山の写真集(御神楽岳)
山の写真集 > 谷川岳・越後・信越 > 御神楽岳
  • -会越の秘境入口-
  • 室谷登山口-大森-雨乞峰-御神楽岳
  • 越後(会越)
  • 新潟県
  • 御神楽岳(1387m)
  • 2016年10月15日(土)
  • 10.0km
  • 5時間30分
  • 1087m(室谷登山口-御神楽岳)
  • -
  • 御神楽温泉みかぐら荘
  • マイカー
天気1

 

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2016年10月15日(土) 前夜発
五反田IC 20:50
  首都高
東北自動車道
磐越自動車道
磐梯山SA泊
津川IC 6:45
  国道49号,県道277号
7:35 室谷登山口 7:45
9:15   水場 9:25
9:55   大森 10:03
10:33   シャクナゲ通り
10:48 雨乞峰
11:05 御神楽岳 11:50
12:00 雨乞峰 12:05
12:15   シャクナゲ通り 12:20
12:40   大森
13:00   水場
14:30 室谷登山口
  県道277号,国道49号
みかぐら荘入浴立寄り
17:00 津川IC
  磐越自動車道
東北自動車道
首都高
21:45 五反田IC

 

久しぶりに土日とも好天の予報。先週に続き、今回も北の山に行ってみたい。
今年の紅葉はこれまで色づきが今ひとつだったが、これから紅葉する山への期待を込めて出かける。場所は新潟と福島の県境にある御神楽(みかぐら)岳である。
この山は巨大なスラブ状の岩壁を持ち、「下越の谷川岳」の異名を持つ。標高が低い割には険しく人を寄せ付けにくい雰囲気を持っている。登山コースとしては蝉ヶ平ルートのスリルある岩尾根がかつては唯一の登山道だったようだが、今はより易しい室谷からの道が一般的だ。
東京から車で5時間と、かなり遠い。先週の大朝日岳は友人の運転で楽をしたが、今回は頑張るしかない。


細尾根を登って御神楽岳山頂へ

室谷登山口。ここには7,8台くらいしか停められないが、この少し奥にもスペースがある模様

室谷登山口

室谷ルートの出発点

出発

セト沢のきれいな流れを見下ろしながら登る

沢がきれい

樹齢のかなり経っていそうなブナの巨樹を時々目にする

古木が多い

少し高度を上げていくとブナが増える

ブナ林へ

登山道は水たまりやひどいぬかるみが上の方まで続いていた

ぬかるみ続く

ブナの樹皮に山名が殴り書きされている

大森

稜線上の樹林はようやく紅葉し始めた

紅葉進む

北方向の眺めが一気に開ける。最奥右に飯豊連峰、その左に二王子岳

広い展望

シャクナゲ通りに出るとさらに眺めがよくなる。西方向には粟ヶ岳の他、青里岳や矢筈岳といった秘境の山が近い

シャクナゲ通り

右・御神楽岳、左・雨乞峰

ようやく山頂が


金曜の晩に出発、東北自動車道を北上し郡山からは磐越道。夜12時を回ってしまった。磐梯山SAで車中泊する。外の気温は5度と、かなり冷え込んだ。
翌朝6時にSAを出る。6時までは会津若松から西会津IC間が工事通行止めになっていた。周りは会津地域特有の濃い霧に覆われている。

津川ICで下り、室谷登山口を目指す。霧は晴れて、爽やかな秋空となった。田んぼの中につけられた県道から細道に入り15分ほど、室谷登山口の駐車スペースはそれほど広くはなく、10台停められるかどうかだ。それでもすでに5台くらい先着車があった。どれも県内ナンバーで、日本全国の車が停まっていた先週の大朝日岳登山口とはずいぶん違う。
久しぶりに青空の下で静かな山を満喫できそうである。

登山者ノートに記入して出発する。ぬかるみの多い山ということで、最初からスパッツ装着である。確かにすぐに下草の伸びた、湿っぽいところを歩く。
小さな沢を渡り、セト沢を見ながら緩やかに登高していくと、ブナやトチの豊かな樹林帯となる。この辺りはまだ緑が濃い。落ち葉を踏む乾いた道もあるのだが、聞いていた通り大半がぬかるんでいる。
目の前の一段高くなっているところをひとつひとつこなしていくうち、ブナの割合が多くなる。沢から一旦離れるとあたりは静寂が支配し、自分の足音と、そろそろ渡りの準備でもしているのか、鳥のさえずりが遠くで聞こえるだけだ。
高度を上げるにつれ山は深まり秋も深まっていく。

ロープのかかった急登となる。ここもぬかるみで滑りやすい。そこを越すと上部がやや開け、穏やかな道になった。
沢音が聞こえ、程なく水場に着く。沢のせせらぎが耳にやさしい。一休みしたいが椅子代わりの倒木などはなく、地面はどこも濡れている。ザックを草むらに置き、その上に腰を下ろした。
登山ガイドでは、この水場まではぬかるんでいることが多い、と書かれていたのでここから先は大丈夫かな、と思ったが甘かった。まだ、足首のあたりまで泥にもぐってしまうところもある。
しかし高度を上げるにつれ頭上は明るさを増し、色づいた木々の割合も多くなってきた。ブナ、トチに加えてこのあたりだと杉の大木が目立つ。上越の山で見かけるヒノキやアスナロかと思ったが、葉は細い円筒形て杉のものだった。

やがて大森というピーク、と言うか尾根の肩に到達する。ブナともう1本の太い木にそれぞれ、赤と青い字で「大森」と書き殴られている。この山の標識代わりの表示物はどれも豪快だ。

雨乞峰の登りにて

紅葉の斜面

雨乞峰の登りにて

展望の稜線

雨乞峰付近から、蝉ヶ平ルートのナイフリッジ稜線を見下ろす

ナイフリッジを見下ろす

御神楽岳への登りにて、手前左の雨乞峰の後ろに鍋倉山、正面奥に五頭山塊

五頭山塊も

御神楽岳山頂

御神楽岳山頂

御神楽岳から少し下り、福島県側の主峰「本名御神楽」(ほんなみかぐら)を見る

福島県側の主峰

赤になる葉は例年は先行して紅葉するが、今年は台風などの荒天の影響ですでに葉が落ちてしまったようだ。黄葉するカエデなどはある程度残っていた

黄葉が目立つ

稜線のかなり上のほうにも、杉の大木が見られる

杉も多い

青空の広がった麓の室谷地区

今日は快晴


大森山というのが近くにあるようで、ここはその支尾根だろうか。ただ大森山はここより50m以上低い。飯豊連峰などが望める眺めのいい場所とガイドにはあるが、その後樹林が成長したようで、今は枝越しにそれらしき稜線が覗く程度だ。
大森からは背の高い樹林も少なくなって青空がうれしい展望の尾根道となる。しかしぬかるみの道はしつこく、所々で顔を出す。
黄葉の進むブナやカエデを見るうち左手が大きく開けた。安達太良山と飯豊連峰が真正面によく見える。足元にはおそらく蝉ヶ平からの岩尾根が突き上げてきている。
蝉ヶ平ルート側から見ると、御神楽岳はコンクリートを垂れ流したような巨大な一枚スラブが特徴的だということだが、こちら室谷ルートからはその様子はうかがい知れない。その代わり展望にはあずかれる。
尾根の肩のようなところは、古めのガイドでは「シャクナゲ通り」との説明がある。シャクナゲはそう多くなく、ナナカマドが紅葉していた。北方向にはおそらく粟ヶ岳、長い稜線は五頭連峰か。二王子岳も飯豊連峰の隣りにひかえている。
どの山もこの角度から見ることはあまりなかったので新鮮な眺めである。

進行方向にはようやく、御神楽岳と思われる頂稜部が見えてきた。今までのひたすら緑の登山道と比べて、上の方は意外なほど紅葉が進んでいた。赤系はほとんどが枯れているのか、茶色くなってしまっているがその分、カエデやカンパの黄色がよく目立つ。
雨乞峰で蝉ヶ平ルートと合流、そのナイフリッジの岩尾根はここから見下ろすだけでもスリル感十分だ。

潅木を抜け細尾根を登り上がると、東西に細長い御神楽岳山頂である。そばに高い山がなく眺望は360度、越後や福島の山がそれこそ一望だ。
北側以外の山並みも圧巻。ちょっとわかりにくい展望盤と見比べながら、燧ヶ岳、平ヶ岳、越後三山を確認する。さらに浅草や守門も。
山頂には地元の人も登ってきていて、展望盤にも載っていないマニアックな小さな山を探していた。
ただ山頂は背の低い潅木に囲まれていて、腰を下ろすと周囲の眺めは得にくい。

福島県側の稜線に少し入ってみる。尾根を下った先にそびえる本名御神楽が福島側の主峰だ。標高は1200m台で遠目にはまだ緑色が目立つ。
とにかく天気がいいので、色づき自体今ひとつの紅葉も鮮やかに映え、間もなく冬に入って色を失う山肌に最後の輝きを与えている。言うまでもないが、お日様は山にとって大きな存在である。

来た道を下山する。雨乞峰シャクナゲ通りの展望ポイントで立ち止まり写真を撮る。
下越から会越のにかけての山並みは深く、五頭や二王子など登ったことのある山の裏側、すなわちこちら側には、まだ自分の知らない広大な山域が控えている。いずれも標高の高くないヤブ山風で、登山道があるのかないのかもわからなく、秘境めいた雰囲気がある。一般登山の対象にはなりにくく、おそらくエキスパートの世界で自分には入り込む余地はないだろう。
御神楽岳はその一般と一般的でない部分との境目に位置する「一般の人が登れるギリギリの山」ということになろうか。

大森まで下り、あとは樹林の中を淡々と下るのみだ。ぬかるみがあまりに多く、その分慎重に歩を進めているせいか、今日は尻餅をつくこともなく意外としっかり歩けている。
セト沢沿いまで下り着いても空はまだほとんど雲も出ておらず、このまま下山してしまうのがもったいない。瀬音を聞きながら長めの休憩をとりつつ、15時前に室谷登山口に戻った。

御神楽温泉に立ち寄る。内湯の大きな窓の外側に、カメムシのような虫がたくさん張り付いていた。山も麓もそろそろ寒い季節に入る。虫たちは少しでも暖かい場所を求めて移動してきた。
ふと壁の張り紙を見ると「へくさんぼ取り選手権」なるものが地元のイベントとして企画されているようだ。いったい参加者はいるのだろうか。ちなみにへくさんぼとは北陸地方の呼び方で、カメムシのことらしい。新潟市からやってきた人が、こんな虫は近所にいない、いったい何だろうと不思議がっている。
温泉はトロトロ、つるつるして上質のものだった。

5時間かけて東京に戻る。