山の写真集 > 北関東(群馬) > 草津白根山
  • -火口跡を巡る高所ハイキング-
  • 白根火山-逢ノ峰-本白根山-湯釜
  • 上州
  • 群馬
  • 逢ノ峰(2110m),本白根山歩道最高点(2160m)
  • 2012年10月20日(土)
  • 7.0km
  • 3時間15分
  • 150m(白根火山-歩道最高点)
  • 尻焼温泉光山荘(後夜泊)
  • 尻焼温泉
天気1

 

地図
2012年10月20日(土)
練馬IC 6:00
  関越自動車道
渋川伊香保IC
  国道145,292号他
10:10   白根火山 10:20
10:35 逢ノ峰 11:25
11:35 本白根スキー場
12:15   鏡池 12:20
12:45   展望所 13:00
13:17 歩道最高点 13:30
14:07 本白根スキー場 14:15
14:27   白根火山 14:40
15:00   湯釜
15:20 白根火山 15:30
  国道292号,県道55号
16:20 尻焼温泉光山荘(泊)

 

野反湖周辺の山で紅葉を見ようということになった。あまりよくなかった土曜日の天気予報もいいほうに変わってきたので、野反湖に近い草津白根山に登り尻焼温泉泊、翌日曜日に野反湖外輪山を縦走する。

翌日の八間山、エビ山へ


本白根山展望所へ向かう砂礫の道。夏はコマクサ群落となる

白根火山バス停のすぐ先の逢ノ峰に登る。草紅葉が残っていた

逢ノ峰へ

弓池越しに北アルプスの鹿島槍、五竜岳、唐松岳、白馬三山が眺められる

弓池

逢ノ峰からは湯釜が真正面。その後ろに横手山と、国道が通る渋峠も見える

湯釜とその後方に

逢ノ峰から白根山を望む。白根山は火山ガスで立入禁止。右に湯釜、左の特徴ある尖峰は笠ヶ岳

白根山と湯釜

逢ノ峰から本白根スキー場に下る

スキー場へ下る

本白根山へ至る登山道はほとんどが木道。ダケカンバなど広葉樹林は落葉している

樹林は落葉

鏡池

鏡池

本白根展望所から、火口縁越しに四阿山(右)、浅間山(左)を望む。河口跡はハイマツ帯がいくつも円形を形作っている

上州の山々の展望台

歩道最高地点付近から火口跡を見下ろす。左奥は本白根展望所

火口跡を俯瞰

友人の車で関越を走り、渋川伊香保ICから国道を西進。白砂山のときと同様、この国道走りは長い。
天気は快晴。建設続行か中止かでもめた(今はどうなっているのか?)八ツ場ダム付近は新しいバイパス道路ができていた。白根山に向けて坂をどんどん登っていく。標高1500mくらいで周囲の森林は色づいてきた。ロープウェイ山麓駅を過ぎて、あたりが開けて樹林の背が低くなるあたりでは、一面艶やかな紅葉の景色となった。
しかしこの道路はずいぶん高度を上げる。白根山の白い湯釜が見えてもなお登りが続く。広い駐車場とレストハウスが建つ白根火山に着くと、周囲の木々の葉はおおかた落ちてしまっていた。観光客は多く、駐車場に入る車の列ができていた。

多くの人で賑わう湯釜には後で寄ることにして、まずは目の前の小山、逢ノ峰(あいのみね)に登る。緩い木の階段道の回りは、ツツジの潅木が紅葉している。右手に見える池は弓池だ。
いくらか登って振り返ると、ぱっくり口を開けた湯釜が大きい。そしてその後ろに見えるもう一段高いピークは横手山(2307m)、その少し下に車道が通っているところが渋峠だ。渋峠は標高2172mで、日本の国道の最高点だそうである。車が走っているのが見える。
ひと登りで休憩舎の建つ逢ノ峰である。眺めもなかなかよい。西には鹿島槍、五竜岳、白馬三山といった北アルプスの峰々も望める。ちょっと早いがここで昼食にする。ここまでは山登りの準備がなくても簡単に登ってこれるので、人も多い。どちらかと言うと観光客の登る山である。

逢ノ峰からは再び斜面を下る。下りきったところは本白根スキー場で、朝見たロープウェイの終着点だった。鏡池方面の登山道に入る。ダケカンバはすでに葉を落とし、白い幹が浮かび上がって山肌に張り付いているように見える。山腹を巻く平坦道がしばらく続き、富貴原、山麓駅に下りる道との分岐からひと登りした後もさらに木道を歩く。ハイマツが多くなり、やがて左手に鏡池が見えてきた。ちょっと休憩する。

登山道が火口縁につけられている

お鉢

針葉樹林帯につけられた木道で下山

針葉樹林帯へ

本白根スキー場のリフトが今冬の営業に向けて試運転を行っていた

シーズンの準備

白根火山への下山途中でカモシカを見る

カモシカ

湯釜の湖面はコバルトブルーだった。近くで見られないのが残念

コバルトブルー

湯釜見学場所付近から、万座方面を見下ろす

万座方面

尻焼温泉・光山荘。すぐ下の川が温泉になっている

尻焼温泉

光山荘は県出身の政治家の兄弟が経営する。廊下にはこのような書が

平成

鏡池を遠巻きに半周するように、緩やかに高度を上げる。展望がよくなるが空は曇り勝ちとなり、肌寒い。しばらく登ると両側が丸太の木で仕切られた砂礫の道になる。夏にはコマクサが多く咲く地である。この丸太の道はこの先に見える展望所まで100m以上は続いており、コマクサの群生地がかなり広いことをうかがわせる。八ヶ岳・横岳よりも面積は大きいだろう。
そのまま登りきって本白根展望所に着く。南面の展望がすばらしく、浅間山を中心に四阿山、鼻曲山、浅間隠山、榛名山、遠く赤城山も輪郭が見える。眼下の広葉樹の斜面は中段あたりが紅葉していて、その下はまだ緑。境目はおそらく標高1500mくらいだろう。
北面には横手山や渋峠がここからも見えており、まだ向こうのほうが高い。今日の草津白根山の最高点はここより少し高い2160m。それより高いところを走る車道が近くに、しかも見えているというのも珍しい。少し下って火口縁を辿るような道を登り返す。ハイマツ帯があちこち、円形に群生して生えているのが幾何学的に見えて興味深い。

本白根山の歩道最高点に着く。この先、三角点のある山頂まではハイマツの海になっており入ることはできない。先に続く道はおそらく万座に下るコースにつながっているのだろう。また、草津白根山の最高点(2171m)はここから1kmほど北側に見えており、下山はそこを目指して尾根伝いに行ければ近そうだが、そのような道はない。
来た道を少し戻って展望台からの道と合流し、本白根スキー場に近いほうのコースを行く。説明板により、赤く紅葉した低潅木はクロマメノキ、地面に生える大きめの苔状の植物はガンコウランだとわかった。針葉樹林の中の下りとなる。ここまでずっと木道だったが、土の上を歩く部分も出てきた。
高度を下げてスキー場に戻ってきた。止まっていたリフトが突然動いた。係員の人がリフトの試運転を始めていたようだ。もう1ヶ月半もすればスキーやボード客で賑わうのだろう。なだらかで針葉樹の配置もよく、スキー場としては好立地だと思う。北アルプスも見えるし、眺めも楽しめそうだ。

逢ノ峰を東側から巻く道で白根火山に戻る。途中でカモシカを見る。こんな人の多くいる場所でも全く逃げない。

白根火山に停めていた車に荷物を置いてから、湯釜を見学に行く。こちらは逢ノ峰以上に観光地状態だ。
以前は、駐車場から最短距離で釜の縁まで行くことができたようで、自分の持っている地図にもそのコースが示されているが、今はその道は通行禁止となっている。西側につけられたコンクリート道を登る。登り口にストック置き場があり、借りていくことが出来る。
子供やら老人やらといっしょに人、人、人の中を登る。小石の埋められたコンクリート道はデコデコして歩きにくい。湯釜へは、遠目から見た以上に距離がある。ハアハア、ゼイゼイいって登っている人もいる。ようやく最上部に登り着くが、釜の中の青い湖とは距離があり、あまり近くで見られなかったのが残念。ガスも下りてきたので早々に下る。

草津白根山は紅葉も大方終わって、途中から曇ってしまい広い眺めは得られなかったのは残念だが、噴火口跡の独特な地形や湯釜など、普段見られないような不思議な光景を見ることができ、なかなか面白かった。

本日の宿、尻焼温泉「光山荘」へ車を走らす。くねくねとした山道を辿り、着いた山間の宿の雰囲気はいい。旅館のすぐ手前の川が露天風呂になっていた。今まで、川沿いの露天風呂は入ったことがあったが、川そのものに入るのは今回が初めてだ。
湯加減は、不思議とちょうどいい。初めはどこかから引湯しているのかと思いきや、あちこちで石と石の間からボコボコと湧いていたので、これは本物の自然の温泉である。

岩や石だらけの底は深さが一定でなく、深いところは1m以上あり、立ったままお湯に浸かるのも珍しい。また、岩の表面は苔で滑りやすくなっているので要注意だ。岩で足の指先を傷めるのを防ぐため、サンダルを履いて入った。
混浴で、女性は水着や湯着を着ていた。男も水着を着ている人もいたが、自分たちは裸で入った。温泉であっても、ここは川であり公共の場所であるから、本来なら裸だと軽犯罪法に引っかかるはずである。話によるとたまに警官も来るらしいが、そのへんの管理はどうなっているのだろう。
泊まった光山荘は、「平成おじさん」の政治家の宿ということで、壁に懐かしい文字が掲げられていた。群馬県は著名な政治家が多い県である。

今日は不思議な山と珍しい温泉に入れて、貴重な1日となった。

翌日の八間山、エビ山へ