~紅葉進む雑木林の尾根~
タイトル
すずがおやま(833m)から
くらたけやま(990m)
2007年11月17日(土) 曇り後晴れ

6:50中央線猿橋駅-7:25幡野-8:05幡野山-8:50・730m峰-9:22鈴ヶ尾山9:40-10:00突坂峠-10:40大桑山10:50-11:13高畑山11:45-12:15穴路峠-12:37倉岳山12:57-13:20立野峠-13:30細野山13:40-13:45立野峠-14:45倉岳山登山口-15:00梁川駅
歩行時間:6時間25分

マップ
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ナイフリッジ状の岩稜

稜線の紅葉は盛り

下りの傾斜は増し、石仏のたたずむ突坂峠に立つ、峠といっても標識などなく暗い。しかしどことなく雰囲気のある場所である。昔は盛んに人馬の往来があったのだろう。
峠から少し登り返すと、すぐに鈴懸林道に出くわす。すぐ向かい側に大桑山へ続く山道がある。
緩急織り交ぜて、高度は次第に上がって行く。周囲の紅葉も色づきが豊かになる。樹林の間から見る大桑山は半分が黒々とした植林で覆われている。その植林にもぐっての急登となる。
樹林が切れたところで振り返ると、富士山が今日初めて顔を出してくれた。大桑山頂上(987m)はさっき見て想像した通りで、半分が暗く半分が明るい場所である。ここも昔はカヤトの原と自然林でくつろげたらしい。

さらに急下降、木の間からは、高畑山がその手前のピークとともに双耳峰のように見える。天候は回復し、自然林の多いヤセ尾根に明るい光が差し込む。
幅50センチほどの露岩が出てきてその通過が難しい。左右が切れ落ちているため、用心で岩にお尻をつけて滑るように進む。ちょっとこの姿勢は人には見せられない。

オレンジ色のきれいな紅葉を見ながら高畑山頂上(981m)に着く。この日初めて登山者に会う。狭い山頂に10名ほど。皆が南西の方角を向いている。頭上には青空が気持ちよく広がってきたが、お目当ての富士山は雲の中だった。
しかし紅葉はこのあたりで一番見頃になっていて、青空をバックに明るい太陽の下で見られる紅葉はやはり違う。

賑わう倉岳山
賑わう倉岳山

下山はどのコースにしようか迷う。中央線側ではなく、雛鶴峠に下る道も自然林が豊かそうで惹かれる。バス便もちょうどいいのがあるが、天気も良くなってきたことだし、さらに稜線を歩いて倉岳山まで足を伸ばしたい。

稜線を下る。雛鶴峠への道を分け、少し高度を下げるがコナラやクリの色づきはよい。
ただしこの尾根は左側が植林で、今の時期は左右の雰囲気が対照的である。写真もついつい植林を写さないように、右ばかり撮っている。
また、カメラを構えると、横ではなく縦長のフレーミングが多くなる。木全体を撮ろうと思うからで、紅葉の季節はこういうことが多い。

倉岳山(990m)は紅葉がピーク、しかも大賑わいだ。10名ほどのグループがいくつも車座になって休憩している。


二十六夜山

リンドウ

桂川沿いの紅葉

中央線沿線の山は中高年ハイカーが好んで歩く山の代名詞のように言われるが、意外と若い人も多い。今日は外人さんもいる。
周囲はアカマツなどの樹林に囲まれるも、見通しはいい。やはり高畑山よりもこちらのほうが好みである。

急坂を下り、立野峠から今日はもう少し稜線を行く。10分ほどで細野山(838m)に着く。
特に山名板はないがここは好展望の地だ。秋山側が伐採で樹林がなく、目の前に秋山二十六夜山がでんと鎮座している。その後ろに道志や丹沢の稜線、東には高尾方面まで見渡せる。
今日は長く歩いた割には眺望のきく場所があまりなく、ここで幾分か取り戻した感じだ。日当たりのいい斜面にはリンドウが花開いている。

立野峠に戻る。結局中央線の梁川駅に下ることにした。最初が薄暗い植林下の下り、やがて水場に着く。
以前読んだ登山ガイドには、ここの水はおいしいと書かれているが、説明板には「飲料用ではありません」との文字が。飲めないのに水場の看板を出しているのもちょっと妙な気がする。
ここからは沢沿いに下っていくことになる。本社ヶ丸の船橋沢コース、高畑山の小篠コースなど、中央線側の登山道はどこも雰囲気がなんとなく似ている。

左に小さな池を見てから10分ほどで、登山届入れのある倉岳山登山口に下り立つ。あとは車道を歩いて梁川駅に向かうだけだ。
桂川沿いの広葉樹は見事に紅葉している。木の種類が違うからだろうが、山よりもむしろ麓の川沿いのほうが紅葉が進んでいるというのは変な印象だ。

このところ寒い日があった割に山の紅葉は進んでいなかったが、それでもなかなか充実した歩きが今日は出来た。しかし梁川駅に着いた途端、中央線運転見合わせのアナウンス。藤野駅で人身事故があったらしい。吹きっさらしの駅のホームで50分ほど電車を待つ。

太陽が目の前の低い山の陰になり、急に肌寒さを感じる。4時前でもすいぶん冷え込むようになった。晩秋から初冬へ、季節は駆け足で通り過ぎようとしている。


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