~ブナ林豊かな御坂の展望台~
タイトル
おうだけ(1623m)
2003年11月8日(土)曇り時々晴れ

河口湖駅8:00-[タクシー]-8:15根場(薬明神社前)-9:00支尾根9:05-9:40鍵掛峠9:45-10:45王岳11:15-11:40ヨコ沢頭-12:40五湖山12:50-13:25女坂峠-13:50精進バス停14:00-[バス]-14:40河口湖駅 歩行時間:4時間50分

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大月駅6:54発の富士急行線で河口湖駅着が7:43。
いつも思うことだが、富士急の路線バスは朝方の富士急行線との接続が大変悪く、どうにかならないものだろうか。根場(西湖民宿)行きのバスは5分前に発車したばかり。同じように精進や本栖湖、三つ峠入口までのバスもほんの少し前に出たばかりで、次の便は1時間から2時間待ちとなる。富士吉田駅で山中湖(平野)行きのバスもタッチの差でいつも乗れない。
同じ会社の電車・バスなのだから、ほんの10分少しずらしてくれればいいのに。もしかしてタクシー利用者を増やすために敢えてそうしているのかもしれない。
林道を上がって行く
林道を上がって行く

今日も駅からタクシーで根場(ねんば)まで行く。鍵掛峠の登山口である薬明神社前で下ろしてもらう(4010円)。
初めは工事車両が時々通る林道を上がって行く。上の方で砂防ダム工事をしているようだ。迂回路のような山腹のトラバース道に入り、いったん工事現場の横に出る。この導入部は昨年、お隣りの雪頭ガ岳に登ったときのコースとうりふたつである。

しばらくは山腹をギザギザに行く急登だ。登山道付近には、遠目から見ると墓標のようなものが立っていて、何かなと思ったら、鹿除けの防護筒だった。植木の1本1本をすっぽりと覆っていて奇妙な風景だ。

やがてアシビの目立つ支尾根に乗り、急登も一息つく。気温が高く、ここまでで大汗をかいた。
登山者がもう一人いる。今日は富士山は見えませんかね、と話しかけたら、昨日はよく見えていたと言う。足和田山の麓に勤めている方とのこと。
王岳頂上
王岳頂上
王岳頂上から西湖、富士山
王岳頂上から西湖、富士山

前回富士山が見えたのは、8月の鳳凰三山(南アルプス)、その前は3月の権現山(中央線沿線)にさかのぼってしまう。週末の4回に3回は山に登っている自分にとって、今年ほど富士山とのめぐり合わせが悪い年はない。

しばらくの緩い登りの後、再びジグザグの急登となるが、ブナなどの自然林が目立ち始め、背後に展望が効いて来るので気持ちいい。
春のような陽気のせいでモヤがかかっているものの、3ヶ月ぶりの富士山が大きく視界に入る。この季節にしては富士山頂には雪が少なく、白い所は線でしか見えない。

足元にタチツボスミレが咲いているのを見る。この陽気で咲いてしまったのかもしれない。御座石観音の石像が祭られている大岩を過ぎ、すっかり葉を落とした林の中をなおも登ると鍵掛峠(かぎかけとうげ)だ。
西に数歩進むと南面の展望が素晴らしい。眼下に西湖と町並み、富士山は相変わらず輪郭のみの姿だ。ダム工事の音がここまで響く。

王岳への稜線歩きは適度に変化があり楽しい。鬼ガ岳や黒岳、釈迦ガ岳といった今まで歩いた御坂山塊の縦走路はどこも爽快な気分で楽しめる。
実際に歩いてみると巻き道が意外と少なく、一番高い尾根上に登山道が付けられているところが大部分だ。奥多摩の石尾根や長沢背稜、奥秩父の主脈縦走路などと趣を大きく異にするこの爽快さは、そのへんから来ているのだろう。

展望のいい南斜面のガレ場を過ぎる。来た方向を振り返ると鍵掛峠の後ろに鬼ガ岳と節刀ガ岳が高い。その左には釈迦ガ岳の尖峰。御坂の山はどれも特徴的な形をしている。角を2本突き立てた鬼ガ岳の稜線は、本当に鬼の面を連想される。
西側の稜線から王岳
西側の稜線から王岳
五湖山から精進湖を見下ろす
五湖山から精進湖を見下ろす

笹を掻き分ける場所もなく、幾度かのアップダウンを越えて待望の王岳頂上(1623m)に到着する。北側は樹林で隠されているが南面に富士山が裾野まで広く見渡せる。モヤで霞んでいるのが何とも残念。
西湖や河口湖、足和田山・大室山、西方には毛無山の塊も見える。もう一人の登山者は青木が原樹海か紅葉に染まった様を見下ろしたいと言っていたがこのモヤで、低い部分は何も見えない。

ここは冬の空気が澄んだ日に是非再訪したい。日当たりの良い頂上を後にする。すぐに根場方面への下山道が分岐している。「H15.10.19.根場への登山道」との手書きのプレートがあるので、新しく出来た道なのだろうか。地図には全く載っていない。この道が使えれば、根場(西湖)からの周回コースが取れることになる。
雪頭ガ岳や、竜ガ岳北面の登山道も最近出来たもの。御坂の山々は登山道が次々と開かれているようだ。

北面を巻く急な下りとなる。本日のコースで一番慎重を期す所だ。鞍部に下りつき、ヨコ沢頭(1465m)はとこかわからないうちに通り過ぎる。
ブナ林をゆっくり眺められる落ち着いた道が続く。すっかり葉を落とし、頭上には雲間に覗く青空が眩しい。
この西側の登山道もきれいに刈り払いがなされ、一頃はヤブ道と言われていた面影は全くない。展望の効く場所からは、王岳が思いのほか端正な三角錐で望めた。
白いキク系の花(リュウノウギク?)、リンドウが数多く咲いている。もう1種類スミレを見かけた。今度は白い花だった。
紅葉も終わり冬枯れの山になろうとしているのに、こんなにも花の咲く地とはびっくりだ。

それにしても暑い。この時期にどうかとは思ったが、Tシャツになって歩くことにした。時々そよぐ風が汗をスッと引かせてくれる。

タチツボスミレ
タチツボスミレ
マルバスミレ
エイザンスミレ
ママコナ
ミヤマママコナ
リンドウ
リンドウ
マツムシソウ
マツムシソウ

何といっても大方が尾根上に付いている道だから、多少のゴツゴツは当たり前。適度に上下のある穏やかな道はなおも続く。時々岩場に上がると展望が広がる。
五湖山(1339m)に到着。山頂自体は樹間に精進湖が覗く程度で展望には乏しい。少し休憩して10mほど進むと大きな展望地に出た。精進湖と湖畔の家並み、正面に三方分山が大きい。
ガレ場の足元にはリュウノウギク、リンドウが多く咲き、何とマツムシソウも1輪咲き残っていた。いくら春のような陽気とは言ってもマツムシソウは驚きである。
女坂峠
女坂峠

ガレ場を慎重に下ると明るい展望地もおしまい、テレビアンテナと電信柱を見て、女坂峠に下り着く。このまま精進(しょうじ)に下ればバス便の接続もよさそうだ。三方分山はまたこの次の楽しみにしておこう。その前に今日遠望した毛無山や高デッキも近いうちに訪れたい。

静かな精進の民家横を通る。富士五湖は観光地のイメージが先行してしまうのだが、少し奥まった所では狭いながらもこういう静かな山村の風景が見られる。ススキの穂が揺れる精進湖畔が目の前に広がる。すぐ横に精進バス停がある。

いよいよ展望の冬、富士山撮影山行の計画もしなければ。この付近に1泊して2つの山を楽しむのもいいかもしれない。


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