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2010年5月3日(月)前夜発
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◇ |
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調布IC |
16:50 |
中央自動車道 諏訪湖SA泊 長野自動車道 |
5:10 |
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松本IC |
◇ |
国道158号 |
6:00 |
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沢渡石見平 |
6:24 |
シャトルバス |
6:55 |
上高地 |
7:15 |
8:02 |
明神 |
8:12 |
8:55 |
徳沢 |
9:05 |
9:55 |
横尾 |
10:10 |
11:35 |
展望台 |
11:40 |
13:10 |
森林限界 |
13:15 |
13:30 |
横尾分岐 |
◇ |
13:50 |
蝶槍 |
14:05 |
14:20 |
横尾分岐 |
14:30 |
15:00 |
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瞑想ノ丘 |
◇ |
15:05 |
蝶ヶ岳ヒュッテ |
(泊) |
2010年5月4日(火)
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◇ |
蝶ヶ岳ヒュッテ |
6:40 |
7:40 |
長塀山 |
◇ |
8:55 |
中台 |
◇ |
9:47 |
徳沢 |
10:12 |
11:00 |
明神 |
11:15 |
12:05 |
河童橋 |
◇ |
12:10 |
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上高地 |
12:35 |
シャトルバス |
13:00 |
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沢渡石見平 |
◇ |
国道158号 沢渡温泉立寄り 道の駅風穴の里立寄り |
19:45 |
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松本IC |
◇ |
長野自動車道 中央自動車道 |
3:00 |
高井戸IC |
◇ |
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今年のゴールデンウィークは、兼ねてから一度登ってみたかった春の北アルプスとした。
低い山はそろそろ新緑に模様替えする時期だが、日本の屋根を形成する高峰群はまだまだ白い。目指すは春山で比較的登りやすいと言われる蝶ヶ岳だ。
昨年初めにせっかく購入したピッケルを、今年は今まで一度も使う機会がなかった。蝶ヶ岳ならダブルストックでも登れないことはないそうだが、今年は雪が硬いということなので念のため持っていく。アイゼンは必携で、前爪のある10本爪を持参する。
横尾分岐から見上げる前穂高岳
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高速は混雑するので、前夜発とした。渋滞に巻き込まれることはなかったが、岡谷JCT付近で火災事故が発生。通行止めになってしまったので、諏訪湖SAで事実上足止め状態となり、ここで前泊することとなる。
今日のうちに高速を下り、国道158号の道の駅「風穴の里」まで行っておきたかったのだが、仕方がない。
| 河童橋から |
| ケショウヤナギ |
| 河原を歩く |
| 横尾 |
| 登山口から雪道 |
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翌朝、松本ICから国道158号へ。なじみの新島々駅を過ぎる。車で北アルプスに来るのは初めてだ。
ダムを見て山深く分け入って、これもまた覚えのある沢渡(さわんど)石見平の駐車場。前に友達の車で来たとき、ここに停めた。もう10年以上前だ。このときからすでに、上高地はマイカー乗り入れが規制され、登山者は沢渡で車を置いていくことになっていた。
シャトルバスで上高地に入る。回りは残雪輝く北アルプスの峰々。
まだ朝早いので人はまばら・・・と思っていたが、意外と混んでいる。だたし夏山のときほどではない。河童橋でケショウヤナギ越しに穂高連峰を見上げる。澄み切った青空を期待していたが、薄雲が空全体を覆い、白っぽい眺めなのが残念。しかし徐々に青い部分が見えてきている。
ケショウヤナギ以外はまだ冬木立の林を歩く。ただカツラだろうか、枝先は芽吹きの準備で赤味を帯びてきている。
足元には花はなく、フキノトウが顔を出しているのみ。ゴールデンウィークの上高地、花や木しか目がいかなければ、季節の進み具合を感じ取ることはなかなか難しい。しかし眼前に聳え立つ明神岳などはずいぶん黒い部分が見え、その分残雪とのコントラストが鮮やかだ。
山肌の雪の溶け具合と、ウグイスなど野鳥のさえずりが春の上高地を演出している。
明神、徳沢と進む。遊歩道にも残雪が目立ち始め、徳沢から先は一部、残雪の多い歩道を避けて、河原に下りたところに道が出来ている。川沿いは常念山脈などの眺めがいいが、日差しを遮るものがなく暑い。
いつしか空は青々としてきて、気温もうなぎ上りのようだ。右手の見上げるところに白いまだらの稜線が覗く。今から登る蝶ヶ岳付近かもしれない。しかしすごく高いところにある。
行き交う人は登山者と観光客で半々といったところか。これから山に登る人は服装や靴ですぐわかるが、軽装の人でもかなり頑丈なザックを背負っていたりもする。
横尾に来るともう登山者の世界。鯉のぼりが気持ちよく泳ぎ、青空を割るように穂高が天高く聳え立っている。
「さああとは歩いて戻るだけだね」涸沢か蝶ヶ岳だろうか、もう下りて来た人がのんびりと休憩している。うらやましい思いもある。自分も明日の今頃、同じような気持ちになっているだろう。
| 急登が続く |
| 森林限界 |
| 穂高大パノラマ |
| 横尾分岐 |
| 槍ヶ岳 |
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槍ヶ岳方面に少し進むと、すぐ右に蝶ヶ岳登山口がある。初めこそ土の上を登るが、1分もしないうちに雪道となった。しかも登れば登るほど傾斜は増し、足運びが大変になってきた。雪はまだ緩いがアイゼンを履く。
登っても登っても雪の急斜面が続く。樹林帯の中とは言え、足を滑らせたらずっと下まで滑落してしまいそうだ。アイゼンを早めにつけておいてよかった。
取り付き口からもう1時間以上、同じような斜面を登っている。やっぱり北アルプスの山はひとつひとつが大きい。
50分くらいで着くという槍見台はまだだろうか、時間を考えると、すでに気づかずに過ぎてしまったかもしれない。前を行く人に聞いてみたら、槍見台というポイントを知らなかったようだ。市販の地図には槍見台を書いていないものもある。
1時間20分後、少し眺めが開ける場所に出て、初めて槍ヶ岳が望めた。ここが槍見台なのだろうか。雪道とは言えコースタイムを30分オーバーしているので、別の場所なのかもしれない。
蝶ヶ岳まではここから3時間弱。これは大変な山登りになりそうだ。もう少し早く登り始めればよかったかもしれない。
自分のほかに、登る人はさっきの一人しか見かけない。おそらくほとんどの人はもっと早い時間に登ってしまったのだろう。
再び眺めのない道に戻り、急登は続く。下りて来る人と何人も出会う。雪の腐った急勾配の場所は、やはり下山者のほうがより苦労しているようだが、登りは登りで大変で、気を抜けない。
とにかく一歩一歩滑らないように、着実に足を置いて前進しなければならないので、緊張度が持続する。樹間から時折覗く長塀尾根はまだ遠く、上部の白い稜線は無常の高さで横たわっている。
登っても登っても、目の上は樹林帯の急斜面。
ようやく斜度が緩む。雪が深くなり、気温もだいぶ下がってきた。右手に回り込むように進むところで、ピッケルからストックに持ち替える。再び急登となるが右のほうに明るい光が目立つようになる。大きな青空が覗くと森林限界に飛び出した。今までの深い樹林帯からすると、唐突である。
青と白で仕切られた稜線目指して登る。振り返ると、今まで潜っていた樹林の上に槍・穂高連峰が大きい。蝶ヶ岳に登ればお約束の眺めである。しかも今日は白銀に輝く姿で出迎えてくれた。
稜線の横尾分岐まですぐだった。四囲の眺望はさらに雄大。槍ヶ岳奥には裏銀座の山々、まだ日の照る側には乗鞍、木曽御嶽も端正な姿を見せていた。
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