~ハイマツと笹原の稜線歩き~
8:10黒磯駅-9:10那須岳山麓駅9:25-[ロープウェイ]-9:30山頂駅-9:55牛ガ首-10:10日ノ出平-10:30南月山11:00-11:35白笹山-12:35沼原駐車場[沼原湿原往復]13:10-14:05板室温泉分岐-14:25乙女の滝-15:10板室温泉16:30-[東野バス]-17:05黒磯駅 歩行時間:5時間5分 |
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山頂からは展望が素晴らしい。茶臼岳や三本槍岳、そして沼原方面に続く平たい尾根越しに、大倉山と三倉山が双耳峰のように見える。大峠からこれらの稜線を経て会津側に下る道も、いつか歩いてみたいものだ。 そして少し位置をずらすと、黒磯市街地の眺めも広がっている。 黒尾谷岳への道を分け、白笹山への縦走路に入る。トンボの多く飛ぶ笹原を進む。 若干の上り下りのある道は笹がかぶっている所も多く、ぬかるみも随所にある。主に松類の樹林下を歩くが、時々展望が開け、黒尾谷岳の向こうに下界を見下ろせる。青空や太陽も頻繁に顔を出すようになり、暑過ぎず寒過ぎずの爽快な歩きである。 少しの急登を経て登り着いた白笹山は、樹林と笹の中の地味過ぎる山頂だ。少し下った所に山名板が立っているが、あまり休憩するような場所でもない。 白笹山からはちょっとした下りとなる。正面に大倉山・三倉山、茶臼岳の眺めが広がる。 眼下に沼原池も見え出す。池の縁に黄色いラインが見えているが、ニッコウキスゲの群落だろうか、それとも単なる道なのか。 下山の道は、この池が見えてからが意外に長い。山腹をトラバース気味に歩くがそれほど急激に高度を落とすようなところが無く、時々見える沼原池の位置もあまり変わっていない。 笹の刈り払いも十分でなく、注意して歩かないと危ないところもある。
また、後で知ったのだがこの付近で時々、熊の目撃情報があるようだ。この時はそんなことは知らず、静かな道だなあと思いながら歩いていた。 登ってくる人と何回かすれ違う。登山道の刈り払い作業をしているグループとも出会った。したがってここから先は、刈り払いのされた歩きやすい道となる。 簡単な橋で小さな沢を渡り、ようやく沼原(ぬまっぱら)と高度を合わせる様になる。振り返ると、白笹山の裾野を引くラインが とても優美だ。登ってみると地味な山だが、ここ沼原から見上げる白笹山は実に美しい。 とたんに観光客が増え、大きな駐車場の前に出る。沼原池の横の遊歩道を少し歩くと沼原湿原で、ニッコウキスゲが満開だ。さっき上から見えた黄色いラインはニッコウキスゲだった。
ほかにコバイケイソウ、ノハナショウブなども多い。しかしここは木道と鉄柵で仕切られた場所。山の上で見る自然の風景とは少し趣が異なる。 それでも、ニッコウキスゲを前景にした大佐飛山塊の姿は堂々として登ってみたい気にさせてくれる。 男鹿山塊の最高峰である大佐飛山(おおさびやま・1908m)は主に残雪期に登られる山で、夏道はない。よく登られている百村(もむら)山や黒滝山と峰続きではあるが、この男鹿山塊は、登山対象としてはなかなか大変な山域のようである。 それにしてもここ沼原湿原には、平日というのに多くの観光客だ。車の数もすごい。 さて普通ならここまで車で上がって来るのだろうが、自分はここからさらに歩いて下らねばならない。 車道に沿った形で登山道は続いている。ほぼ一直線の下りで、2箇所ほどガレている場所を除けば、刈り払いもされていて歩きやすい道だ。しかし展望も無く、何とも単調な下りではある。 何度か車道と出会い、やがて分岐となる。板室(いたむろ)温泉に直接下る道を取りたかったが「崩落により通行は控えて下さい」との看板。踏み跡も予想していたよりずっと薄い。 ここは遠回りではあるが、自重して乙女の滝への一般コースを取ることにした。 乙女の滝からは、板室温泉まで車道を45分ほど歩く。3.7kmも固い地面を歩く行程はつらいものがある。最後は疲れ果てて板室温泉に着く。 今年訪れた下部温泉(山梨)、川原湯温泉(群馬)と同様、昔の雰囲気を残した素朴な温泉街である。湯治の宿が多く日帰り入浴での利用はしづらい(受け付けていないかもしれない)。 那珂川を挟んだ対岸にある日帰り温泉施設「グリーングリーン」に入浴してから帰途に着く。 |