-展望を求めて歩く高原の二座-
タイトル
みずのとやま(2202m)、かごのとやま(2227m)
2009年6月14日(日) 曇り後時々晴れ
(前日発)練馬IC-[関越道、上信越自動車道]-横川SA(車中泊)-5:05小諸IC-[浅間サンライン、チェリーパークライン]-車坂峠-5:55高峰温泉6:10-6:30うぐいす展望台-7:10水ノ塔山7:30-8:15東篭ノ登山8:30-8:47西篭ノ登山9:07-9:32東篭ノ登山9:35-10:02兎平(池ノ平湿原入口)-10:25雲上の丘-10:35見晴岳-11:05兎平11:15-(途中で車に拾われる)-11:35高峰温泉-[チェリーパークライン、浅間サンライン]-小諸IC-[上信越自動車道、関越道、首都高速]-目黒IC 歩行時間:4時間15分

マップ
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池ノ平から登山者がどんどん登ってくる。展望のある稜線歩きが出来そうなので、予定になかった西篭ノ登山に寄っていく。
少し下るとシャクナゲの潅木の下に、ミネズオウが咲いていた。ようやく四囲の展望が利き始めた中、緩く登り返して西篭ノ登山(2212m)に着く。山名板は「西篭ノ塔山」になっている。
西側の展望が広く、湯ノ丸方面や池ノ平あたりの広い高原が見渡せる。池ノ平目指して登っていく車もよく見える。


西篭ノ登山は端正な三角錐

また、登山道は西篭ノ登山頂上から先へも伸びている。これは鹿沢温泉の方角に続いているように思えるが実際、どこに下れるのかよくわからない。もっとも、西側の緩斜面はそう木が茂っていないので、狙いを定めてずんずん下っていけば、そのうち車道に下りられそうな気もする。

東篭ノ登山に戻ると、またガスがかかりはじめた。池ノ平方面へ下る。多くの人が歩く道とあってよく踏まれている。この山稜は高峰温泉からよりも、池ノ平から往復する人が圧倒的に多い。

カラマツの林床にはマイヅルソウの葉が敷き詰められているが、花をつけているのは少ない。ピンク色の筋がついたエンレイソウや、バイケイソウ、マルバダケブキの葉が見られた。

西篭ノ登山から
ミネズオウ
コイワカガミ

大きな駐車場のある兎平(池ノ平湿原入口)に下り立つ。たくさんの行楽客で賑わっている。湿原の監視員や観光の案内係も歩き回っている。
池ノ平と高峰温泉は林道で結ばれており、冬以外の昼間は車の通行も可能だ。ただし夏期になると、土休日はマイカー規制が行われ、シャトルバスが運行される。したがって、今日のような縦走をするなら、夏の土日のほうがシャトルバスで高峰温泉に戻れるので、登山としては都合がいい。
今の時期はまだマイカー規制がないので、歩いて戻ることになる。

その前に、せっかくここまで来たのだから池ノ平湿原をぐるっと一周してみよう。目の前の遊歩道に入り少し登る。眺めのよい高原状の尾根道だ。
青空が覗くようになり、じわっと汗がにじみ出る。雲上の丘と書かれた場所からは、左手に湿原が見下ろせる。
見晴岳(2095m)を経て湿原のほうに下りていく。すぐ右手の斜面にコマクサの自生地があった。この自生地、登山道とは頑丈な白い鉄格子フェンスでガッチリと仕切られている。もちろんコマクサを近くで見ることはできない。
盗掘を防ぐ為、ここまでしなければならなかったのか。こんな牢屋のような囲いをするくらいならいっそ、完全に見させないようにしたほうがいいと思うくらいだ。

湿原の木道に下りていく途中、ショウジョウバカマを見るが花はあまり咲いていない。湿原というと、尾瀬のように初夏の早い時期からイワイチョウやミズバショウなどの高山植物が見られる印象があるが、ここにはない。
池ノ平湿原
高峰温泉

沼地が申し訳程度の広さしかなく(以前はもっと大きかったのだろう)、大半が笹原となっているために、そういった湿性の植物は咲きにくいようだ。それでも7~8月になればアヤメやギボウシ、フウロなどが咲き揃いそうである。
盛夏の時期はここは、格好の避暑地になりそうだ。

大方が笹原の中、木道を辿って湿原入口に戻る。高峰温泉まで3kmの車道歩きだ。
路面は砂利で、ときどき車が通り土ぼこりが舞う。10分ほど歩くと、「乗っていきませんか?}と車の人に声をかけられたので、ありがたく乗せてもらった。
この方は自分と逆コースで、縦走して高峰温泉に下り、池ノ平まで歩いて車を取りに来たそうである。

おかげで、予定よりかなり早く高峰温泉に戻れた。もちろん入浴していく。やや白濁のやわらかなお湯で、香りもよかった。
2000mの高所ゆえ、石鹸やシャンプーは使えない。その代わりに、蛇口から出る湯水は「創生水」というもので、石鹸を使わずとも髪や体の汚れを落とすことができるそうだ。そんな便利な水があったとは今まで知らなかった。できるなら北アルプスあたりの山小屋で販売してほしいものである。

帰路、雨やちょっとした渋滞に巻き込まれはしたが、時間が早かったので、それほどストレスなく東京に戻ることが出来た。


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