-水潤う道を登り広大な平頂へ- ![]() なえばさん(2145m) 2009年7月5日(日)曇り時々晴れ ![]() |
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雷清水でおいしい水を補給し、低潅木と草付の尾根をかなり下る。鞍部に着いたあたりも様々な高山植物を見る。ウスユキソウ、ハクサンチドリ、ベニバナイチヤクソウ、ウラジロヨウラク、ベニサラサドウダン。 展望のいい尾根筋になると「お花畑」との標識も立っている。白とピンク色のカラマツソウが引きも切らず咲き続き、ニッコウキスゲも見ることが出来た。多くの人はこのあたりで急に歩みが遅くなる。これから季節が進むにつれ、様々な花が咲き代わっていくのだろう。 ヤセ尾根を伝ってのち、いよいよ苗場山本体をからむ最後の登りとなる。急登である。しかも意外にも展望の道ではなく、樹林帯の登りになる。 岩の突き出た部分も多く、頂上を直前にしていやが上にも気を引き締められる。 すぐ前を登っている人が「ヒルがいたぞ」と叫ぶ。黒い小さな物体を岩の上にいたが、動いていない。これが初めて見るヤマヒルなのか。それにしてもこんな雪国の山の、しかも標高2000mの地点にいるとはちょっと驚きである。
急坂を登りきると、ようやく苗場山頂上の一角に出た。写真で何度も見ていたように、広い広い平坦な地がどこまでも続いている。 ただ、沼地のもっと多く点在する湿原をイメージしていたのだが、意外と草原の占める割合が大きく、乾いた土地という印象が強い。しかしこれは季節によってかなり変動があるのかもしれない。 草地が多いせいか花は少なく、ワタスゲやイワイチョウ、咲き残りのチングルマを見るのみ。 それでもこの広大な頂上、端から端まで歩くならおそらく1日かかるであろう。もっともそんな一周するような道はないようで、小赤沢コースや赤湯コースに向かう直線的な木道が縦横に伸びている。 宿泊施設である遊仙閣は、今シーズンは営業していないが、今日はどうやら山開きの場となっているらしく、山伏の人が大勢詰めている。なお苗場山の頂上三角点は、遊仙閣の裏手にある。 もうひとつの山小屋、交流センターの前を通って小赤沢へ下るコースを少し辿ってみる。大きな残雪がある。やはりどこまで歩いても頂上だ。きりがないので、15分ほど歩いたあたりで引き返す。
難路と言われるが赤湯温泉へ下るコースも惹かれる。苗場山はどのコースも一度は歩いてみたいのだが、車なので、惜しいが今日は来た道を下山に使うしかない。でも往復であっても、変化に富んだ登山道は飽きさせない。 山伏の人たちと下山タイミングが同じになる、やはり山伏さんは天狗のように足が速い。携帯を片手に、写真を撮りながら楽しそうに下っていく白装束の姿は、見ていてちょっと異様だ。 ある山伏さんは法螺貝を吹きながら急坂を下っている。お子さんも引き連れているので何となく微笑ましい。 ガスが出てきた。天気はここへ来てゆっくり下り坂だ。先ほどの鞍部に下り神楽ヶ峰への登り返し。このあたりは小さな登り下りがあり、展望の立体的な変化が楽しめる。 あれほどいた登山者も、大方先に行ってしまったのか、たまにしか人を見ない。ただ、山伏さんの法螺貝の音が白くなった静かな空に響く。 下ノ芝から和田小屋までの行程は、下りの場合思った以上に長く、岩とぬかるみに悩まされる。 それでも何とか、和田小屋の屋根が見えるところまで来た。蒸し暑さがぶり返す。やはり山の上は涼しかったのだと実感する。 駐車場に戻る。苗場山の中では短いコースとはいえ、7時間近い行程だった。 車を動かし始めるとほとんど同時に、大粒の雨が降ってきた。あと10分下山が遅れたら、ずぶぬれになっていただろう、助かった。 しかしこの林道も、大雨の度が越えると車の通行が不能にならないとも限らない。すみやかに国道まで下る。 湯沢ICに下る少し前、神立の湯に寄っていく。入浴料が1000円と高いのだが、ここは素泊まりや仮眠も出来るので、前夜発の登山では利用価値がありそうだ。 やっと登れた越後の名峰、これからもコースを変えて何度か登ってみたいものだ。
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