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2010年3月28日(日) |
◇ |
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新宿駅 |
6:48 |
京王線 北野駅乗換え |
7:46 |
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高尾駅 |
8:01 |
中央線 |
8:25 |
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上野原駅 |
8:28 |
富士急山梨バス |
8:55 |
桜井 |
◇ |
9:18 |
桜井峠 |
9:22 |
9:42 |
469m峰 |
◇ |
10:07 |
金ピラ |
10:12 |
10:36 |
デン笠 |
◇ |
10:43 |
金山峠 |
◇ |
11:13 |
675m峰 |
◇ |
11:25 |
新大地峠 |
◇ |
11:47 |
千足峠 |
◇ |
12:00 |
高柄山 |
12:23 |
12:35 |
千足峠 |
◇ |
13:15 |
林道 |
◇ |
14:10 |
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四方津駅 |
◇ |
中央線 |
14:35 |
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高尾駅 |
14:41 |
京王線 北野駅乗換え |
15:35 |
新宿駅 |
◇ |
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金ピラ、デン笠と何となく昔っぽい印象のある名前の山である。
中央線沿線、前道志といわれるエリアで、主稜線には倉岳山、矢平山、高柄山といったハイキング対象の山が並んでいる。高柄山と矢平山の中間地点に大地峠があり、秋山村からこの大地峠に突き上げている短い尾根上に金ピラ、デン笠がある。
ヤブ尾根であるがネットでの山行報告も多く、よく踏まれているようだ。今年は雪の道はさんざん歩いたので、今日は雪なしの明るい尾根歩きをしたい。しかし強い寒気がやってきており、お日様のぬくもりはあまり期待できない。
デン笠山頂
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上野原駅に着くと、霧雨が降っていた。大雨にならないことを祈りつつ、無生野行きのバスに乗る。
この便に乗客は少ないが、飯尾行き、石楯尾神社行きのバスとも登山者で賑わっている。こんな天気なのに山へ繰り出す人は多いようだ。
バスは秋山村の細い車道に分け入っていく。静かな山村だ。桜の蕾はまだ固い。
奥牧野を過ぎて、桜井で下車。進行方向に少し歩き、酒屋のすぐ先の道に入る。民家の間をくねくねと曲がり歩き、道なりに進む。急な上り坂もあり、山に入る前から汗をかく。
両脇の土の斜面には、オオイヌノフグリやタチツボスミレが咲き始めている。
| 静かな山村 |
| 桜井峠 |
| 少しヤブあり |
| 車道に出る |
| 高柄山 |
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緩く登って切り通し状の場所に出たところが桜井峠である。獣除け用のフェンスの先には、直登道と左への巻き道がある。(なお、このフェンスの開け方には、コツがある。かんぬきは回すものという固定観念のある方は、なかなか開けられないだろう。)
どちらを行ってもいいとのことなので、巻き道に入ってみるが、いっこうに尾根に上がる気配がないので、引き返して正面の急坂を登る。短い距離だが、グズグズの斜面で難儀する。左右の地面に張られている土留め用の網に指をかけ、何とか体を引き上げる。
いったん斜度は緩む。左右に枝道が見えるがあくまで尾根筋を行くと、再び急登となる。ヤブも少しある。
いったん小さなピーク(469m)に上がり、右下の頼りない踏み跡を急降下。随所にテープがあるが、尾根筋を忠実に行くことで迷うことは防げるコースだ。やがて下草も減って歩きやすくなる。植林から雑木の割合が増えてもくる。ダンコウバイやアブラチャンが黄色い花を付け始めた。
左から道が合わさってきたが、これは桜井峠から歩きかけた巻き道がここまで続いていたのだろうか。
みたび傾斜は増し、正面にいくつか現れるコブを巻いていくと金ピラ山頂に着く。25000地形図では標高を記していないが、560m等高線の閉塞点となっている場所だ。
ヤマツツジの多い場所ということだが、この異例の寒さで、一つだけ咲いているのを見るにとどまった。
さらに尾根を行く。進行方向にデン笠と思われる山体が見えてきた頃、ちょっとした岩ピークに出る。
巻くことは出来ず、岩を乗り越えなければならない。右側から下れそうだが高度感があり、足を踏み外すと危険である。正面に立つ1本の木を手がかりに、狭いスペースに足を下ろし、無事「着地」できた。どんなに歩きやすい道でも、一般コースでなければ1つや2つ、こういうやっかいな場所は必ずある。
その後はまた穏やかな尾根歩きとなり、徐々に高度を上げていく。デン笠は尾根上の通過点という印象で、山名標識がなければ通り過ぎてしまいそうな場所だ。平坦な尾根をもう少し行くと、再びデン笠の標識があった。25000地形図では616mとの標高表示はあるものの、山名は記されていない。
デン笠から右に植林、左に自然林の尾根を、それほど高度を下げずに金山峠に到着する。ここは指導標の立つ十字路となっており、左は古福志、右は金山を示している。自分が歩いてきた方向を指導標は指し示していないので、高柄山へ登るコースとして、この峠道は整備されているのだろう。
| フサザクラ |
| ヨゴレネコノメ |
| 淡い芽吹きも |
| 千足集落 |
| アオイスミレ |
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金山峠からはたしかに、格段に道はよくなる。急登はあるが自然林の気持ちよい場所も多い。スミレもこの寒空の下、けなげに花をつけていた。右手に台形の形をした高柄山が見える。
高度を上げるほどに肌寒さが増す。いったん車道に上がると、道志山塊方面は分厚い雲に隠されていた。再び山道を登り急登する。着いた場所が大地展望台(新大地峠)。ここで今日初めて、登山者を見る。しかも大人数のグループだ。
展望台付近には、ニオイタチツボスミレがいくつか花をつけていた。
高柄山へはここから戻るように方向転換する。アップダウンの激しい道だ。中央線の南側の山稜で、高柄山は標高は低いが山懐は深く、沿線の山の中では一番険しい(険しいという言葉はこの山域に似つかわしくないが)。歩き応えのある山としてかえって好まれているのかもしれない。
自分としても高柄山は好きな山のひとつで、4月の山として著書にもこの山を載せてしまった。
いくつものコブを越え、千足峠を過ぎるとようやく高柄山への最後の登り。相前後して何人もの登山者がいる。
何とか登りきり、久しぶりの高柄山頂上に立つ。雨予報にもかかわらず、そこそこの眺めが得られる。
しかし頂上はまるで冷蔵庫に入ったようで、半端でなく寒い。今年の冬登った樹氷の北横岳(八ヶ岳)や三ツ峠よりも、雪深い鷹ノ巣山や景信山よりも、ここ高柄山のほうがずっと寒かった。食事もそこそこに、腰を上げる。のんびりしたい山頂なのにもったいないが、やって来た団体さんのためにスペースを譲ることにした。
千足峠まで戻り、今日はこの千足沢のコースを下ることにする。以前転落事故があり、しばらく通行禁止となっていたらしいが、その後整備され新しい指導標もついた。
初めこそ急傾斜のトラバースが続くものの、じきに穏やかな下りとなる。
沢音が聞こえ始めるころ、通行禁止の看板を見送り、折り返してのジグザグ下りになる。おそらく以前はこの看板の先が登山道になっていて、沢の上部を通過する所が危険だったのだろう。ここを迂回することで、千足沢コースは安全な登山路となったようだ。
沢沿いにはフサザクラの木が、雪か風の影響なのか、何本も倒れていた。今が花期であり、どれも赤い花を付けている。
登山道は林道に引き継がれ、さらに歩くと千足の集落に入る。古い造りの民家が点在し、ちょっと昔にタイムトリップしたような感じがする。道脇にアオイスミレを見る。
やがて山地を脱し、桂川にかかる橋を渡るとじきに中央線の鉄路が見えてきた。四方津駅までもう一息。寒い1日ではあったが、雨に降られずに山越えを楽しめた。シュンランを見ることができなかったのが心残りである。
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