~西上州のユニークな岩峰を結ぶ~ |
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かなだけ・よつまたやま
2001.12.2 快晴 上信電鉄・下仁田駅8:35~(バス)~8:48小沢橋8:50~9:40鹿岳登山口~10:40鞍部~10:45鹿岳(一ノ岳)11:05~11:25二ノ岳12:05~12:10鞍部~12:30マメガタ峠~12:55(P1)13:05~13:20四ツ又山(P4)13:35~13:50大天狗峠~14:15大久保登山口~14:50小沢橋14:59~(バス)~15:13下仁田駅 (歩行時間:4時間35分) |
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西上州の山を初めて歩いた。群馬県の南部に位置する山々は荒船山、妙義山に代表されるように、いくつものユニークな形の岩峰が連なって構成されている。 どれも標高は1000m程度と低いが、岩・薮がひしめく、一癖も二癖もある山域だ。 今回は鹿岳(かなだけ)、四ツ又山を歩いた。どちらも山頂部は独特の岩峰である。特に鹿岳は、大久保集落から見る形はカシューナッツを尽き立てたような異様な形相をしている。 高崎駅から上信電鉄で下仁田駅へ。そこから勧能行きのバスに乗る。上信電鉄の乗客は数人、バスは自分1人だけだ。快晴の日曜なのにどういうことだろう。 たしかにもう12月、紅葉の時期は終わり、底冷えする寒さに耐えながら電車を待つ季節となった。
●鹿岳登山口から急坂を詰め一ノ岳へ 小沢橋バス停で下車、鹿岳登山口までは車道をしばらく歩くことになる。 小沢橋を渡り左折、工場の横を過ぎると、あたりは谷あいの静かな山里となる。ところどころ日が差して来ている。美術館を過ぎたあたりで鹿岳のユーモラスな姿が視界に入る。 四ツ又山の登山口への分岐を見る。大久保の集落を抜けさらに奥へ。鹿岳登山口に到着。 民家の脇から登山道は始まる。道は思った以上にはっきりしている。 しばらくは杉の植林帯の山腹をジグザグに急登する。汗が吹き出し、フリースを脱ぐ。ついさっき、雨具を兼ねたジャンパーを脱いだばかりである。この季節の山行は、道中での温度変化が大きい。 登り出してから小1時間もすると、左手に青空の稜線、右手にのしかかるような大岩が、いずれも樹林越しに見えて来る。この大岩はさっき見た鹿岳のカシューナッツだ。 この岩を見て、ほどなくすると回りは雑木林に変わる。道は依然として急坂だ。上のほうから人の話し声が聞こえる。頂上までそれほど遠くない。 左右に分岐する鞍部に登り着く。右はカシューナッツ(一ノ岳)への登路で、2mほどの梯子で始まる岩尾根は左右が切れ落ちている。数十mほどは慎重に足を運ぶとだんだん尾根が広くなってくる。あっけなく山頂に着いてしまった。カシューナッツの頂点である。
●スリルある岩場を抜け展望の二ノ岳へ 墓石のような摩利支天のある山頂からは、南西から北方面の展望が素晴らしい。南方には小沢岳、西上州の山々の遥か遠くに雪を被った八ヶ岳、やや北側には毛無岩の背後に台形状の荒船山。物語山の方向には、やはり雪をまとった浅間山が輝いている。 一ノ岳から鞍部に戻り二ノ岳(標高1010m)へ。雑木林をしばらく行くと梯子、ロープが連続する。落石注意の看板がある。 このロープの箇所は狭い岩場で、二ノ岳の北面を巻いて登っているのだが、足を置く位置が谷側に傾き続けるのでスリルがある。万一のときはロープが頼りだ。 ロープの上の方で待っていた人から声をかけられた。「ほら、後ろご覧なさい。妙義山が見えるわよ」本当だ。西上州の山の上を行くほどの奇岩の連なりが、日に照らされてなまめかしい。
二ノ岳の直下の登りでは、一ノ岳のカシューナッツが面白いほどによく眺められる。その後ろに四ツ又山も見える。二ノ岳山頂では、やはり一ノ岳と同じような展望が望める。荒船山がいくぶんはっきり眺められる。 |