~岩稜に咲くアカヤシオ~
タイトル

てんぐいわ(1180m)、えぼしだけ(1182m)
2007年5月3日(木) 晴れ後時々曇り

7:33高崎駅-[上信電鉄]-8:37下仁田駅9:13-[上野村乗合バス]-9:45天狗岩登山口-10:10二俣-10:35天狗岩展望台10:45-11:05シラケ山11:25-11:45P211:50-11:57P3-12:05P412:10-12:17横道コース合流-12:25マル12:30-12:45烏帽子岳13:10-13:15コル-14:00シボッ沢登山口-14:15里宮橋-15:15雨沢(役場前)16:14-[南牧村乗合バス]-16:40下仁田駅16:45-[上信電鉄]-高崎駅
歩行時間:4時間30分
マップ
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2003年以来久しぶりの西上州。アカヤシオの咲く烏帽子岳は、西上州を知ったときからずっと課題の山であった。
しかし自分としては上級の岩稜歩きがあること、さらに登山口までの長い車道歩きが足を遠のかせていた。

その後、烏帽子岳の登山口付近にある大仁田ダムの工事が、この山稜を大きく変えた。工事期間中シボッ沢登山口は立入禁止になったが、反対側の天狗岩からの岩稜縦走コースが歩かれるようになり道も明瞭になった。
ダム工事が終わり本来の登山道も復活すると、地元上野村や南牧村が登山コース整備に力を入れるようになり、よりいっそう登山路が定着した。

さらに湯ノ沢トンネルの開通によって、下仁田駅から上野村までの村営乗合バスが運行されるようになる。バス路線は登山口からは距離があるが、公共交通機関利用者にとってはアクセスの足が一本増え、喜ばしいことだ。
自分が行こうか迷っている間に、登山道もその周辺の状況も大きく変わったのである。


天狗岩登山口から。送ってもらった上野村乗合バスを見送る

下仁田駅から上野村乗合バスを使い、途中で降ろしてもらって1時間ほどの車道歩きで天狗岩登山口、それが最初計画していたアプローチだった。

上野村役場に電話すると、バス停のない途中下車は、本来はルール違反だという。しかし一応運転手に頼んでみて欲しい、とのことだった。事実上黙認ということのようだ。
少し前、どこかのバスが停留所でない所で客を降ろしたことが、事件扱いでニュースになったことを思い出した。

(ほかに新町駅から日本中央バスで砥根平、そこから登山口まで行くとすると2時間以上の車道歩きとなる。)


駅周辺は新緑

ニリンソウ群落地

天狗岩展望台

下仁田駅前には、10分ほど遅れて上野村行きマイクロバスがやってきた。
四ツ又山を右手に見ながら、バスは湯ノ沢トンネルへの登り坂に入る。しかし燃費が相当悪いのか、スピードがなかなか出ない。終点に着く頃の時刻でもまだトンネルの中だった。

天狗岩に登りたいので、トンネルを出たところで降ろしてほしい、と運転手さんにお願いしたら、「天狗岩は初めてですね? 今日はお客さん一人だし、登山口まで行ってあげますよ」と予想もしていなかったうれしい返事が返ってきた。
「帰りはどうするんですか?」「烏帽子岳まで行きます」仮に往復すると答えていたら、もしかしたら迎えに来てくれた?まさかそんなありがたすぎる話はないだろう。でも気にかけてくれてすごくうれしい気持ちになった。

トンネルを出てバスは一路登山口へ。途中でおいしいうどん屋の場所を教えてもらったりした。
運賃は規定の500円のみ。天狗岩登山口で何度もお礼をしてバスを見送った。


道脇には車が沢山停まっていて、さすがアカヤシオ人気の山である。さて天狗岩への登りだ。進む先を見ると、ザックでなくショルダーバッグの人も登っている。
植林帯を抜けると沢沿いの明るい登山道になる。エイザンスミレ、ハシリドコロ、ネコノメソウ、ワチガイソウ、ミヤマハコベと春の花が多く咲く。スミレはエイザンしか見かけないのが不思議である。
木々は淡い新緑。やはり奥多摩あたりと比べて若干であるが新緑ラインの上がりが遅い。


シラケ山が眼前に

アカヤシオ

小屋から先は道は二俣に分かれる。「ニリンソウ群落地を経て天狗岩」とある右の道に入る。
沢は通っていないのに斜面にずっとニリンソウが咲き続いている。広い範囲に咲いているが密集度はそう高くない。白い花はどれも春の日のほうを向いて、キラキラ輝いている。

尾根に上がり左折する。急登は続き、傾斜のきつい階段道を登る。しかし危ない場所はそれほどない。しっかりした登山装備で登るのが望ましいことは確かだが、そうでない一般の人も天狗岩までは何とか登れるだろう。

登り切るとさっそく満開のアカヤシオだ。遠慮がちに咲いていた先週の川苔山(奥多摩)のアカヤシオに比べ、さすがは西上州で見事な花付き。しかし花期そのものはもう終期で、花をつけている木はそう多くはない。

右手の突起に上がり、天狗岩展望台はその先の鉄橋を渡ったところである。西上州北側の山々を一望のもとに見渡せる。そして眼前にはシラケ山の大きな塊、そこから右に続く烏帽子岳へのゴツゴツした稜線がダイナミックだ。
行き交う人も多い。柵で保護されているとはいえ尾根がやせているので高度感がある。うっかり踏み外さないように注意が必要だ。

-----上野村乗合バスの利用について-----
上野村乗合バスは、通常は富岡総合病院-下仁田駅-上野村ふれあい館を往復するもので、天狗岩登山口へは寄らないし、途中下車も原則は認めていない。運転手さんとの交渉次第だが、他に乗客がいたりすれば登山口へ行ってもらうことは不可能と思ったほうがよい。
なお、湯ノ沢トンネル出口から天狗岩登山口までは徒歩の場合、およそ1時間強ほどかかると思われる。



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