-魚沼の地を見下ろす兼続の山-
タイトル
六日町-薬師尾根-坂戸山
山域 越後
地域 新潟県
標高 坂戸山(634m)
山行日 2011年1月3日(月・祝) 天気1

沿面距離 4.5km
歩行時間 2時間5分
標高差 474m(駐車場~坂戸山)
宿泊 -
温泉 越路荘
交通 マイカー Home



2011年1月3日(月・祝)

練馬IC4:20
 関越自動車道
六日町IC7:25
 国道、県道
8:00駐車場8:55
9:00薬師尾根登山口9:05
10:10坂戸山11:05
11:55薬師尾根登山口12:00
12:10駐車場12:20
 国道、県道
越路荘立寄り
14:50六日町IC
 関越自動車道
18:40練馬IC


関連リンク
[記録] カタクリの坂戸山
南魚沼市観光協会
六日町観光協会


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昨年来、新潟中越地方の雪深い山に、一度は登りたいと考えていた。
中越地方は、米どころで知られる魚沼地区(魚沼市、南魚沼市)を中心に、高い山から里山までいい山がたくさんある。有名なところでは越後三山(越後駒ヶ岳、中ノ岳、八海山)、巻機山、金城山、浅草岳、平ヶ岳など。展望、高山植物、紅葉、どれをとっても素晴らしい山が並んでいる。
また、余り知られていない低い山でも唐松山・権現堂山、大力山、鳴倉山などは地元の人の手軽なハイキングの対象となっている。

これら里山は、スリーシーズンだけではなく、冬もけっこう登られている。日本有数の豪雪の地である新潟県中越地方は、麓でも2m近く雪が積もることもある。それでも天気のいい日には、山頂は大勢の地元の人で賑わうようだ。


坂戸山山頂から魚沼の広い田園地帯を見下ろす。左は金城山のスロープ

坂戸山もそうした、地元の方に愛されている山のひとつである。大河ドラマ「天地人」放映以後、直江兼続の居城として坂戸城が広く世に知られ、兼続の山として坂戸山も有名になった。
そのような史実以外にも、この山には魅力が多い。山頂付近のカタクリの群落は圧倒されるほどである。4年前にこの群落を見て、いっぺんに新潟の山のファンになってしまった。
雪の坂戸山、昨年は出かけるタイミングに恵まれなかったが、今年は年初1つ目の山として選んだ。

坂戸山
坂戸城跡の説明板
薬師尾根登山口
桜並木を登る
上越の山々
ヤセ尾根の登り
山頂へ

この日、新潟中越地方の天気は「雪のち曇り」である。関東地方の天気予報を見る感覚では、この予報を見ただけで好天は期待できないだろう。

しかし、今の季節の日本海側の天気予報を見る場合、ちょっとした色眼鏡が必要である。天候が回復に向かっているときは、中越地方は早くから晴れることがよくある。この日1月3日も朝から好天に恵まれそうだということは、それまでの推移と天気図を見て何となく察しがついた。

関越トンネルをくぐると、新潟側は晴れているものの、周囲はやはり雪景色になっていた。塩沢から魚沼地域に広がる田畑も一面が白一色。こういう光景は関東では見られない。
六日町ICで高速を下り、魚野川を渡ると、もう目の前に坂戸山が大きい。
標高は634m。これは、現在東京都に建設中のスカイツリーの完成時の高さと同じである。山としては低い部類であろう。しかし今この1月初にして、すでに真っ白である。

山は目の前だが、登山口である鳥坂神社への道がよくわからない。付近を何度も行き来し、ようやく細道を見つけ神社前の駐車場に入る。しかしシャーベット状の雪で車を思うように入れられない。せっかくのスタッドレスタイヤもあまり意味をなさなかった。 悪戦苦闘したあげく、結局ここに車を停めるのは諦める。少し戻って、魚野川沿いのホテルの駐車場を、ちょっとの間拝借することにした。

あらためて鳥坂神社まで歩いていき、入口手前から薬師尾根登山道に入る。4年前、カタクリの時期に登った記憶が蘇った。
社を過ぎると桜並木の緩い登りとなる。雪は膝下程度。ずっと先に先行者が見えた。自分と同じく、ダブルストックで一生懸命に登っている。
赤い鳥居のある尾根の肩に上がると、さっそく周囲の眺めが広がった。薬師尾根は終始展望がよく、低山とは思えない。新潟や東北の山は、低くてもこういう感じだ。

小さな樹林帯を抜け、低潅木帯の緩い尾根となる。見下ろす魚沼の風景は、一面が雪で白い。そして進む方向には、尾根を上りきったところに坂戸山の山頂部も見えている。
高度を少しずつ上げるにしたがい積雪は増す。そして雪質もパウダー状になってきた。

あまり朝が早いとトレースが無いのでは、と思い一応輪カンも持ってきたが必要なかった。すでに何人もの人が登っているようで、ラッセルするところもない。
登りの途中で、すでに下山中の人と何人かすれ違った。皆ゴム長を履いていて、登山靴の人は見かけない。ザックを背負ってない人もいる。

潅木の間につけられたヤセ尾根を進む。春から初夏にかけて、タムシバの白い花や、ムラサキヤシオなどで彩られる道である。
振り返ると魚野川沿いに広がる、雪化粧した田畑。六日町駅や大型電気店の建物も見える。その先にわだかまる山稜は六日町スキー場だ。標高の低いスキー場だが雪は豊富のようで、滑走は可能だろう。

坂戸山の尾根続きには金城山がいかめしくも気高さをもって聳えている。遠くには、飯士山を前衛として谷川連峰が白く雄大だ。これらの眺めを見れただけで、雪の坂戸山に来た目的の半分以上は達成されたようなものだ。
空も雲ひとつ無い晴れではなく、所々滝雲が山裾に横たわっているのも絵になる。

山頂から大城方面
魚野川と魚沼の町並み
八海山
大型電気店も
ピンが埋め込まれている
最高級コシヒカリ

高度を上げるほどに積雪は増す。ロープのつけられた急な登りのところでは、階段が雪から露出していた。ここを登りきり少し行くと、待望の坂戸山山頂である。
素晴らしい眺め。いつまでも見ていたいくらいだ。惜しいのは反対側、越後三山方面が雲で見えにくいことだ。かろうじて八海山が雲の中から顔を出していた。

山頂部は社を中心に、周囲は股下くらいの積雪で覆われている。トレースの無いところはズボッともぐってしまう。
後から後から人が登ってくる。みんなゴム長で軽装である。さっきすれ違った人をまた見た。1日に何度も登っているらしく、今日(1月3日)の時点で、今年は5回目だという。
それに驚くのはまだ早く、昨年この山に1274回登ったという人がいたのでびっくりだ。生涯通算ではなく、1年間でである。1日に3回から4回は登っている計算になる。
東京で、高尾山(標高599m)に1年間で1000回登る人などいるのだろうか。新潟の人の山好きの度合いは、東京なんかに住んでいる人とはレベルが違うのだ。

寒さも忘れて1時間ほど滞頂する。さて下山だが、ロープのついた急坂はちょっと恐いので、アイゼンをつけることにした。自分と同じように、遠くから来た人だろうか、一人だけ登山靴+アイゼンという人がいたので、自分もアイゼンをつける気になった。

急坂は無事通過。しかしやはり、やせた雪道の下りはちょっとスリルがある。
空は雲が支配してきたが、眺めは相変わらずいい。今からでも登ってくる人が後を絶たない。ゴム長の地元の人の目には、アイゼンは物珍しく映るようで、自分とすれ違ったあとに、「あれはアイゼン・・・」と話しているのが聞こえた。アイゼンは結局、下りきるまでつけていた。
45分ほどで下山。時間的にはあっけなかったが、中身のいっぱい詰まった楽しい登り下りだった。

帰りの高速渋滞が気になるが、せっかく魚沼までに来たのだから、ちょっと街中を見ていこう。
六日町温泉の湯元である「越路荘」で入浴したあと、ホームセンターに立ち寄ってみる。案の定ゴム長がおいてあった。靴底にピンがついている。屋根の雪かきや除雪作業で使うものなのだろう、
土地の人には必需品だが、東京のホームセンターではたぶん入手できないのではないか。しかも1480円と激安である。次に来るときに備えて、一足買うことにした。
あとはもちろん、魚沼産コシヒカリを買って帰ることにする。

高速に入る頃に天候は急変し、みぞれが降ってきた。晴れのタイミングをうまくとらえて、今日は新潟の山を楽しむことができた。冬型の気圧配置が緩んだ時に、また来たいと思う。