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2011年6月19日(日) 前夜発
| ◇ | | 目黒IC | 18:30 |
| 首都高速、東北自動車道 矢板北PA泊 |
◇ | | 西那須野塩原IC | 4:55 |
| 国道400号、121号 針生経由 |
7:35 | | 羽塩登山口 | 7:50 |
8:10 | | 平滑沢取付点 | ◇ |
9:00 | | 尾根道出合 | 9:05 |
9:45 | | 七ヶ岳 | ◇ |
9:50 | | 二番岳 | 10:25 |
10:40 | | 三番岳 | 10:45 |
11:10 | | 七ヶ岳 | 11:25 |
12:00 | | 平滑沢出合 (尾根道出合) | 12:05 |
12:50 | | 平滑沢取付点 | ◇ |
13:10 | | 羽塩登山口 | 13:20 |
| 国道121号、400号 華の湯立寄り |
16:05 | | 西那須野塩原IC | ◇ |
| 東北自動車道、首都高速 |
19:00 | | 目黒IC | ◇ |
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南会津の七ヶ岳にようやく登れた。たかつえスキー場から登ってしまえば初心者ハイキング程度の簡単な山なのだが、この山はやはり沢を歩いて登りたい。
長年課題の山になっていて、今まで登れなかったのは、自分に沢歩きの技術がなかったからだ。でも今回、特に習ったわけではない。とにかく行くだけ行ってみようと思った。
七ヶ岳はいくつかのピークで構成されており、全ての峰をつないで歩く稜線縦走コースは展望にも優れているというので、これはぜひ歩いてみたい。となると、車で行く場合は黒森沢コースを登っての周回コースになる。同じ沢歩きでも、こちらはワンランク上のようだ。
羽塩登山口から登る平滑沢コースのほうが距離も短いし、自分にも歩けそうに思う。ブナ林もあると言う。ただそちらは、縦走したあと登山口に戻るのが大変だ。
平滑沢を登る
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とりあえず黒森沢登山口に行くことにする。西那須野塩原インターで下り、塩原温泉街を通って福島県に入る。まだひっそりとしている道の駅たじまで休憩する。
国道をぐるりと回って、289号から七ヶ岳林道に入る、と最初からぬかるみのデコボコ道。道の中央が盛り上がっていて車の底をこする。一昨年の二岐山を思い出した。しばらく我慢して走ったが、三分の一くらいでもう限界。Uターンすることにした。
| 羽塩登山口 |
| シラカバ |
| 上部は急になる |
| ブナ林が始まる |
| 山頂から |
| 縦走路が伸びる |
| ベニサラサドウダン |
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反対側の羽塩登山口へはかなりの距離があるが、まだ時間が早いのでよかった。あちらは登山口までずっと舗装道路だそうだ。
天気は思った以上に悪く七ヶ岳の山頂部は雲で隠れているのが気になるが、少し山に入ると逆に日差しも見えるようになる。羽塩登山口へは難なく到着できた。
登山口と、中山峠側に少し入ったところにそれぞれ数台、駐車している。軽トラも停まっている。
タニウツギの咲く登山口から歩き出すと傾斜のない林間の一本道が始まる。シラカバがとりわけきれいだ。
ぬかるみが多くなるとまず小さな沢をまたぐ。その後登山道は水の流れに沿うようになる。しばらくは土の上を歩く部分もあるが、やがて道は沢に埋没する。
それでもあきらめ悪く両端の土を歩こうとしようものなら、ついには進退極まり、戻ることもできなくなってしまう。水の上に移るタイミングと決断が大事だ。
やや傾斜のあるナメ状となる。ロープにつかまりながら前進する。ここは下りの時も同じ姿勢、同じ格好で通過することになりそうだ。
水量は靴底を濡らす程度で、よほどのことがなければズボッといってしまうこともなさそう。 ただし足を置いたところが苔の上だと間違いなく滑る。苔があるかどうかは上からはわかりづらい所もあり、そのへんはある程度ヤマ勘で歩くしかない。
ところどころ、どこを歩いていいのかわからなくなるが、そういう時はリボンが目印になる。沢を離れて土につけられた踏み跡に導かれるところもある。
もう1本のロープを伝ってさらにナメを渡っていくと、次第に傾斜が増してくる。水量が若干減ってきて、ごくふつうの沢状になる。数名の人が沢の真ん中で休んでいた。「沢はあとどれくらいですかねぇ」と聞くと、「まだまだ、この辺で半分だよ」と言う。
さらに進むと、そのすぐ先で沢は終わり、左手にあるブナの巨木の脇に山道が通っていた(尾根道出合)。どうやらいっぱいかつがれたようだ。
笑いながらさっきの人たちも登ってきた。一人はチェーンソーを手にしている。聞くと、来週の山開きのために登山道の整備をしているとのことだ。登山口に停まっていた軽トラはこの方たちのだろう。会津の山はこの6月から7月にかけて、どんどん山開きが行われていくようである。
北の山は、山開きの前に登ると登山道はヤブがかかっていて難儀することもある。この七ヶ岳はここまで、それほど大変なところはなかったのも、この方たちが歩きやすくしてくれていたのかもしれない。
ただ、ここから先は自分が先行するので、登山道の状態が少し気になる。
七ヶ岳羽塩コースは沢歩きのあと、ここから先が実は難路であった。はじめこそブナの大木が立ち並び壮観だが、この先道は細くなる上に急登の連続となる。
| 一等三角点 |
| 会津駒 |
| オオバキスミレ |
| 下りは滑りやすい |
| タニウツギ |
| 道の駅へ |
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大きなギャップやロープのかかった岩場を何とか越えると、花の終わったシャクナゲや潅木が行く手を阻む。可憐なイワカガミにの花に慰められ、何箇所か眺めが開ける箇所があるが足元は不安定。急斜面に無理やり作った登山道という気がする。
しかしその難路も距離にして500m程度。じきに大きくあたりが大きく開け、突然に賽の河原に飛び出す。
全方位展望の地で、西にはたかつえスキー場の先に、雪山が見える。会津駒と燧ヶ岳のようだ。足元にはキスミレがたくさん咲いている。少し上がると七ヶ岳頂上に着いた。
頂上から先にいくつものピークが立ち並んでいて、それぞれが闊達な稜線で結ばれている。正面の特徴的なピークは1558m峰であろう。
最後まで縦走できないまでも、少し足を伸ばしてみる。2番めのピークはほんの一投足。ここも眺めがよく七ヶ岳本峰はもちろん、歩いてきた側の山の斜面がよく見下ろせる。この方向には高原山や日留賀岳などの塩原の山が見えるはずなのだが、雲の中のようだ。今日は思ったほど天候は回復してこない。
ベニサラサドウダンの多く咲く稜線を少し下り、すぐに登り返すと3番めの縦長のピークに出る。眼前に迫る1558mピークにまで行ってみたいが、下山のこともあるのでこのあたりでUターンとする。
七ヶ岳に引き返す途中、縦走する人と何人も会う。山開き整備の人たちは来なかったので、山頂往復だったのだろう。七ヶ岳に戻り、賽の河原の展望地で休憩する。花はキスミレが多いが、他にはコイワカガミが見られるくらいで、東北の山にしては見られる花はそう多くない。たかつえスキー場から登って来る人も多い。
同じ道を下山する。登りのきつかった樹林帯は、下りはそれほどでもなかった。けれど道の細いところでは足元に要注意だ。
いよいよ平滑沢の下りとなる。やはり下りは滑りやすく、登りと違う難しさがある。ロープのかかった斜面は、登りのときと同じように山側に体を向け、ロープにつかまりながら後ろ向きに下っていく。
バランスを崩したことは何度かあったが、しりもちすることは一度もなく、無事に下ることが出来た。
あとはシラカバの林をのんびりと歩き、羽塩登山口に戻ってくる。充実した、いい登山だった。
6月はここ数年、唐松山・権現堂山、未丈ヶ岳、和賀岳・真昼岳などの新潟や東北の山に登るのがメインイベントになっている。土の臭いを感じながら、無心になって登れるいい山がこの地にはたくさんある。この七ヶ岳も同じように、印象に残る楽しい山となった。
道の駅たじまで山菜そばを食し、キノコと米を買っていく。青空と白い雲の眩しい中、緑の山々に囲まれた自然豊かな道の駅だ。行楽客もいたが、大いに賑わっているという感じでもない。
会津は登山の対象としてだけでなく、もっと多くの一般の人に親しまれてもいい所である。
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