~岩壁に紅葉映える信仰の山~
タイトル
こうしんざん(1892m)
2006年10月22日(日)

銀山平-庚申山荘
-庚申山-銀山平

マップ
1 2 Home


庚申山頂上から皇海山。右奥に武尊 庚申山頂上から皇海山。右奥に武尊

鳥居をくぐって、ここからは庚申山山頂への、険しい岩尾根登りとなる。鎖、梯子が連続する。
大岩の縁を左にトラバースするあたり、少しわかりにくいが道はしっかりついている。ちょっとした高度感にさらされる場所もある。しかし周囲は一面ガスであり、黙々と高度を稼ぐ。

お山巡りコースを分けるあたりで、急にガスがなくなり、気温が上がってきた。
そして青空が見え出すころにはつらい急登もついえる。しかし山頂まではまだまだ。岩場から一転、針葉樹林下の笹原の緩い登りとなる。樹林帯、岩場、笹原と原生林、とバラエティに富むコースだ。

庚申山頂上は樹林の中だが、少し西に進むと西側が大きく開ける展望地に出る。そして中腹のガスからは考えられないほど山頂部は青空である。
日光白根山や男体山、錫ガ岳、武尊の峰々、鋸岳のギザギザな稜線も見ものだが、何と言っても正面の皇海山がでっかくて圧倒される。数週間前に栗沢山から見た甲斐駒のようだ。
山頂部の形を見てすぐそれとわかる山の代表的なものは、北ア槍ヶ岳とそしてこの皇海山であろう。


巨岩・奇岩が連続する

笹原と紅葉

岩壁を彩る

また、皇海山の左右には伸びやかな稜線が横たわっており、歩きたい気持ちになる。南は袈裟丸山、北は日光白根山まで続いているそうだ。どちらにしても皇海山に電車バス利用で行くのにはこの庚申山を経て登るか、もしくは南北縦走するしかないであろう。
登山者も増え、10名ほどが入れ替わりで山頂に留まるようになる。

展望を楽しみ、再び岩尾根。今度は下りとなる。登りよりも下りのほうがより慎重さを求められる。
今の時間から登ってくる登山者も多い。中腹はまだガスのままだった。岩場に張り付いた紅葉を楽しみながら下る。

猿田彦神社跡に戻る。お山巡りコースとの合流点であり、そちらから下ってくる人もいる。お山巡りは庚申山の登り以上に難路で、エアリアマップには通行禁止の注意書きがある。赤実線も点線も書かれていない。
そういう理由や、また時間的なことからお山巡りをパスしてしまった。しかしちょっと臆病に過ぎたかもしれないと反省する。


林道沿いの紅葉

庚申七滝を見て、一ノ鳥居から銀山平へ戻る。午後は日が射して紅葉もきれいになるかと思っていたが、いまだに雲厚い空模様で残念。

日曜で行楽客も行き交い、紅葉ピーク時期ではあったが、今日は比較的静かな山を味わうことが出来た。森閑とした笹原の山道、落ち葉を踏み鳴らす足音だけがこだまする。足尾の山は秋が似合うと思った。

銀山平のかじか荘で温泉に入る。予約しておいたタクシーに乗り込む。最初通洞駅までと言ったが、親切な運転手さんは原向駅のほうが料金は安いですよ、と教えてくれた。原向駅へは迎車代を含めて2320円だった。

いつのまにか日が短くなったものだ。原向駅で電車を待つ間、周囲は真っ暗になってしまった。無人駅はどうやって明かりをつけるのだろうか?スイッチを探したがない。そのうち自然と電気がついた。電車がやってくる直前になると自動的に電気がつく仕掛けになっているようだ。

帰宅は夜10時近くになった。紅葉と岩尾根を楽しんだ1日だった。


前のページ Home