~谷川岳と対峙する'超'展望の山~
タイトル

しらがもん(1720m)
2003年9月23日(祝)晴時々曇り

マップ
8:26上越線水上駅-[バス]-8:46土合橋バス停8:50-9:00尾根取り付き-9:50ヒノキのウロ10:00-10:50松ノ木沢ノ頭11:00-11:50白毛門12:35-13:15松ノ木沢ノ頭13:20-14:10ヒノキのウロ14:15-15:05尾根取り付き-15:25土合駅
歩行時間:5時間20分
新緑の白毛門 Home

白毛門頂上から谷川岳
白毛門頂上から谷川岳。深い切れ込みの一ノ倉沢

今日は上越国境近くの「白毛門(しらがもん)」に登る。湯檜曽川を挟んで、谷川岳と対峙している山である。谷川岳東壁の展望台として知られている。

上越線の水上駅から、谷川岳ロープウェイ駅行きのバスに乗り、土合(どあい)橋に向かう。
このバスは運賃が高いのだった。15分そこそこの乗車で620円。それなら上越線を乗り換え土合駅で下車し、名物の地下階段を上って土合橋に向かったほうがよっぽどよかった。JR普通運賃は東京から行った場合、水上駅も土合駅も同料金なのである。

土合橋バス停から少しだけ戻って右に入り、広い駐車場の横を歩いていく。すぐに橋で川を渡る。バスから見た白毛門と見られるピークは上部に雲がかかっていた。登っているうちに晴れるであろうか。
登山道取り付きに入るとすぐに急な登りが始まる。
最初はブナ林の中、まもなく尾根がやせてきて、ブナと桧や松の混合林の中ををひたすら登るようになる。遊びのない、ほぼ直登の道。覚悟はしていたがやはり始めのうちはペースがつかめない。
登山口
登山口
木の根はびこる道
木の根はびこる道
奇妙な生え方の桧
奇妙な生え方の桧

足元をしっかり見据え、ペースに注意して登る。やせ尾根の登山道には両側にシャクナゲの木が多く、足元にはイワカガミの葉も目立つ。
道を木の根がはびこるようになり、時にはそれをよけるように、また時には踏み台にして高度を稼いで行く。
急登ではあるが斜度はほぼ一定。こういうのは、ペースをつかむことさえ出来れば、かえって楽になる。へたに斜度が緩むところがあったりすると、逆に疲れてしまう。

取り付きから1時間、ねじれまくった桧の木がある。「ヒノキのウロ」と呼ばれているそうで、その少し先に休憩適地がある。このへんには桧の巨木が多い。しかも奇妙な形のものが連続していて、ちょっと変わった樹木ウォッチングが楽しめる。
ただしこれらは、実は桧ではなくネズコだという説もある。どちらが正しいのかは知る由もない。

休憩地には先客がいたため、もう少し先の東(右)側が開けたところで腰をおろす。このあたり、やや傾斜は緩む。

行き交う登山者は多い。抜きつ抜かれつでさらに高度を上げる。西(左)側には木の間から天神平あたりの稜線が見え隠れする。上部はやはり雲がかかっている。ロープウェイ山頂駅も見える。

タタラノセンと呼ばれる滝が眺められる前後で、そろそろ岩がちの急登となる。大きな岩を鎖で登る。
周囲の木々の背が低くなり視界が開け始め、ようやく最初の展望地である松ノ木沢ノ頭(1484m)に登りつく。
西側には谷川岳東壁、やや雲の線が上がり始めている。天候回復の兆しか。東側は大きく開けジジ岩、ババ岩の2つの岩峰。正面上に鎮座する白毛門ピークの門のように立ちはだかっている。

白毛門までは森林限界上の急登となる、森林限界といっても周囲は低木が茂っている。
どんどん展望がきくようになり、谷川岳の先の稜線、茂倉岳や武能岳あたりも見え出す。それに比例して、空も、青の占める割合が多くなっていく。まるで自分がピークに登り付くのに合わせてくれているかのよう。
白毛門を見上げる
白毛門を見上げる
笠ガ岳、朝日岳
笠ガ岳、朝日岳

手を使う岩場を乗り越え、ようやく展望盤のある白毛門頂上(1720m)へ。
まさに大展望。稜線の先に笠ガ岳と朝日岳。草紅葉が始まっているのがここからもわかる。白毛門の頂上でも、ツツジの葉は真っ赤になっているものもある。

谷川岳も上部の雲が取れ全貌を現す。東側遠くに平ガ岳、尾瀬の燧ケ岳、至仏山。南面には上州武尊、三峰山、榛名山などが勢揃い。茂倉岳の奥には苗場山と思われる平たいピークまで望める。

日帰りの山としては久々の大ヒットだ。霧に包まれた山もまた味があっていいと他方では言いながら、やはり山は頂上で展望を楽しみたい。10名ほどの登山者とともに、すごいすごいと言いながら360度の展望を存分に楽しむ。
秋の空は高く、うろこ雲が気持ちよい。

惜しむらくは、今の時間になると谷川岳の壁面には日が射さず、今ひとつ迫力が感じられないことだ。写真が目的なら、笠ガ岳の避難小屋に泊まって早朝に撮るのがいいだろう。

登りが順調に来れたので笠ガ岳まで行こうか、ともチラッと思ったがやはり下りのことを考えて自重する。
白毛門と谷川岳
白毛門と谷川岳
天高い秋の空
天高い秋の空

やはり下りは大変だった。飯豊の梶川尾根や鳳凰山の御座石コースなど、急で危険な下りが最近続いたせいか、滑りやすい場所で変にへっぴり腰になる癖がついてしまった。岩の上で尻もちをついてしまいえらく痛い。しかし勢い余ってブレーキをかけ損なうと大変なことになる。集中を切らさないように慎重に下る。

ヒノキのウロまで下り、ようやくほっと一息つく。しかし気の抜けない急坂はまだまだ続く。下に見える水上の町がどんどん大きくなっていくのを励みにしながら下る。

登山口の橋のたもとまで下り付く。時間を計算してびっくり、登りが2時間40分、下りが2時間20分とあまり差がない。下りが苦手という傾向がさらに強まっているようだ。

土合駅まで歩く。駅は大きい建物だがひっそりしている。下りと違い上り列車は地上にホームがあり、白毛門のピークが見える。

久しぶりに大展望の山を味わえた。しかし太ももの辺りがパンパン、筋肉痛は必至である。今週末、対面に見えた茂倉岳に登ろうと思っているのだが、それまでに筋肉痛はやわらぐのだろうか。


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