~タムシバ彩る展望の尾根~
タイトル
しらがもん(1720m)
2007年5月26日(土)晴れ後時々曇り

8:25上越線水上駅-[バス]-8:40土合橋バス停8:45-8:55尾根取り付き-9:40ヒノキのウロ9:45-10:30松ノ木沢ノ頭10:40-11:20白毛門12:10-12:45松ノ木沢ノ頭12:50-13:30ヒノキのウロ13:40-14:25尾根取り付き14:30-14:45土合駅
歩行時間:4時間40分

マップ
初秋の白毛門 Home


そろそろ6月。中部山岳や北の山の雪の解け具合が気になりはじめる。
北アルプスなどの高い山ではこの5月に何度も寒気に見舞われ、一晩に50センチも積もったりしたそうだ。一方北関東の山岳の融雪は比較的順調で、この冬の積雪ももともと少なかったことから、夏道の出るのは早そうである。

白毛門直下から谷川連峰を望む
白毛門直下から谷川連峰を望む

谷川連峰の展望台・白毛門へ、一応六本爪アイゼンとダブルストックを持って出かける。
上越線から見上げた谷川連峰は、上部にまだかなりの積雪を残していた。これはアイゼンを持ってきて正解、果たしてピッケルを持たない登山者でも登山は可能なのか、と不安になる。

水上駅から土合橋までバス。山のシーズンはまだなので、土曜でもバスは空いている。駐車場を通って橋を渡る。
ブナ林は目に優しい新緑色。その後は白毛門名物の急登。まさに鉄砲登りが始まる。

4年前の初登時にも思ったが、体が慣れてしまえばきつさはそう感じない。しかし今日は猛暑になりそうで、前橋で30度を超える予想が出ている。水分のとり方に注意しないと。採り過ぎず、我慢し過ぎずを心がける。


登り始めはブナ林

ヒノキのウロ

タムシバと白毛門

シャクナゲの回廊を登る、しかし花はない。もう終わってしまったのか。
やがて周囲はブナから桧が優勢となる。4年前に撮った根元が異様に太い大木も変わらずある。
さらに登ってヒノキのウロへ出る。マジックで「ネズコのウロ」と書かれている。ヒノキとネズコ、アスナロは自分には見分けがつかない。木の根をアクセントにしてどんどん高度を稼ぐ。
前方に大きなザックを背負った人が3人。どこにお泊りだろうか。

右手が開け出し、残雪をしたためた白毛門東側の稜線が見える。谷川岳はというと、時々樹林の切れ間から顔を出してくれる。
ヒノキがなくなり再びブナの中の登りとなる。

紫色鮮やかなムラサキヤシオ、純白のタムシバは非常に多い。足元にはイワウチワの葉が目立つが高度を上げると花のついたものも出てきた。シャクナゲもポツポツと花が見られるようになる。

鎖のついた大岩を乗り越えると、一気に視界が開け松ノ木沢ノ頭(1484m)に到着する。
ハクサンシャクナゲが咲き始め、それを前景に谷川岳、一ノ倉岳の岩壁が大きく、それに続く茂倉岳、蓬峠あたりまでの残雪の稜線が美しい。
もっと雪があればさらに素晴らしい眺めと思うが、そういう時期だと自分がここまで登ってこれるのかがわからない。でもいつかは登って来たいと思う。




シャクナゲ咲く松ノ木沢ノ頭

白毛門頂上

笠ヶ岳と清水峠方面

ここからは急登は少し落ち着くが、岩場の登りが多くなる。ショウジョウバカマ、イワナシは南関東ではあまり見られない。
雪を踏む場所は意外にも全くない。周りの斜面には残雪が少しあり、その雪解け水が登山道を伝ってくる。
森林限界を越え、右に回り込むように急な岩尾根を斜上する。

岩の突端に出ると谷川東壁がダイナミックに迫る。再び鎖をつかんで体を上げる。1箇所だけ雪を踏み、すぐに白毛門頂上に達する。
周囲の眺望は素晴らしい。正面に笠ヶ岳や朝日岳への稜線。谷川岳よりも雪が目立つ。その後ろに見え隠れする巻機山への稜線はさらに多くの残雪がある。
先の大きなザックを背負った3名は、これから2泊で巻機山へ縦走するそうだ。

言うことのない眺めだが、日も高くなり若干モヤってきた。今日明日と黄砂が観測される予報が出ているのでその影響もあったかもしれない。
さらに谷川岳の後ろから、大きな黒い雲もこちらへ進出をうかがい始めている。
笠ヶ岳方面への道は、少し残雪を踏むようである。余裕があれば笠ヶ岳まで足を伸ばしたかったが、雲の塊を見て思いとどまる。昨年の主脈縦走の次はぜひとも馬蹄形縦走である。


ジジ岩、ババ岩

タムシバ

黒雲迫る土合駅

来た道を下る。ここの岩場の下りは細心の注意が必要だ。とにかく足がもつれでもしたらひとたまりもない。即滑落である。
馬蹄形縦走を谷川岳のほうから歩き始めるとすると、疲れがピークの頃にこの岩尾根を下ることになるので、やはりこちらを登りに取ったほうが賢明だろう。
アイゼンはザックの奥底にしまったままだが、ストックを1本使う。同じ様に下るのに苦労する人を何人か見かける。

斜度が緩み、松ノ木沢ノ頭に戻ってくる。ようやく一安心。しかしここからも急坂が続くのでまだ気は抜けない。
こうなると逆に早足になってしまうのが自分の悪い癖である。早く結果を求めたがってしまう。はっきりいって山登りには向かない性格だ。

登りのとき目に留めておいたタムシバを撮影する。ピストン登山のときは、登りのときにいい花や樹木を見つけても、光線の向きがよくなければ、撮影をを下りの時にとっておく。

ヒノキのウロで一休み。樹林の間から覗く谷川岳の姿もここで終わりだ。さらに急坂を下り、登山口の赤い橋まで戻ってくる。

駐車場から振り返ると、山の上のほうは黒い雲で覆われて見えなくなっている。さらに歩いて土合駅へ。
ホームに出ようとすると、バラバラと何と雨の音。しかし頭上はまだ青空であり、山のほうから雨粒が飛んできたのだ。午前中あれほどいい天気だったのに、谷川岳の天気はどうやら今年も性悪である。
灰色で何も見えなくなった山の間から、上りの上越線がぬっとやって来た。


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