~北アルプスを望む上信国境の秀峰~
タイトル
あずまやさん(2354m)
2008年9月28日(日) 曇り
前夜発 練馬IC-[関越・上信越自動車道(東部湯ノ丸SA泊)]-上田菅平IC-[国道144号、406号]-6:30菅平牧場管理事務所-7:05展望台-7:52根子岳8:10-9:22四阿山9:47-10:00分岐-10:30中四阿-[10分休]-10:45四阿高原分岐-11:57菅平牧場管理事務所-[国道406号、144号(あずまや温泉立ち寄り)]-上田菅平IC-[上信越・関越自動車道]-練馬IC
歩行時間:4時間45分

マップ
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群馬と長野の県境、すなわち上信の山には今まで鼻曲山、湯ノ丸山と行っている。東京からは日帰りでは厳しい場所で、今回の四阿山は初めて車中泊というものをやってみた。

菅平高原
マツムシソウ
シラカバの道
北ア北部は雪化粧
妙高も白い
槍、穂高
実は自分は夜の運転は苦手だ。運転だけの話ではなく、夜はおそらく、人よりも暗く見えているように思える。
自分はこの年(47歳)ですでに白内障の手術を両目ともやっている。手術後は普段の生活に不便を感じることはほとんどなく、むしろ物がはっきり見えるようになった。以前は近眼で読みづらかった新聞も楽に読める。ちなみに眼鏡はしていない。

問題は夜、光の量が少なくなる時間帯だ。個人差があるのかもしれないが、水晶体が人工のものになると、光を取り込む感度というか調節のセンスが低下するのではないかと思っている。明るい昼間は気づかないのだが、夜は確かに、手術前の見え方と異なる。闇は徹底的に暗く、その中にひとつの光が飛び込んでくると、すごくまぶしく感じる。
夜、車を運転していてやっかいなのが、サイドミラーに映る車のヘッドライトなのだ。目つぶしをくらうが如く、とても見ていられなくなる。

そういうわけで、今年からマイカー登山を始めても、夜出発の早朝登山は避けていた。しかしやはり車を使って登山することの醍醐味は、電車の動いていない時間帯に登山口まで行けてしまうことである。これをやらない手はない。

関越を飛ばして、藤岡JCTから上信越自動車道へ。自分の車のライトの光る範囲以外は、暗黒の世界である。ちょっと恐い気もするが、すぐに慣れた。
何よりも、空いているのがいい。ごくたまに他の車が追い越すのみ。ただ、この高速はアップダウンやトンネルが多く軽自にはつらい。最後はちょっと疲れた。
東部湯ノ丸SAに着く。早速助手席を倒してマットをシュラフを敷く。簡易寝床の完成だ。気が張って寝れないかと思ったが、それより疲れが勝っていたせいもあり意外とよく眠れた。

朝、食堂でカレーを食べて出発する。上田菅平ICから国道に入り、菅平高原を上る。ここには大学時代だったか、スキーに来た記憶がある。
さらに上がって、菅平牧場管理事務所に着く。駐車場が何箇所もあり、まだ6時台で車も少ない。
この辺一帯は眺めがよく、北アルプスの稜線が一望出来る。穂高、槍、鹿島槍、そして白馬岳付近は白くなっていた。また北アルプスの右方、妙高や火打も雪の洗礼を浴びていた。今年は9月下旬でもう雪化粧。まさかこの四阿山は雪ということはないだろう。しかし標高2300mを越えている山頂あたりは世界が違うかもしれない。

根子岳を経由するコースを行く。牧場では牛がのんびりしている。1頭、柵からはみ出して登山道付近で草を食べている。
歩き出しから花が多い。雪被る高峰を見ながら、いまだ花の多く咲く山を登るのは贅沢だ。マツムシソウ、ヤマハハコ、リンドウなどがまだまだたくさん咲いている。

笹原を抜け、低い潅木帯の登りが続く。紅葉が始まっていて、木によってはすでに真っ赤な葉をつけているものもある。
少し平坦になった展望台のような場所に着くと、菅平高原の町並みを前景に北アルプスがどこまでも長い。時々日に当たり明るくなるが、バックが青空でないのが惜しい。それでもこれほど眺めがきくとは素晴らしい。

もう1回、展望台を過ぎるとザワザワ、と風の音がするようになった。上の方はかなり風が強そうだ。足元にはわずかながら霜が下りている。

四阿山は長野・群馬の県境でありながら日本海側の気候の影響を大きく受ける。標高もかなりあることから、もしかしたら前日、妙高などと同じように少しは雪が降ったのかもしれないと思うようになる。9月に降ったとしたら記録的だろう。


根子岳から望む四阿山。樹林に霧氷がついて白い

樹林が尽き、根子岳の山頂部が見えてくる。しばしの急登。
登り着いた根子岳(2207m)には祠と展望盤があり、広い山頂からはほぼ360度の展望が得られる。しかし風が冷たいのがまず先に来た。もうこんな、風に震える季節がやってきてしまったのか。

根子岳からは四阿山が大きく見えるのだが、てっぺんのあたりが何やら白い。やはり雪か、と思ったがよく見ると樹林についた霧氷のようだ。

やがて山頂一帯にガスが出始め、北アルプスや妙高の眺めを覆い隠すようになった。
先に進む。目の前の四阿山へは、いったん大きく下らねばならない。



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