~緑に染まる広葉樹の山稜~
タイトル

しゃかがたけ(1641m)からおおとちやま(1415m)
2008年6月7日(土) 曇り一時晴れ
調布IC-[中央高速道]-一宮御坂IC-[国道137号、檜峯林道]-7:30檜峯神社7:45-8:25稜線-8:50上芦川分岐-9:10釈迦ヶ岳9:47-10:40神座山10:50-11:10トビス峠-11:45大栃山12:05-12:35トビス峠-12:50檜峯神社-[檜峯林道、県道34号線]-勝沼IC-[中央高速道]-高井戸IC
歩行時間:4時間

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関東・甲信越は梅雨入りしたが、この土曜日の山梨県は晴れマークひとつの予報。本当かと疑問を持ちつつも、最近ごぶさたの富士山周辺の山へ出かけた。
釈迦ヶ岳は5年前に一度登っているが、御坂山塊の中では割合と首都圏に近い位置にあるのに行きにくい。バス停から登山口の檜峯(ひみね)神社までは長い林道歩きで、これが敬遠の原因だった。今回は車で林道を上ってしまう。

一宮御坂ICから県道を走り御坂トンネル方面に向かう。一度バスで来た道だが、檜峯神社バス停付近の入口がわからない。行ったり来たり、道を確かめるために停車を繰り返しているうち、左に寄り過ぎてバンパーを見事にこすってしまった。車を傷つけたのは初めてでショックは小さくないが、気を取り直して運転する。


神座山から見る釈迦ヶ岳は見事に尖っている

20分ほどさまよったあげく、コンクリートの鳥居を見つける。ここを上がっていけばいいはずだ。
新しいバイパスを横断し、細い農道を上る。植林の中に入りゲートを開けてさらに進むと、急カーブの続くデコボコ道となった。車でもかなり長く感じる。

鳥居が見え、ようやく檜峯神社の建物の前に着く。林の中の駐車場に車を停める。自分が最初の利用者だった。

トイレの先の林道に登山口がある。少しの歩きで植林は終わり、以後はこの山域の特色である豊かな広葉樹の森を歩くことになる。もう6月に入ってしまったので、新緑とは呼べないがオールグリーンの清々しい登りである。


緑の中を登る

見下ろす山稜も緑

釈迦ヶ岳頂上

御坂黒岳を望む

始めのうちは急なところはほとんどない。前回は神社の手前から伸びる急坂を登ったが、あちらよりもずっと楽な道だ。しかしこのくらいの標高の森には、やたらと下草や蜘蛛の巣がはびこる季節にもなった。はらいのけ用にストックを持って来ればよかったと思う。

前方に稜線と空との境界が見えてくる。最後はやはりそれなりの急な登りとなった。釈迦ヶ岳~神座山間の稜線に出る。どこを見ても緑豊かな広葉樹だ。そして真紅のヤマツツジがあちこちで見られる。
釈迦ヶ岳の方向に歩き出す。2つほどの目立たないピークを越える。樹林の間から釈迦ヶ岳の尖った山頂部が覗く。釈迦ヶ岳はこちら側、西のほうから見る形がいい。
鞍部に下ると上芦川からの道が合わさる。そしてその先に、檜峯神社からのもう1本の道が上がってきていた。ここは急なので、初心者はこの先の道(さっき自分が登ってきた道)を下るとよいと掲示されている。なかなか親切(おせっかい?)な標識だ。

岩の縁を歩くような急登になる。岩の表面が濡れているところがあって慎重を期す。
綱引きの綱のような太いロープを伝ってどんどん登ると、次第に背後の視界が開けてくる。釈迦ヶ岳はやはりここの登りが爽快で楽しい。
途中の岩棚に上がって眺めを楽しむが、あいにく雲が多く広い眺めは見られない。富士山も雲の中だ。
今日の天気予報は、登山者の立場からすれば「ハズレ」である。天気予報の当る当たらないは、一般には降水の有無で判定されることになっている。しかし登山者にとっては、晴れか曇りかの判断も重要な要素なのだ。予報は晴れ一発マークで実際は厚い雲、これでも降水はないので予報は的中として扱われるのである。
天気予報屋さんはある意味おいしい商売、と言ったら怒られるだろうか。

釈迦ヶ岳頂上。曇ってはいても、360度の眺めはやはり十分素晴らしい。夫婦のお地蔵さんもご健在だ。
富士山の展望はなくても、足元の緑に染まった山稜を見下ろすだけでこの山に来た甲斐がある。御坂で新緑の時期にいい山、といったらまず釈迦ヶ岳をあげたい。また頂上にはヤマツツジの木が多く、最盛期には見ごたえがあるだろう。


歩きやすい尾根

大栃山は樹林の中

檜峯神社

来た道を戻り、分岐からさらに西に進む。相変わらず緑いっぱいの緩やかな道が続いている。5月中下旬の新緑時期が最高だろう。
少し登り返して神座山(黒打ノ頭・1474m)に着く。振り返ると「トンガリ山」釈迦ヶ岳がいた。昨年の今頃登った新潟の大源太山を連想する。

北に向きを変え、下りの道となる。林相は少し変わってカラマツ、アカマツが現れる。
下りきったところがトビス峠で、右に檜峯神社、直進は大栃山である。そして左手には八代方面の踏み跡があるがかなり下草が伸びている。
トビス峠には背の高い大木があり、根元には小さなお地蔵さんがいる。木は杉のようだがツガかもしれない。

ここからさらに直進し大栃山(おおとちやま)を目指す。登り一方の道になる。斜度はそうでもないのだが直線状の登りなのでけっこうきつい。
緩やかな道になると白い樹の花が目立ってくる。2種類ある。この手の花は名前がさっぱりわからない。

トビス峠から大栃山までは本当の雑木林で、いろいろな葉の形をした木が見られる。こんなに山を歩いているのに樹木の名前がほとんどわからないのが情けない。
登り着いた大栃山は広葉樹に囲まれ眺めはない。葉の落ちる冬は富士山も見れるそうだ。今の時期は、山頂の立派な展望盤は無用の長物だ。でも何となくほっとする場所である。
この大栃山を、さっき通った神座山の名前で呼ぶこともあるそうで、このへんの山名は大変わかりづらい。ここではあまり深くは考えずに、国土地理院の地形図の表記に従って大栃山とした。
頂上から西側に踏み跡が見られる。これは竹居地区のほうに下りていくコースだろう。車を使っての往復登山でなかったら行ってみたい道だ。

トビス峠へ戻る。新しい指導標には「檜峯神社まで30分」とあるが御坂町の古い標識には10分と書かれている。実際下ったら13分だった。
檜峯神社には数台の車が停まっていた。車のおかげで、楽な行程で釈迦ヶ岳を登らせてもらった。薬王水のおいしい水をもらって車に乗り込む。
デコボコ道をなんとか下り、ももの里温泉に寄り道して帰る。


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