~ヒメイワカガミと展望の尾根~ おおさわやま(1460m)・ほんじゃがまる(1630m) 2002.4.28.(日) 晴れ時々曇り 中央線笹子駅7:10-7:40稲村神社-8:20 899m峰-9:35大沢山(ヒメイワカガミ群生地往復)10:25-10:40女坂峠-10:50 1445m峰11:05-12:15清八山12:40-13:05本社ガ丸13:20-14:00鉄塔14:30-15:15船橋沢分岐-16:10林道-16;30笹子駅 歩行時間:7時間25分 |
2002年大型連休の第一弾は、中央線沿線の山に登った。 笹子駅と初狩駅を南側から囲むように、長い尾根が東西に伸びている。ヒメイワカガミの群落で密かに知られてる大沢山から、富士山の展望の素晴らしい清八山(せいはちやま)、本社ガ丸を目指す。 清八山、本社ガ丸は今年1月、積雪20cmほどの極寒の中を歩いている。素晴らしい展望と自然林の多い稜線が気に入り、ぜひ気候のいいときに再訪したいと思っていた。
6:15高尾駅で中央本線に乗換える。車窓から見る民家の軒先には、藤の花がきれいな色を付けている。天気もなんとか持ちそうだ。 笹子駅で下りる。少し寒い。車道に沿って西側に進む。「東京から107km」との標識のある熊野田橋を過ぎる。左側には今日登る山々が立ち並ぶ。どれが大沢山だろう。道脇の田んぼには水が張られている。 屋影橋で笹子川を渡り、「神経痛・ぢに効く」とある笹子鉱泉を右に見たところで、左の道に入る。すぐに稲村神社が目に入る。大沢山の取り付きは、この神社の境内の右手裏にある。 「大沢山登山口」の小さな看板に従い山道に入る。足元にはチゴユリが多く咲いている。 しばらくは片側が植林またはアカマツ、片側が落葉樹の道が続く。ほぼ尾根通しの道は、やがて急登となる。さっきまでうるさいくらいだった中央高速の車の音が、だんだんと遠くなっていく。
「西群馬幹線213号」との表示の鉄塔のある899mピークへ。なぜ群馬なのだろうか? あたりが開け、背後に笹子雁ガ腹摺山、お坊山が望める。 今日歩くところは随所に鉄塔がある。存在自体はうっとおしく気分を壊すものであるが、送電線の書かれている地図と照らし合わせれば、現在の場所が確認出来るので好都合でもある。 道は再び樹林帯となるが、これ以降は大方ブナ、カエデ、ミズナラなどの自然林が続く気持ちのよい道である。しかしこの一帯は、山梨リニア実験線の敷設地でもある。中央線沿線の山は、自然と文明が同居している奇妙な所である。 平坦なプロムナードが続いたかと思うと、急な登りに変わる。地図に示されている1059mピークは気づかず過ぎてしまった。大沢山への道はエアリアマップ(「高尾・陣馬」の裏面)にはものすごく細い点線で描かれている。 大きなブナの木を見つける。新緑のラインはここまで上がっている。まぶしいくらいの黄緑色の若葉をつけている。
高度を上げ、周囲の緑はまばらになる。岩っぽい所が目立ち始め、イワカガミの葉も時々見かける。夫婦の登山者を追い抜き、やがて大沢山山頂へ。雑木に囲まれた地味なピークである。富士山は木の間からきれいに見える。(富士山方向のみ伐採している様子) 登山者がもう一組。こちらは夫婦と子供連れである。やはりイワカガミ目当てらしい。昨年5月15日にも来て、その時は見事に満開だったそうだ。今年は他の花のペースが半月ほど早いので、今日あたり来てみたとのことである。 家族連れに10分ほど遅れて、自分も大沢山西斜面を下りにかかる。10分弱下って、岩のある所に着く。ヒメイワカガミの葉っぱが岩の付近一面にびっしり付いているが、花を付けているのはほんの2,3輪。拍子抜けである。 ためしにもう少し下ってみる。やはり、葉っぱが群生している場所はいくつかあるものの、花は付けていない。やはりちょっと時期が早過ぎたようである。今年の記録的な春の早さも、ここへ来てふだんのペースに戻りつつあるようだ。 山頂に登り返す。往復40分も費やしてしまった。 先ほど登ってきた道を少しだけ戻ると、右に薄い踏み跡が下っている。これが女坂峠を経て清八山に至る道だ。 しばらく下るとカラマツ(おそらく植林)を左に見る気持ち良い道となる。カラマツの芽吹きは案外早いようだ。
やがて御坂町と記された導標のある女坂峠に着く。峠といっても別に分かれ道があるわけではないようだ。あるいは自分には見分けのつかない細い道があるのだろうか。 女坂峠からゆるい登りを少し行くと、突如として崖のような急登。ここを手を使って登り(距離は短い)、しばらく行くと再びあたりが開ける。1445mピークでやはり鉄塔がある。展望は素晴らしい。本社ガ丸や清八山、三ツ峠山のアンテナ、雪冠だけの富士山、黒岳、釈迦ガ岳、滝子山、遠く奥秩父、大菩薩の山など勢揃いだ。だたし春霞みで南アルプスまでは見えない。 これから歩いて行く稜線が、円弧を描くように清八山に続いているのが、手に取るようにわかる。 カラマツの幼林を左に見て、眺めのよい稜線を進む。再びイワカガミの葉だけを見つける。 このあと、1531mピークを越える前後あたりは、本コース唯一の薮がちの道で荒れている。さらに進むと小ピークのところで思いがけず分岐となっている。コンパスを出す。東方向を示す左の道を下りて行く。
少しの登下降を経て、八丁峠からの一般登山道と合流する。とはいっても指導標などなく道もあまり立派なものではない。本当にここが合流点か疑ったが、左折して少し進むと道はすぐにはっきりしたものになった。 明るい稜線を進み、前方に見えていた大きなパラボラアンテナをを回り込むと、展望のすばらしい清八山である。あつらえたかのような2本の松の間に富士山が覗いている。大沢山や先ほどの1445mピークの鉄塔、稜線の形がよくわかる。 ここから先は一般の登山道、さっそく3,4組の登山者と挨拶する。 清八山から見る本社ガ丸は、漫画に出てくる火山のように、丸っこい3つのピークが並んでいる。 |