~初冬の低山縦走と紅葉~
タイトル
せきろうさん(694m)、いしざれやま(578m)
2007年12月8日(土) 曇り時々晴れ

6:40相模湖駅-[バス]-6:50ピクニックランド前-7:07キャンプ場-7:45大明神展望台8:00-8:35石老山8:55-9:10南尾根下り口-9:55牧馬峠-10:50石砂山11:20-11:30西峰-11:55・499m峰12:00-12:15・415m峰-12:35車道-13:00やまなみ温泉15:00-[バス]-15:15藤野駅
歩行時間:5時間15分

マップ
峰山・石砂山・鉢岡山 Home


石老山と石砂山、単独で登れば小さい山なので、2ついっぺんに登ることにした。高尾山稜の隣にあって都心からのアクセスもよい低山だ。
両山は牧馬(まきめ)峠を挟んで尾根続きになっているが、この峠を経由する道は一般コースではないマイナーな登山道となっている。
新ハイキング誌や「静かなる尾根歩き」、「中央線の山を歩く」など各誌でそのルートが紹介されている。名残の紅葉を期待して行った。
石砂山への登路は落ち葉の絨毯
石砂山への登路は落ち葉の絨毯

相模湖駅から歩いてもいいが、バスがちょうどの発車なのでピクニックランドバス停まで乗っていく。
天気予報はよかったが、頭上には低い雲がたれこめている。携帯の三つ峠ライブカメラでは、快晴で富士山がきれいに見えている。きっと標高1000mあたりで雲海になっているのだろう。

少し肌寒さを覚える中、相模湖ピクニックランド入口の反対側の道に入っていく。石老山を示す導標などは不思議と見当たらない。
静かな住宅街を抜け、左手にあるキャンプ場に入る。バンガローを両側に見ながら緩く登ったところが石老山登山口だ。「石老山・大明神展望台」との指導標が立つ。

植林下の急登は大小さまざまな岩をぬって行く。もう1本のコースである顕鏡寺からの道も大石や岩が多いらしい。石老山という名前はやはり石が多いから来ているのだろうか。


相模湖を見下ろす

石老山から丹沢

牧馬峠への道

真っ赤なモミジ

登山口から40分ほどで、大明神展望台に着く。北側が大きく開け、高尾から中央線沿線の山稜、足元には相模湖が見下ろせる。反対側に鎮座する石老山は、意外なほど立派な山容である。
石砂山の方角は、低いながらうねうねと折り重なった山並みが印象的だ。山稜とは台地のシワの集合体であることがよくわかる。

近くに見えた石老山までは40分くらいの緩やかな登りなのだが、実際歩くと意外と時間がかかる気がする。
篠原方面へ下る細道を何本か見かける。また、西面(左)を中心に落葉樹にはまだ紅葉が残っていて、今年の暖冬の影響を感じさせる。

小広く細長い石老山頂上に到着する。樹林に囲まれ展望は乏しいが、一角だけ伐採されていて丹沢方面が近くに望める。少し雲も取れ、富士山の頭だけが見えるようになった。
人気の山だと思っていたが、人っ子一人いない。まあ都心からこれだけ近い山に、こんな朝早くから来る人も珍しいのかもしれない。

さてこれから牧馬峠へ下りるのだが、指導標が「牧馬」と示している方向とは違うようだ。そちらはおそらく高塚山方面に進む道で、牧馬という地区に下山するようだが牧馬峠とは違う。牧馬峠は篠原方面への道に入るのが正解。
頂上から下り口を間違えるのは間抜けだが、やってしまうと取り返しがつかなくなるので注意が必要だ。

篠原方面への道に入り、小さなアップダウンを数回。左側に赤と黄色のテープがあるところで登山道を離れ、踏み跡に入る。
踏み跡は薄いが、随所にプラスチックの杭が埋まっていてそれが目印になる。しかし初めのうちはすごい急坂で若干のヤブもある。木につかまりながら、滑り落ちないように注意して下る。
右側に尾根が分かれるあたりは地形図と符合する。植林を左側に見ながら高度を落としていくとやがて傾斜は緩くなり、雑木林も混ざる穏やかなヤセ尾根となった。

道脇に石祠を見て気持ちいい稜線を進む。意外と早く、右下方に車道が見えてくる。赤々としたモミジを見て尾根を左に外れる。
下りる場所を探すのに少し苦労したが、太い鋼線につかまりながら急斜面を下り、車道に出る。右に数10メートル行ったところが牧馬峠だった。

網フェンスの横を入って、石砂山への道に入る。最初は山腹をからむ道。牧馬峠への下りと同様に一般道ではないが、こちらの道は踏み跡もしっかりしていて、一般登山道といってもいいくらいだ。
この付近はカンアオイが多くあると聞くが、落ち葉に埋もれているのか、よくわからなかった。


紅葉のカーテン

石砂山頂上

落ち葉の499m峰

下山路は左

時々尾根筋に出るが、はっきりしている巻き道のほうを行く。ここも紅葉がまだかなり残っている。自分が今年見た樹林帯の紅葉としては、今日が一番の色づきかもしれない。
遅い時期の紅葉はモミジの赤が目立つようになるので、見栄えがいい。一般には紅葉と言えばやはり赤なのだが、山の紅葉は本来はブナやナラなどのオレンジや黄色が主役なのである。

前方に石砂山が見えてくる。ここからだとあまり高さは感じない。牧馬峠からの標高差はそれほどないのである。
しかし、鞍部に下りてから最後の直登は、今までなだらかだった反動もありかなり厳しい。息を整えつつ、ようやく稜線に出る。自然林の中を少し左に進むと石砂山頂上に着いた。

頂上には「ギフチョウ生息地」との説明板が立っている。石砂山はギフチョウで知られた山だ。早春から春の時期に、チョウに会いに来るのも楽しいかもしれない。なおギフチョウの幼虫の時期の食料がカンアオイだそうである。
ここ頂上からは、正面に丹沢の焼山・黍殻山が大きい。富士山はまた見えなくなってしまった。
なかなか居心地のいい場所だったが、団体さんが登ってきたので先に進むことにする。そういえば、今日初めて会った登山者だ。

石砂山の北尾根を下山コースとする。初めて訪れる山に、登りも下りも一般道でないコースを取るのは、自分の山登りの趣旨とは外れている。
やはり最初はオーソドックスに一般の登山道を使い2回目以降はちょっとひねって、というのがセオリーかと思う。今日は下山後にやまなみ温泉に入りたいので、北尾根を下ることにした。

伏馬田への下山路を分け、少しの登りで石砂山西峰に着く。ここから北尾根が始まる。いや、この道もけっこう歩かれているようで、踏み跡は拾いやすい。ヤブもなく尾根筋も明瞭なので余裕を持って歩ける。途中で展望が開け、石老山の堂々とした山体が望めた。

落ち葉フカフカの499m峰には、手書きの標識が掲げられていた。右は篠原、今日は左の川上方面へ進む。
415m峰にも同じ様な標識。山名板に「415m峰」とダイレクトに書かれているのも珍しい。ここには三等三角点があった。

415m峰からは、今までとは違い少しヤブがちで、踏み跡も入り乱れる。左に向きを変えたいのだがそのまま北方向に進むことになる。
暗い植林帯の先に、民家と畑が見えてきた。その手前に手書きの看板があり「私有地立入禁止、下山口は左50m」とある。
おそらく、畑を突っ切ってしまう登山者が後を絶たないのだろう。今日コピーして持ってきた新ハイキングの山行記録も、この畑を横切って下山したとある。畑の持ち主さんが困惑している様子が目に浮かぶ。下山口までのヤブの切り開き道も、その人が仕方なく草を刈って作ったのかもしれない。
左折してその道を進むと石段があり、そこがたしかに下山口になっていた。

車道を30分ほどでやまなみ温泉に着く。ここの源泉風呂はアルカリ性でなかなかいい。建物は今風で味気ないが、いい温泉である。まだ時間も早いので空いていた。
バスで山里の風景を眺めながら、藤野駅に戻る。


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