~雲上の楽園から夏雲湧く頂稜へ~ ひうちやま(2462m) 2005年7月18日(祝) 晴れ時々曇り 4:05信越線見附駅-[車]-6:20笹ヶ峰登山口-7:00黒沢7:05-7:30十二曲り12:35-8:30富士見平-9:30高谷池9:35-10:10天狗の庭10:20-11:45火打山12:30-13:00天狗の庭-13:25分岐-14:30黒沢池14:40-15:25富士見平15:30-16:05十二曲り16:10-16:30黒沢16:35-17:05笹ヶ峰登山口-[車、杉野沢温泉経由]-18:30妙高高原駅18:43-[信越線]-19:25長野駅 歩行時間:9時間10分 |
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梅雨も明けようとしている7月中旬、新潟県上越・妙高連峰の火打山に登った。 妙高山・焼山と合わせて頚城(くびき)三山と言われる。頚城三山は2400m以上の標高を連ね、この高さは日本海側の山地の中では抜きん出ている。そしてその最高峰が火打山である。 今回の山行は、このサイトを見てくれていた地元の方からのお誘いによるもので、おじゃまさせてもらうことにした。登山口まで車で上がってくれたり登山道の案内をしてくれたり、すっかりお世話になってしまった。この場を借りてお礼したい。
●笹ヶ峰登山口から高谷池へ 夜行電車「ムーンライトえちご」で見附駅へ。そこから車で北陸自動車道・上信越自動車道を経て笹ヶ峰登山口に上がる。 すでに標高は1300mを越えており、車道からは雲海も見えている。登山口から上は青空、どうやら今日は1日いい天気のようだ。 駐車場には車が数十台。これでもこの時期には少ないほうだという。
ダケカンバやブナ林に敷かれた木道を緩く上がり、橋のかかる黒沢へ。ここから先は本格的な登りになる。 十二曲りと言われる場所は、本当に12回ジグザグを登って行く。ただし標識は12回のジグザグを全部登り切った場所にあるので、登りではどこからが十二曲りの始まりなのかはっきりわからない(赤テープに小さく書いてあるようだが)。 花の終わったエンレイソウ、ギンリョウソウが目につく。同行のHさんに、カニコウモリを教えてもらう。コウモリが羽を広げた形によく似た葉が、よくみると林床一面に敷き詰められている。 十二曲りの途中でKさんがショウキランを発見。以前他の場所で見ていたが、そのときはギンリョウソウの咲き始めだと思っていた。 登りついた標識のところからは、妙高山方面の眺めが得られた。 道はいったん緩まるが、すぐに石のゴロゴロした急登となる。手を使って体を引き上げるような場所もあり、十二曲りよりもこのへんの行程が一番きつい。 林床にはズダヤクシュが多い。これは南関東の山ではほとんど見かけないので、これを見ると遠路に来たという印象を持つ。ほかにコミヤマカタバミ、ゴゼンタチバナ、ミツバオウレンも多く咲く。 やがて5センチほどの白い花を見る。こんな樹林帯の中でキヌガサソウが、それも1輪だけ。上のほうから種が飛んできでもしたのだろうか。 まだ咲き始めのようで、鬱蒼とした樹林帯の中、花の白色がひときわ輝いている。 のちにオオイワカガミ、ツマトリソウも現れる。高度を上げるに合わせて、見られる花も変わっていく。植生の垂直分布がはっきりした山域なのであろう。 富士見平からはあたりは低潅木もぼつぼつ現れ始め、随所で眺めが得られるようになる。 傾斜が弱まり目的地に近くなったか、と思わせるが高谷池まではまだ距離がある。樹林の途切れた場所から、火打山・裏火打の端正な姿が眺められる。その頂はまだまだ高い。
高谷池ヒュッテの前に立つと、高谷池や針葉樹の林を前景に、火打山の頭が覗いている。ハクサンコザクラやコバイケイソウが至るところに大群落を作っている。ナナカマドも花の盛りだ。 登る人、下る人、中高年登山者やテント装備の高校生、赤ん坊をベビーキャリーに乗せたお父さんなど、さまざまな登山者が多く行き交う。 妙高山も火打山も日本百名山に入っており、人気の高さがうかがえる。さほど広いとはいえない山域内に百名山が2座もあるとは意外な気がする。八ヶ岳や丹沢と同じ捉え方をすれば、火打山は妙高連峰の一部で、全体で1つとなるだろう。しかし高谷池まで来たときに仰ぎ見る火打山の姿は堂々としていて、大きさを感じる。 山麓から見上げる火打山は目立たないが、山中に入って初めてその存在感の大きさに気づくのだろう。 |