~自然林と展望のロングコース~
タイトル
とくなみやま(1116m)から
こうしゅうたかおさん(1091m)
2006年4月22日(土)曇り時々晴れ

7:18中央線甲斐大和駅-7:48果樹園最奥の取り付き口-8:35徳並山8:45-9:05東大志山-9:52古部山10:00-10:22・1413m峰-10:45三角コンバ-10:55境沢ノ頭11:10-11:20展望地11:35-12:20宮宕山12:25-12:40棚横手12:50-13:10富士見台-13:40甲州高尾山13:55-14:40柏尾山-15:05登山口-15:50勝沼ぶどう郷駅 歩行時間:7時間10分
マップ
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「静かなる尾根歩き」という登山ガイドが刊行された。関東地区のマイナーな登山コースを扱っている本だが書店によっては週間ベストセラーにもなったようで、人気化している。
これではマイナーな道もメジャー化してしまうのでは、とも思うがこの本で初めて知り得たコースも多く重宝している。とりあえず今は、この本に書かれたコースを辿れば、休日でも静かな尾根歩きが満喫できそうである。

ウバガ岩から朝日山と富士山
スモモの白花が咲く果樹園。バックは米沢山、右に笹子雁ガ腹摺山

この本の中で自分がとりわけ歩いてみたいと思ったのを挙げると、奥秩父・黒富士周辺の大森という山、奥多摩タワ尾根の支稜、生藤山周辺の支尾根、大菩薩嶺北尾根、長峰などである。これらは機会があれば計画して早いうちに挑戦してみたい。

そして今回歩いた、大菩薩日川尾根末端を占める馬蹄形縦走コースも、かなり内容の濃いものとして狙っていた。かねてから登りたいと思っていた徳並山と甲州高尾山をつなげてしまうロングコースである。

前半はヤブ尾根歩きで手ごわそうなので、エスケープルートとして嵯峨塩に下る道などを調べておく。
日が長くなってきた4月後半、8時間近くかかるこのコースを歩いてみることにした。

武田勝頼像

西光寺脇を上る

スモモの花

甲斐大和駅を出て右折、景徳院に向かう方向に歩き出す。最初から地形図を見ながら進む。すぐに米屋(酒屋?)のある角を左折し民家の間を緩く登る。
5日前に登った高柄山の春爛漫の山麓とは違い、庭先はどの家もまだ寂しい。高柄山ではかなり上まで芽吹いていたが、甲斐大和駅の標高はすでに625m、高柄山頂上より100m余りしか違わない。駅周辺の芽吹きは浅い。
同じ中央線沿線の山でも季節の進み具合はかなりの差がある。

進行方向の左手、西光寺とお地蔵さんの間にある細道を上がっていく。火の見櫓を過ぎると民家が尽き、スモモ咲く果樹園の中の道となる。
スモモの花は白で、満開状態である。昨年は兜山山麓ピンク色に染まる桃の花畑の中を登ったが、今年の桃見山行は、純白のスモモの斜面に見送られてのスタートとなった。

簡易舗装道が終わり、そこが取り付き口となる。が、指導標やテープなどはない。細い踏み跡があるのみ。上部に見える尾根目指して急坂を詰める。
潅木などのヤブが多く、高度が上がらない踏み跡に見切りを付けて斜面を這い上がり、尾根の末端に出た。
尾根に出てしまうとヤブは薄くなり、幾分歩きやすくなる。緩い登りをしばらく行くとミツバツツジ咲く小ピークに出る。

再び潅木が体に当たるようになる。やがて右側が伐採地で大きく開けた場所に出る。下のほうに人影が見える。別の登山道があるのだろうか。
露岩の目立つヤセ尾根となり、気が抜けない。こういう道がこれからずっと続くとするとかなりきつい。しかし露岩はすぐ終わり、振り返れば樹林越しながら大きな富士山が望まれる。
そして、しばしの急登で樹林に囲まれた徳並山(1116m)に立つ。

徳並山頂上

伸びやかな尾根道


「徳並沢の頭」との山名標識があり、その「並」の字が赤書きで「波」に訂正されている。南麓に流れている沢は徳波沢という名前なので、どちらかといえば「徳波」のほうが正しいのだろう。
なおこの山頂からは西側の尾根にも踏み跡が伸びていて、これはどうやら今回の最終目的地である勝沼に至るようである。今日は北側の尾根に乗り、古部山~三角コンバ方面を目指すこととする。回りまわって勝沼に下りる予定である。

西大志山東大志山(1115m)と、若干アップダウンはあるが快適な稜線歩きとなる。ヤブも少ない。西に南アルプスの白いラインが勢揃いしている。右に目を転じれば八ヶ岳も。それにしても八ヶ岳は、今の時期になっても頂稜部がかなり白く、今年の雪の多さがわかる。
これらの高峰が木の間からの眺めなのが惜しい。ここから先、展望の良い小ピークがあることを期待する。

古部山へはだらだらした登りが長く続き、きつい。高度も1300mを超えるとミツバツツジも見られなくなり、周囲は全くの冬の山の姿となる。
しかしミズナラを中心とした自然林が豊かで、新緑や紅葉の時期はよいだろう。今は時折現れるダンコウバイの黄色い花が稜線を彩るのみである。
樹林の中の静かな古部山頂上(1312m)には、某山岳会の山名標識がかけられていた。


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