山の写真集(矢倉岳)
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  • -古道を歩いて富士の大観を-
  • 地蔵堂-足柄峠-万葉公園-矢倉岳
  • 箱根
  • 神奈川県
  • 矢倉岳(870m)
  • 2014年11月15日(土)
  • 8.6km
  • 3時間25分
  • 457m(地蔵堂-矢倉岳)
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  • マイカー
天気1

 

2014年11月15日(土)
東京IC 5:50
  東名高速道
大井松田IC 6:40
  県道78号
7:05   地蔵堂 7:10
7:30   登山道入口
8:05 足柄峠 8:20
8:30 足柄明神 8:35
8:40   足柄万葉公園
9:10   送電線
9:25   山伏平(清水越え)
9:45 矢倉岳 10:25
10:40 山伏平
11:17   矢倉沢分岐
11:35 地蔵堂 11:45
  県道78号
大井松田IC 12:20
  東名高速道
東京IC 13:05

 

普段は奥多摩や秩父のほか、北関東や新潟など東京からみて北にある山に登ることが多いので、たまにはあまり行かない南の山にも行ってみたい。
今まで700回を数える山行の中で、箱根の山はたった2回きりだった。前回は実に13年も前の金時山である。


石畳の足柄古道

地蔵堂下の駐車場からは、矢倉岳の丸い山容がよく見える

地蔵堂から

県道を登っていくと足柄古道が分岐している

足柄古道

足柄峠の城跡からは、富士山と御殿場市が広く望める。左奥に愛鷹連峰もよく見える

足柄峠

足柄城跡はゆるやかな段差のある芝生地となっている

段差あり

足柄峠付近は紅葉の始まり

少しだけ紅葉

足柄明神の茅の輪をくぐる。奥武蔵の竹寺にも同じようなものがある

茅の輪をくぐる

足柄明神から見る矢倉岳は端正な形

形よい山


今日登る矢倉岳は、箱根の山と言っても北側の住宅地に近い場所にあるので、アプローチはたやすい。久しぶりに東名高速を使って、家から登山口の地蔵堂までは2時間もかからなかった。いつも新潟の山など4時間以上かけていたりしたのでいささか拍子抜けである。
まだ朝早いので駐車場も空いている。丸いお椀を伏せたような山、矢倉岳がすでによく見える。地蔵堂の小さな社の横の細い坂道を上がる。

県道を挟んで、斜面に貼りつく小さな茶畑を見ながら緩く登っていく。その県道に合流し、しばらく進むと登山道入口がある。標識に「足柄古道」と書かれていた。
足柄は童話の金太郎が有名だが、他にも古くからの逸話や史跡がたくさん残されている。この石畳の足柄古道も、箱根越えの官道として多くの旅人に利用されたそうだ。1200年以上前の奈良時代から歩かれていて、富士山の噴火も経験したという、実に長い歴史を刻んできたということになる。
石畳の道とはいえ、舗装された県道から山道に入るとほっとするが、すぐにまた県道を横断する。しばらくは県道を絡みながら足柄古道は高度を上げていく。
みたび県道に出たところには展望台バス停があった。地蔵堂から足柄峠までのバスである。朝早いのでまだバスの来る気配はないが、峠へ上がる車は時々思い出したように通り過ぎていく。自分以外に古道を歩く人を全く見かけないのは、まだ時間が早いからだろうか。いずれにしても静かな晩秋の峠道である。

石畳の道に戻り、「源頼光の腰掛石」を見ると道は二手に分かれる。左折してしばらくすると車道に出た。足柄峠と万葉公園を結ぶ稜線であり、とたんに人や車の行き来が多くなる。
足柄関跡や聖天堂を見て少し進むと足柄峠に着いた。峠の先は静岡県である。階段をひと登りした高台が草地の足柄城跡で、御殿場市街地を前景に富士山が大きく望めた。金時山や明神岳、さらに愛鷹連峰もよく見え、なかなかすばらしい展望台である。
下から登ってこなくても車で来れてしまうので、普段着の人も眺めを楽しんでいる。この草地にはところどころに段差や窪みが出来ている。敵の進入を遅らせる土塁跡であろう。

車道の上にかかった橋を渡り反対側の尾根道を歩く。色づいたモミジを見るが、全体的に紅葉にはまだ少し早い。さっき登ってきた場所を過ぎて少し行くと、足柄明神の入口があったので入ってみる。
奥武蔵の竹岳で見たような「茅の輪」をくぐると簡素な社があった。先ほどの分岐を右折するとここに着くようだ。社の前には大町市から寄贈されたというオオヤマザクラが植えられている。北アルプス山麓の大町市だろうか。
ここからは矢倉岳の眺めも良く、丸い山体の背後に南関東の広大な平野が見下ろせた。

明神から、足柄万葉公園へはすぐだった。バス停の横の駐車場には車が何台も停まっている。モミジの紅葉を前景に富士山が見られた。
細長い万葉公園の草地の下のほうに登山道はつけられている。広葉樹が多く春先はよさそうなところだ。先に進むと、山中湖の三国山稜あたりでおなじみの、賑やかな指導標があった。駿河小山に下りる登山道が分岐している、と登山道の説明が懇切丁寧に書かれていたり、この先に「へんてこ道しるべあり」などとある。

足利万葉公園に立つ賑やかな指導標。[さらに拡大] [へんてこ道しるべ]

楽しい指導標

万葉公園から先はしばらく檜林の中となる

薄暗い檜林

矢倉岳山頂に近づくにつれ、視界はどんどん開けてくる

みるみる開ける

矢倉岳山頂からは富士山が大きい

富士山が大きい

矢倉岳山頂から、ススキ越しに金時山(右)と箱根山(神山・中央)を望む

金時山、箱根山

茶畑に下り立ち、県道を渡ると地蔵堂に着く

茶畑が下山地


気持ちのよい広葉樹下の道はやがて終わり、薄暗い檜林の中に入っていく。地蔵堂からのもう1本の道、万葉ハイキングコースが合わさってきた。檜林下の緩やかな下りの道がしばらく続く。
箱根の山は火山の神山を中心に何重かの外輪山で成り立っており、足柄峠から矢倉岳に続く尾根道もすっきりしたいい形状をしているのだが、多くの部分が檜林なのが玉にキズである。

その後、いったん送電鉄塔の下に出て矢倉岳が大きく見えたがすぐにまた檜林の中へ。そのしばらく先で登山道は登りに転じる。矢倉沢への下山道との分岐、さらに洒水の滝への道を分けるあたりが山伏平、あるいは清水越えというところらしい。ようやく檜林から開放されると、今日初めてと言えるきつい登りとなった。
行き交う登山者も増える。自分と同じくらいか、少し年下の夫婦連れが多い。また、小さい子どもを連れた3人家族も。矢倉岳の登山道は危険なところも全くと言っていいほどなく、格好のファミリー向けコースを提供している。
頭上はどんどん開け、やがてススキと笹の茂る明るい道となった。振り向くと木の間から富士山や丹沢方面の山も覗いていた。太陽のまぶしさを久しぶりに感じると、待望の矢倉岳山頂である。

カヤトとススキの山頂からはもちろん、富士山が秀麗な姿を見せている。見える角度は足柄峠からとあまり変わらないが、標高が100m高いだけでも見え方はずいぶん違う。さらに目の前には金時山、明神岳、そして噴煙をあげる大涌谷と神山(箱根山)が大きい。箱根の主峰である神山は未踏だが、稜線にはブナなど自然も豊かだと言うので近いうちに登ってみたい。
北面は樹林があり、すぐ近くにあるはずの丹沢の稜線が見えないのは残念であるが、そこまで求めるのは贅沢であろう。
登頂したときはひとりだけだったが、その後何人も登ってきて、賑わう山頂になった。

下山は山伏平まで戻り、矢倉沢への下降路を歩く。檜林が続き単調だが、途中で樹林が切れて、送電線越しに紅葉色の万葉公園方面が見えた。
この登山道は送電鉄塔の基部に何度も立つコースとなっている。偶然だろうか、小さい子どもと父親の2人連れに連続して出会う。初めて登った山が矢倉岳、という思い出を持って育つ子も多いのだろう。

やがて道は二手に分かれる(矢倉沢分岐)。左は矢倉沢への道、ここは右折しすぐ下の小沢に下りる。橋はなく、丸太が横倒しになっているだけだ。飛び石伝いに越えると、急な登り返しとなる。路肩が弱いのでスリップに注意が必要だ。どうやら地蔵堂へは、この尾根を乗り越さないとならないらしい。最後の最後になって、にわかに登山道が険しくなった。
登りきるとそこは万葉ハイキングコースとの合流点、そのすぐ先で茶畑の横に出た。朝、車道から見ていた茶畑だった。なるほど、ここに出てくるのか。箱庭的な面白い周回コースであった。

県道にいったん下ってから、うどんやの横を通って地蔵堂に戻る。まだ正午前の、早い下山となった。見上げるとまだ青空いっぱいで、矢倉岳の山頂部の草地もくっきり見えている。早く下山してしまいちょっともったいなかった気もするが、こういう軽い歩きもたまにはいいだろう。久しぶりに長い時間富士山を見ることのできた1日だった。
寄り道はせずに東京に戻る。まだ日のあるうちの帰宅となった。