~北アルプスを望む上信国境の秀峰~ あずまやさん(2354m) 2008年9月28日(日) 曇り
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大きな岩の裏側と通ると、岩につららが伸びていた。9月なのにここはもう冬のたたずまいだ。 岩尾根を伝って下っていくと、やがて草原帯に下りつく。夏には花がよさそうな場所だ。今この時期でもでもマツムシソウが咲いている。 紅葉を見たり、つららや霜、霧氷を見たり花を見たり、今日は夏・秋・冬の3つの季節の間をいったり来たりしている。 笹の原からは登り返しとなる。四阿山の西面は深い針葉樹林、急登が続く。高度を上げるにつれ気温が下がっていくのがわかる。周囲はガスになってしまった。紅葉した木も多いが、霧氷のべったりついた木に目がいく。 傾斜が緩くなるとやがて、開けた場所に出る。下山路の予定の中四阿コースが分岐している。
稜線をしばらく歩くと木道の登りになり、すぐに鳥居峠からの道が合わさる。依然としてガス一色の中強い風が吹きすさぶが歩く人は多い。 やがて祠の立つ四阿山頂上に着く。岩がちの細長いその場所には嬬恋村の標柱が立っている。 広くはないが、時々ガスが強風で流された時に得られる眺望は素晴らしい。北アルプスはもちろん、上信越の山並みもダイナミックだ。群馬側には隣りの湯の丸山が大きく立ちはだかる。 根子岳も360度の展望だが、こちらのほうが高度感があって興味を引く眺めだ。周囲が切れ落ちているのでよけいそう感じるのだろう。寒いので、持って来た上着を全部着て(都合4枚)急いで食事をとる。 なお、標柱の山名には「吾妻(四阿)山」と書かれている。吾妻であずまやと読ませるのはちょっと無理がある。もしかしたらこの山は「あずまさん」が正しい呼び名ではないのだろうか。秩父には四阿屋山があるが、こちらはこれで「あずまやさん」である。 先ほどの分岐まで戻り中四阿コースに入る。急坂を滑らないように下る。岩がちの尾根が続くがなかなか中四阿(2106m)らしきピークに行き着かない。周囲の眺めがよくなり、また花が多くなってくる。 眺めのいい岩稜ピークからさらに下る。何人もの人とすれ違う。上の方はガスなんでしょうね、と聞かれたが、時々ガスが切れて展望が広がりますよ、と言っておいた。
背の低い樹林と笹の道をどんどん下る。リンドウが青々としたきれいな花をつけていると思うと、ウルシだろうか、真っ赤になった葉が目の前にある。小四阿(1917m)で最後の展望を楽しんだ後、さらに下る。樹林帯に入って沢をまたぐ。少し開けた場所に出ると、そこは菅平牧場のすぐ横だった。たくさんの牛や馬がのんびり草を食んでいる。 牧場の柵沿いに下りていくと細い車道に出た。看板を見たら、今日はこのあたりの登山道を使ってトレイルランが行われているようだった。時間帯もまさに今のようだが出会うことは無かった。最近、普段歩いている登山道でもトレイルランが盛んに行われるようになった。山は歩くよりむしろ、走る場所として注目され始めているみたいだ。 車道を5分ほどで駐車場に戻ってきた。周回コースとしては歩きでもそれなりにあり 朝からの一日コースとしてはちょうどいい行程だった。 天気が今ひとつなこともあり、寒い山頂でゆっくりできずに、午前中のうちに下りてきてしまったのが心残り。しかしこれから長い距離を運転することを考えれば、妥当な時間配分だったかもしれない。 なお稜線の紅葉は、おそらく来週が見頃になるだろう。 車で来た道を下る。すぐに、両手を広げて通せんぼしている人がいた。通行料を徴収する人だ。この一帯は私有地であり、通行には200円が必要とのこと。朝はまだいなかったので帰りに払うことになる。駐車場代と思えば安いものだ。 しかし歩いて登ってくる人も200円払うのだろうか。朝早く来て、別の場所に下ってしまえば払わずに済みそうだが・・・。 鳥居峠方面へ車を走らせ、あずまや高原ホテルの温泉に入ってから東京への帰途に着く。昼間の上信越道からは妙義山などの眺めが得られ、楽しい山岳道路だった。 |