~山上湿原と13kmのブナ林縦走~ とらげやま(1433m)、たかまつだけ(1348m) 2004年7月3日~4日
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●のびやかな山上湿原に憩う 樹高が低くなり、1234mピークで稜線に上がる。高松岳への縦走路を分け右折する。少し進むと展望が広がる。虎毛山の丸いピークがきれいだ。 外傾の道はネマガリダケが残り歩きにくい。花は足元にマイヅルソウが見られる程度だ。 笹と潅木が目立つようになり、シャクナゲも現れる。直線状の木道に上がり、正面に避難小屋の屋根が見えてからが結構長い。背後に神室連峰の姿がせり上がってきている。
避難小屋に荷物を置き、虎毛山頂上の湿原に行ってみる。花はほぼ終わっていた。 ワタスゲ果穂、イワイチョウ、シロバナニガナ、サラサドウダンらがわずかに残る。コバイケイソウも少し。チングルマは綿毛のみ。数を見るとチングルマの開花期(おそらく5月下旬~6月中旬)は素晴らしい湿原を目の当たりに出来そう。今年は雪解けが早かったのだろう。 池塘は写真で見ていた印象よりかなり小さい。「大きな水たまり」といったほうが近いかもしれない。木道は東方100mほどで切れているので先へは進めないのだが、緩やかな傾斜地が遠くまで続いていて、この先には何があるのだろうと興味が湧いてしまう。 それにしても、どこまでも開放的で気持ちのよい草原だ。小屋泊用のマットを持ち出し木道の上に敷き、青空の下しばらく昼寝をする。 展望もよく、栗駒山・神室連峰・高松岳の眺めが素晴らしい。 避難小屋は20名ほど泊まれ、自炊用の簡易テーブルやトイレもあってきれいだが小虫が多い。また池塘から水を汲むのには木道から降りなければならない〈季節によって違うかもしれない)ので、やはりここでの水の調達は現実的でない。残雪期でなければ下から汲み上げるべきであろう。 タクシーに同乗した人も登って来た。今日は土曜日であるにもかかわらず、宿泊者は2名のみだった。やはり花期が終わっていたことを皆は知っていたのだろうか。 夕方になると雲が増えてきた。小屋の窓から、残雪まだ豊かな鳥海山の姿を見る。 同宿者と東北や北アルプスの縦走路の話をしながら寝る。夜半は強い風が吹き荒れていた。 |