山の写真集 > 大菩薩 > 大蔵高丸
  • -トレース消えた平原の山-
  • 天目山温泉-湯ノ沢峠-大蔵高丸-ハマイバ丸
  • 大菩薩
  • 山梨県
  • 大蔵高丸(1781m)
  • 2015年2月15日(日)
  • 14.3km
  • 6時間45分
  • 786m(天目山温泉-大蔵高丸)
  • -
  • 天目山温泉
  • マイカー
天気1

 

2015年2月15日(日)
富ヶ谷IC 4:45
  首都高
中央自動車道
勝沼IC 6:05
  国道20号, 県道18号
6:25   天目山温泉 6:35
7:05   焼山沢林道ゲート
7:45   焼山沢登山口 7:55
8:50 湯ノ沢峠 9:00
10:00 大蔵高丸
10:45 ハマイバ丸手前
11:15   大蔵高丸 11:25
12:05   湯ノ沢峠 12:25
13:10   焼山沢登山口 13:20
13:55   焼山沢林道ゲート
14:20 天目山温泉 15:50
  県道18号, 国道20号
16:20 勝沼IC
  中央自動車道
17:50 高井戸IC

 

南大菩薩の山に足を運んだ。
以前雪の時期、焼山沢林道の途中まで車で上がって大蔵高丸の往復だけしていたが、今回は天目山温泉に車を停め、ハマイバ丸を越え米背負峠から温泉に戻ってきたい。問題はトレースがあるかどうかだが、前回の降雪から数日経っており、人気のコースでもあるので、大丈夫と踏んだ。


鹿除けの柵は積雪で扉が開かない。自分でロープをほどいて網を開ける

焼山沢登山口。堰堤沿いの道は土が出ているところもあった

雪は少ない

湯ノ沢峠避難小屋

避難小屋

湯ノ沢峠。桑西からのトレースもついていた

湯沢峠

湯ノ沢峠の草原から見る大蔵高丸

丸い山容

鹿除けの柵は、数年前まではなかったもの

鹿柵がいくつも

大蔵高丸山頂。この先の南側斜面の積雪量は少ないが、平原に出るとまた増えた

大蔵高丸山頂


天目山温泉を6時台に出発。ここはすでに標高1000m近く、車道には雪がまだかなり残っている。ただ車止めのゲートを過ぎたあたりでは、昨年1月に白谷ノ丸に登った際よりも雪は少ないように見えた。
空は大きな雲が早いスピードで流れている。稜線は風が強そうだ。

歩き始めて1時間と少し、ようやく焼山沢登山口に着く。アイゼンをつけて出発するが、登山道に入るまでの堰堤沿いの道では、土の出ている部分が多い。 登山道に入れば、雪は豊富であった。
ここは沢のすぐそばに登山道が伸びているので、この時期は氷結した沢を間近に見ることができる。深さや流れの強さによって氷の造形は様々な形状を帯び、一種の芸術作品のようになっている。ただ、まだ日が高くなく薄暗いので、写真には収めにくい。
沢から離れたと思うとまた近づいてを繰り返し、何箇所かで流れをまたぎながら緩やかに高度を上げていく。上のほうでゴー、ゴーとうなっているのは風の音ということがわかってきた。登るにつれてその音はどんどん大きくなってくる。

湯ノ沢峠に着く。ここの避難小屋を最初に見たのはもう16年前、その時に比べるとずいぶんと年季が入ってきた。上空は相変わらず雲がどんどん流れてきている。黒岳から大菩薩峠方面には青空がない。
大蔵高丸へ歩を進める。トレースはついているので、ある程度は歩かれているようだ。樹林帯を抜けると、鹿除けの柵が通せんぼをしていた。前回来た時はなかった。柵には扉があるが、雪が積もっているので開けることが出来ない。「積雪の時はロープをほどいて通って下さい」と書かれているが、最初はどこをどうするこかよくわからなかった。紐をほどく場所を見つけて網を開ける。そういう柵がいくつもあり、通過にはけっこうな時間がかかった。

その先、広々とした台地に出るとトレースが消え、ズボズボと踏み抜きの連続となった。膝下くらいの雪なので何とかなるが、予定外の体力消耗だ。風が強いため、こういう平坦地では人の歩いた足跡はすぐに雪で埋まってしまうのだろう。その証拠に、ある程度傾斜のあるところになるとくっきりとしたトレースが復活する。

大蔵高丸から富士山や大菩薩、御坂の山々を眺める

山梨県の山々

大蔵高丸とハマイバ丸との中間点付近。平坦な場所になるとトレースは雪で埋まっていた。
奥に見える鹿柵は金網となっており、ロープをほどいて開ける所はなかった

トレースは埋まる

焼山沢の氷の造形

焼山沢

多種多様な氷の造形ができていた

氷の造形

やまと天目山温泉は高アルカリの温泉。30度くらいの源泉ぬる湯がおすすめ

天目山温泉



斜面を登りきり再び平坦地に立つと、またしてもトレースが途絶える。膝くらいまでのラッセル状態となった。もしかしたらこれがハマイバ丸まで続くのだろうか。ワカンを持ってきていればちょうどいい雪原歩きになったのに、これは不覚だった。人気のコースゆえにトレースを当てにしていたのがまずかったようだ。

ラッセルと鹿柵に苦労しながらも、何とか大蔵高丸山頂に到達する。南側は青空であり。富士山は霞んでいるものの見える。一方南アルプスは雲の中だ。土日と晴れの天気が続く場合、眺めを楽しめるのはやはり土曜日であり、日曜になると晴れでも空気がよどんで、遠望が効かないことが多い。

山頂で一息つき、とにかく先に進む。しばらくは南に面した緩やかな下りで、雪は解け土が見えているところもある。これは予想はしていたが、先ほどの平原と比べえらい積雪量の違いだ。
樹林帯の尾根はトレースもはっきりあって歩きやすい。この山域の特徴であるスズダケも、雪をもろともせず高く伸びている。

しかしその先、再び深い雪となった。腰くらいまで潜るところもある。前方にハマイバ丸の山頂らしきものが見えてきたところで、鹿除けの柵が金網製となって立ちふさがった。さっきのように紐を解いて開けられる場所はない。
この金網、乗り越えていく人もいるようだが自分はここで引き返すことにした。目の前に見えるハマイバ丸山頂を越えて米背負峠経由のほうが早く下れるかもしれないが、ここまで予定時間をかなりオーバーしている上、これからもまだラッセルがありそうだ。見込み違いのあった山行では決して無理をしないことにしている。

大蔵高丸に登り返し、来た道を戻る。トレースのなかった部分は、今度は自分の足跡が残っている。それでも引き返しの行程もまたかなり手こずった。台風並みの強風によろめきながら湯ノ沢峠に戻る。
まあこういうこともあろう。この山域を2月に歩くにはワカンがあったほうがいい。次回への学習となった。

焼山沢沿いの道を下る。氷の造形は太陽の光を受け、きれいに輝いていた。写真を撮りながら登山口に下り立ち、そのまま林道を下る。天目山温泉へは14時過ぎの到着となった。
ここの温泉は日本でも有数の高アルカリ温泉で、ツルツルして香りもとてもよいお湯である。30度前半の源泉ぬる湯も気持ちよく、つい長湯になってしまう。そして何といっても混んでないのがいい。雪と風で冷え切った体をゆっくり癒して、東京に戻る。