~雲海を抜け緑の稜線へ~
タイトル
だいぼさつれい(2037m)
2006年7月22日(土) 晴れ時々曇り

7:28塩山駅-[バス]-7:55大菩薩(裂石)登山口-8:25登山道入口-9:25上日川峠9:35-9:55福ちゃん荘-[唐松尾根]-10:50雷岩11:10-12:00大菩薩峠-12:20石丸峠12:45-13:50上日川峠13:55-14:42登山道入口-5:10裂石登山口-15:20大菩薩の湯17:13-17:40塩山駅 歩行時間:6時間25分

マップ
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高尾、大月あたりでは今にも降ってきそうな空模様。しかし笹子トンネルを出ると何と青空が見える。梅雨の時期や夏によくあるパターンだ。塩山駅からバスで裂石登山口へ。人は少ない。東京地方の天気予報で行動を決めていたら、自分もここには来ていなかっただろう。
大菩薩嶺稜線
大菩薩嶺稜線 [拡大]

山道に入り、山梨の森百選に選ばれているブナ林にさしかかる頃にはガスが出てきた。樹林を透かして見下ろす眺めは真っ白だ。しかも、先週の雲取山に引き続き湿気でジメジメした感触。腕や首に小虫がまとわりついている錯覚にとらわれる。
しかし頭上に目をやると、鉛色の空から太陽の光が漏れて来ている。ガスは薄そうだ。高度を上げると青空の下に出れるかもしれないと思う。

上日川峠に着くと、やはりガスが途切れ、気持ちの良い青空が覗いている。今日はある程度好天の下での山登りが出来そうだ。こういうのは実に久しぶりで、5月の新潟以来である。
福ちゃん荘前からは大菩薩嶺の緑の稜線が見上げられる。

唐松尾根に入る。カラマツからシラベなどの針葉樹林に移行し、やがて潅木帯~笹原の中の登りとなる。背後に富士山が現れる。
花は本当に少なくなった。ノアザミ、コウリンカなどはまだ早いのか、全く見られない。シモツケ、オニシモツケ、キンバイソウ、ヨツバヒヨドリ、オカトラノオなど。高度を上げるとウスユキソウも見られるようになる。ヤナギランは完全に姿を消した。やはり鹿の食害が原因なのであろうか。

石丸峠にて
石丸峠から熊沢山 [拡大]

甲府盆地側は雲海の下。どうやら今日は上日川峠のある標高1500mあたりを境にして、雲海が上と下を完全に分けているようだ。下界は曇りなれど山の上は青空という、登山者あこがれのパターンである。
雷岩(2008m)に登りつく。登山者もかなり増えてきた。黒々とした富士山が雲を割って大きな姿を見せている。本当に久しぶりのいい天気の山頂。厳密にはここが山頂ではないのだが、今日も例によって大菩薩嶺頂上には行かず、ここ雷岩を最高点とする。

大菩薩峠に向け稜線を進む。鮮やかな緑の絨毯は夏色そのもの。花も数は少ないが、どの種もせいいっぱい咲いている。
何十人もの登山者とすれ違いつつ大菩薩峠へ下る。ボーイスカウトの子どもの団体がいた。
お昼時なのに介山荘はひっそりとしている。今年は長梅雨の影響で、山小屋はどこも営業不振と聞く。

今日はここで下山はせず、まだ歩く。小菅道も考えたが、林道歩きが長いので石丸峠へ向かう。
熊沢山を越え、草付の斜面を下ると広々とした石丸峠である。ガスや雲の流れるスピードが速く、青空の見える位置も刻一刻と変わっていく。
暑い日差しが緑の草原を照らす。梅雨明けももう少し。今日は久々に6時間を超える歩きとなりそうだ。夏山に向けての、体力の維持増進に少しでもつながるだろうか。

カラマツの林を抜け、車道を2回渡って沢筋に下る。水量が多く、飛び石伝いに渡るのが少し難しい状況だ。壊れた木の橋を伝って沢を渡るが、ちょっと緊張する。
釣りをしている人に「写真ですか?」と声をかけられる。

やや登り返して、上日川峠に戻る。あとは登山口まで来た道を戻る。朝と同じ様にここからはガスの中になった。
裂石登山口を通り過ぎて大菩薩の湯に行く。空いているのでゆっくりお湯につかる。源泉が冷たくて気持ちいい。
2006年夏山編は今日そのスタートを切ったようである。


大菩薩峠

石丸峠

カラマツ林


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