~山上湿原と13kmのブナ林縦走~ とらげやま(1433m)、たかまつだけ(1348m) 2004年7月3日~4日
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●ブナ原生林の縦走路へ 天気予報は晴れ夜曇りだったのに、翌朝は濃いガスで何も見えない。 小屋を後にし、1234mピークの分岐点まで下るとガスから抜け出す。しかし展望は得られず。 いよいよブナ原生林の縦走路に入る。高松岳まで4時間強の道のり。エスケープルートはない。朝が早く熊の出現を恐れる。タクシーの運転手も言っていた。 ラジオとカウベルを鳴らしながら進む。ラジオは感度が悪く音が小さいので、自分以外に誰か(何か)がいても聞こえていないだろうなと不安になる。 縦走路は1000m前後の標高がずっと続いているのだが若干の上り下りがある。 ちょっと眺めのあるところに出るたびに、遠望が効くようになってくる。天気はよい方向に向かってはいるのだが回復は遅く、太陽の下での山行は今日は無理っぽい。 それでも、東側が切れ落ちたガレ場にさしかかるあたりから、雲の下に虎毛山や高松岳が見え出す。
何度も鬱蒼としたブナ樹林帯に飛び込む。どこを見てもブナ、ブナ、ブナで他の樹木を見つけるのが難しいくらい。 踏み跡ははっきりしており普通の登山道と変わらないがまだ踏み固められていなくて柔らかい。
足元にはギンリョウソウが多い。ピンク色のは咲き始めなのか、それとも他の植物なのか。カラマツソウ、オサバグサも少し見かける。今回は白い花ばかり目に付く。サンカヨウは青い実をつけている。
分岐からすでに3時間。水不足気味。高松岳からは山伏岳を回る予定だったが、水場のある小安岳方面に下ることに気持ちが動く。 この縦走路は地形的な変化が乏しく、今地図上でどのへんにいるのかがわかりにくい。この先、道が若干西に折れ高度を落とすあたりで、地図と照合することが出来て現在位置がようやくはっきりしてきた。 遠目から高松岳頂上の標柱がわかる位置まで来ると、ブナ林を抜けはっきりした登りに。斜度50度くらいあろうか、これは突然の急登。背後に展望がどんどん広がりそれほどつらさは感じない。 道が草で覆い隠されるようになる。ニッコウキスゲ、オオバギボウシ。にわかに高山帯の様相を呈する。 |