2019年4月28日(日) |
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五反田IC |
3:55 |
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首都高 常磐自動車道 |
◇ |
土浦北IC |
4:55 |
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県道14号,41号他 |
5:40 |
男ノ川 |
6:00 |
7:00 |
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坊主山 |
◇ |
7:07 |
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薬王院コース合流 |
◇ |
7:20 |
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自然研究路 |
◇ |
7:55 |
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男体山 |
8:15 |
8:35 |
御幸ヶ原
自然研究路周回 |
9:12 |
9:37 |
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女体山下 |
◇ |
10:20 |
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筑波高原キャンプ場 |
◇ |
10:40 |
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男ノ川 |
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県道41号,42号他
吾国山立寄り |
13:25 |
友部IC |
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常磐自動車道 常磐自動車道 |
15:10 |
目黒IC |
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今年のゴールデンウィークは10連休となった。いろいろ行ってみたいところはあるのだが、まずは筑波山に登ることにした。ネットの山行記録写真を見ていると、そろそろ山頂付近が緑がかってきているようなので、ブナもおそらく芽吹いただろう。
今回は筑波山神社からではなく、北側から登る。一般には「裏筑波」と言われているようだ。男ノ川の駐車スペースに車を置けば、周回コースがとれる。
神社側は照葉樹林の多い重厚な登山道と言う印象があるが、こちらは落葉樹が多く新緑がよさそうである。少しバリエーションっぽいルートを登り、男体山の自然研究路に合流する。
御幸ヶ原から女体山方面を望む
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混みそうなので早めに家を出る。常磐自動車道からは青空の下、筑波山がよく見える。土浦北ICで下り、山のほうに向かっていくと低いところはきれいな新緑色になっていた。筑波山は標高が高い分、まだ半分冬の姿である。
筑波山の裾野をぐるっと回り込んで細い車道を上っていき、男ノ川の駐車スペースに着く。放射冷却でかなり寒い。車の中で少し温まってから、6時に出発する。
車道を西に進み、左手の踏み跡を見い出し山に入る。左手は伐採地である。かなり広い斜面が伐採されている。何か作ろうとしているのだろうか。
伐採地の端につけられた踏み跡を緩く上っていく。明るい斜面で、スミレほかツクバキンモンソウも見られる。頭を上げると女体山の電波塔がもう見えていた。女体山から男体山に続く山稜は、下のほうから順にライトグリーンに染まり始めている。今の時期だけ見ることのできるグラデーションだ。
踏み跡ははっきりしており、登山道と変わりない。やがて踏み跡は森の中に入っていく。イヌシデ、クマシデ、エゴノキ、コナラ、アオダモ、クロモジなど一面の広葉樹林だ。野鳥の声がこだまし、周囲は気持ちよい萌黄色である。登山者も前後におらず静かだ。ゴールデンウィーク中の百名山も、時間とコースを選べば静かな山を楽しめるようだ。
このルートはカタクリも多いが、花期は終わっている。
さしたる急坂もないまま、小ピークの坊主山に着く。眺めはないが少し下ると男体山のてっぺん部分が見えた。薬王院からのルートと合流すると道はよくなった。ミヤマシキミがよく咲く。結実前のホウノキの独特な葉の形が見れた。
登山道はほとんど斜度を失い、桜吹雪の道となる。エンレイソウの大きな葉に桜の花びらが舞い降り、季節感がある。
自然研究路の一角に出た。大石重ねの説明板とあずまやがある。ここからはブナの多いところで、昨年歩いたときにも確認していた。
周回できる自然研究路を反時計回りに歩くが、男体山の西側に登山道が入ってしまって日陰で暗くなった。この先ニリンソウの大群落があったが、日陰のせいかほとんどが花を閉じている。やはり時計回りにして、日が高くなってからここを歩くようにしたほうがよかったか。
この先の自然研究路の崩落は、昨年からまだ復活していないようだった。通行止めのため、山頂への迂回路がついている。登山道が南に面すると、はかったように照葉樹が出てくるのは面白い。
山頂に向かってジグザグに登っていく。芽吹いた木はほとんどなくなった。
地面にブナの雄花が落ちていた。もしかしたら開花しているのかもしれない。どんどん登っていくと、林冠で芽吹きしたブナが見られるようになった。
アンテナ施設のある男体山山頂。岩に上がると芽吹いたブナの枝を目線の位置で見られた。雄花がたくさん出ていて、雌花もある。ブナの芽吹く姿は生命力が溢れている。山頂の展望台からはすばらしい眺望が得られ、富士山も望めた。
石段の道を下っていく。ケーブルカーが動き出したので人がどんどん登ってくる。
御幸ヶ原まで下りたあと、自然観察路の残りの部分を歩いてみる。ニリンソウが明るい光を受けて花開いていた。タチツボスミレも多い。
さっき見たあずまやのところで引き返し、御幸ヶ原に戻ると人で溢れていた。ヤマザクラが日の光を受けて輝いている。他の木々も萌黄色になり始めていて、今まさに「山笑う」筑波山になっていた。青空の下明るく、気温も上って暖かさえ感じる。
女体山方面へ、遊歩道化された尾根道を歩く。カタクリ保護地は花期が終わり、立ち入り禁止になっていたが、スミレやツツジが咲き春爛漫の様相だ。つつじヶ丘からの観光客も増えて、岩っぽいところは通過待ちの時間があった。
この後筑波山には大量の登山者、観光客が訪れ登山道は激しい渋滞になったようである。
女体山山頂には立ち寄らず、筑波高原キャンプ場への道を下る。こちらは静かだった。ゴールデンウィークの好天日なので、稜線の大混雑は仕方がないが、下山地まであんな渋滞のまま山行を終えるのは避けたいものである。
北斜面はやはり気持ちのいい広葉樹の森である。森としてはまだ発達中のようで、樹木自体はそう多くなく明るく、木々そのものも若い。今まで見なかったイヌブナが萌芽枝から若葉を出していた。カタクリは広い範囲に葉を出しているがやはり花期は終わっており、結実している。葉だけの姿を見てチゴユリかと思っていたのはどうやらユキザサのようだ。筑波山にはユキザサが生育する。
登山道を歩く人の数はぐっと減ったが、全くいないことはない。いつも登っている山の風景である。人がそれほど多くないからか道も固くなく、傾斜も緩い。むしろ高尾山よりも歩きやすい。裏筑波の登山道がこんないい道だったと走らなかった。
筑波山神社からのコースは歴史を感じる道、裏筑波は新緑や紅葉を楽しむ道となるだろうか。
筑波高原キャンプ場に下り、展望のいい林道を歩いて男ノ川の駐車スペースに戻る。キャンプ場の駐車場はけっこう空きがあったのに、こちらのほうは車が溢れ、長い路駐の車列ができていた。
登山者は男ノ川に車を停めるほうが多いようだ。もしかしたら朝見た伐採地は駐車場を作るためなのかもしれない。
時間があるので、先々週見た吾国山のブナを見ていくことにする。
今日は快晴の天気で、暑くもなく寒くもなく、「山笑う」筑波山を十分に楽しめた。