15→15:10前飛竜15:15→ 16:30サヲラ峠16:40→18:00丹波     

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<唐松尾山 ~2109m~>

多摩川水源の最高峰。樹林に囲まれた静かな渋い山。
初夏にはシャクナゲの群落が彩りを沿える。

唐松尾山



雁峠
雁峠

笠取小屋での夜明け
笠取小屋での夜明け

笠取小屋
笠取小屋

台風!笠取小屋で足止め

この日土曜日、台風18号が日本海を横切る。山梨側への影響が心配だったが、予報では天気が崩れるのは宵の口からだ。
半月以上、山に行っていなかったので、少々の悪天候には目をつむって、出かけることにした。天気が悪くなったら引き返せばいい。そういう気持ちでいた。

5月の雁坂峠行きでは、雁峠から新地平に下りたが、今回はここから取り付き東進、出来れば雲取山まで足を伸ばそうと思った。天気が悪くなる前に、宿泊予定の将監小屋に着きたい。

中央本線・塩山駅からバスで新地平に着くころは好天。雲は多かったが、何とか夕方までは持ちそうだ。 薄暗い沢沿いの樹林帯を抜け、雁峠の広々とした草原が視界に広がる。ここは本当に落ち着く。5月の時に比べ、さすがに鳥のさえずりは少ない。
さあここから右に折れ、唐松尾山を経て将監峠を目指そう。

と、突然ポツポツと雨が降ってきた。日は出ているしそれほどでもないな、でも一応ザックカバーはしておこうか。と考えているうち、雨足が早くなると同時にあたりが暗くなってきた。
とりあえず笠取小屋まで行って様子を見よう。ここから10分ほどだ。

笠取小屋に着いたときは大雨になっていた。平日ここの小屋は無人で、素泊まり用に開放されている(1泊3500円)。急いで中に入りザックを下ろす。小屋の中は屋根をたたく雨音が響き騒然としている。風も強くなる。無論、自分1人。
1時間ほど待ったが、止むどころか風雨はますます強くなる。これでは外に出られない。この日に将監小屋に行くことは当然諦め、結局ここで宿泊することにした。

布団をひき、ラジオをつける。ジャイアンツのナイター中継をやっているが、雨音でよく聞き取れない。
20畳くらいの部屋に布団は15組ほどあり、薪ストーブもある。水場も近い(とはいっても、この荒天では水場にさえも行けない)し、ラジオの感度もいい。小屋の裏手にはきれいなトイレがある。素泊まりには十分すぎる設備と環境だ。

風雨が少しおさまったとき、水を汲みに行く。簡単な食事を済ませ、翌日の晴天を願い就寝。

朝。台風一過。清々しい空気に鮮やかな朝焼けだ。


樹林に囲まれた唐松尾山へ

7時に小屋を発ち、とりあえず雁峠分岐に行ってみる。草原のはるか向こうには、黒々とした富士山が秀麗な姿を見せていた。

縦走路を東に進む。思ったほど道は濡れていない。
5月に登った笠取山の直登斜面は、鮮やかな緑色をしていた。笠取山は巻いて、黒エンジュ~唐松尾山への分岐に入る。

それまでの縦走路の穏やかな雰囲気とは打って変わって、険しい道で急登が続く。黒エンジュはいくつかのピークの通過点にすぎなかった。

次第に肌寒く感じるようになり、唐松尾山の山頂へ。雁峠方面から縦走路経由で登ると、さほど標高を感じないのだが、雲取山や飛竜山よりも高い、多摩川水域の最高点だ。
山頂は狭く、樹林に囲まれ薄暗いが、ひっそりとした山深い趣がふんだんに感じられる。
分水嶺からの眺め
分水嶺からの眺め

縦走路から見る富士
縦走路から見る富士

黒エンジュの頭 唐松尾山・山頂
黒エンジュの頭

唐松尾山・山頂



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