~ミズバショウとカタクリが迎えてくれる山~
タイトル
じょうしゅうみつみねさん(1122m)
2002.4.14.(日) 晴れ


後閑駅-河内神社-三峰沼-三峰山-
町営温泉センター-後閑駅


Home
マップ

関東地図

今年の春山候補として計画していた2山に登った。同じ群馬県の山ではあるが山域が違うので、下山後電車で移動しての変則1泊山行となった。
翌日の「鳴神山・吾妻山」へ

初日は群馬県の中ほど、上州三峰山へ。主にカタクリの山で知られるが、台形型の広い頂稜部を持ち三峰沼という湖沼のほとりには、春先にミズバショウが見られるという。

----------------------------------------------------------------
2002年4月14日(日) 晴れ
池袋駅5:02-[埼京線]-5:10赤羽駅5:24-[高崎線]-6:54高崎駅7:09-[上越線]-7:58後閑駅8:00-8:20鳥居-9:05水場9:10-9:40河内神社-10:15沼分岐-10:20三峰沼10:50-11:40後閑林道分岐-12:15三峰山12:50-13:25林道分岐-14:20後閑林道-14:45町営温泉センター15:30-16:20後閑駅16:51-[上越線水上8号]-17:23新前橋駅17:42-[両毛線]-18:16桐生駅(パークイン桐生 泊) 歩行時間:6時間25分
----------------------------------------------------------------

上州三峰山
上州三峰山
鳥居
鳥居
登山道入口
登山道入口

高崎駅で上越線に乗り換え、後閑(ごかん)駅で降りる。駅の右側に悠々と横たわっているのが上州三峰山で、その台形状の形ですぐそれとわかる。こういうのを「テーブル・マウンテン」と言うそうである。

後閑駅は、高校時代(約25年前)にクラブの合宿で下車したことがある。先日その頃の写真を見たが、駅舎の「ごかん駅」という平仮名の駅名表示が変わらずに残っていた。

また、このへんの駅は「一村一山上越線」というキャッチフレーズで駅ごとにいち押しの沿線の山を挙げているが、後閑駅ではこの上州三峰山ということになる。(ちなみに水上駅は谷川岳、沼田駅は尼ガ禿山など)
もっとも、「上州」という冠名は、他の三峰山と区別して呼ぶための便宜上のもので、地元の案内などでは単に三峰山となっている。

駅からしばらく車道を歩き、最初の信号で左折、のどかな里の道へ入る。北の方角には真っ白に輝く上越国境の山々が見える。

緩やかな道を登って行くと赤い鳥居を左に見る。これをくぐりさらに行くと、シュー、シューッと車の音。関越自動車道の下を通り農道となる。
やや霞みがかった青空に響き渡る小鳥のさえずり、静かな春の雰囲気を肌で感じながら田んぼの間の細道をなおも進むと、登山道入口となる。

道は芽吹き間もない雑木林に、ところどころ桜が混じる。やがて松が目立つようになり、なだらかな道は次第に傾斜を増す。ジグザグに登ると視界が開け、水場に到着。
眼下に家並みが広がり、もうかなりの高度をかせいでいる。ここの水場には中くらいの背丈の松が1本あり、傍らに「一泉の松」とある。

水場をあとにし、さらにジグザグに登って行くと、簡易舗装された細い車道と合流する。これが三峰山の河内神社の表参道で、このへんまで車で登って来れる。人や車もちらほら見られる。
河内神社まで車道を登り切ると、いっぺんに眺めが良くなる。見渡せているのは沼田の市街地であろうか。

神社の前を通り過ぎ、パラグライダー離陸地の横を通ると、しばらくは平坦な松林の道となる。東京近郊ではあまりないが、松林の山道というのも落ち着いていていいものだ。木々の間から見えるこの先の道は、平坦にどこまでも続いているように見える。

三峰沼へ分岐」の導標のところから左に折れ、沼を目指す。やや下り気味の道で、しばらくすると水の流れが現れる。その流れに沿って、ところどころに緑鮮やかな葉がニョキニョキッと生えている。
やがて三峰沼のほとりへ。ミズバショウの白いきれいな花が、日に照らされ光っている。数は多くないものの、この4月前半、しかもこのような低山でミズバショウが見れるとは貴重だ。

ミズバショウ
ミズバショウ
ミズバショウ
ミズバショウ
三峰沼
三峰沼

三峰山山頂から谷川岳
三峰山山頂から谷川岳
カタクリ
カタクリ

沼を一周する。回りの木々の芽が赤く色づいている。大きな魚が泳いでいるのでびっくりする。
ミズバショウは、先ほどの水の流れのあるところ(一番東側)以外には見られなかった。

分岐点まで戻り、再び山頂を目指す。後閑林道への分岐道を何度か見る。にわかに人が多くなり、自然林のゆるやかな登りの道となった。やはり標高1000mくらいになると落葉樹はまだ芽吹いていない。

「吹返峰」と山名表示のある1088mピークを過ぎ、山頂近くの急坂を迎える。カタクリが目につき始める。思ったほど多く咲いてはおらず、群落と言うほどのものではない。時期が若干早かったのかもしれないが、葉もそうたくさん伸びてはいないので、個体数そのものが少ないように思える。年によって咲き方に差があるのだろうか。
カタクリよりもミズバショウがメインに見れるとは思わなかった。

短い距離ではあるが、きつい急登をこなし山頂へ。先行していた登山者から歓声が上がる。樹木が切り開かれた山頂の一角からは、真っ白な谷川岳が大きく望めた。眺望に乏しいと聞いていたのでこの眺めはうれしかった。雪山を眺めながらの休憩となった。

下りは、先ほど見た後閑林道分岐から入り、月夜野町の町営温泉センターへ向かう。登りの道ほどはっきりしてはいないものの、そこそこ踏まれてはいる。

しばらく下ると沢沿いの道となった。水のそばにキクザキイチゲがきれいに花を付けている。これが見れたたけでも、ここの道を下りにとった甲斐があるほどきれいな花だった。

キクザキイチゲ
キクザキイチゲ
キクザキイチゲ
キクザキイチゲ
ワチガイソウ
ワチガイソウ

道はすぐに沢と分かれ、やがて麓が広く見下ろせる伐採地を通るようになる。少し道が荒れてきたが、日当たりがよく、登りにはあまり見られなかったスミレもたくさん姿を現す。ワチガイソウ、ショウジョウバカマなどを見ながら急な斜面を下り、やがて林道に下りる。
町営温泉センター
町営温泉センター

「温泉へ→」という導標に従い、半舗装の林道をしばらく下ると、何やら工事現場にあるプレハブ小屋のようなものが。そこが町営温泉センターであった。近づいてみてもこれはプレハブ小屋である。
300円払って入ると、地元のおじいちゃんおばあちゃんばっかりだった。無色透明のアルカリ単純泉はツルツル感いっぱいで大満足のお湯であった。

温泉を出て、更に林道を下っていく。あたりは高原状になっていて視界がきくため、後閑の駅が見えてからが遠く感じる。朝渡った踏み切りを通り(実際はもっと近い場所に踏み切りがあったようであるが)、16時過ぎに後閑駅到着。

駅の待合室では、小学校くらいの姉弟?が足ジャンケンをして遊んでいる。次の電車まで30分以上ある。電話で桐生駅付近の宿を予約し、桐生までの切符を買った。

Home