~山、雪、温泉とパノラマ稜線漫歩~
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みょうじんがたけ 2001.4.1 晴れ

東海道線小田原駅7:05~(バス)~7:35宮城野橋7:50~9:10展望地9:20~9:50明星ガ岳10:10~11:20明神ガ岳12:00~12:50火打石岳~14:00矢倉沢峠14:15~14:45仙石16:22~(バス)~17:50東海道線小田原駅

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明神ガ岳頂上から
明神ガ岳頂上から

桜前線が北上する中、東京周辺の山地は前日に雪となった。春の高尾山を歩いた後だけに、今年はもう雪はけっこうなのだが、天気もよさそうなので初の箱根の山を楽しむことにした。

樹木に付いた雪
樹木に付いた雪

東海道線の車窓から見る山々はみな白い。小田原駅から桃源台行きのバスに乗る。平地では桜が8分咲きくらいになっているが、標高を上げるにつれ雪の花が視界を占めるようになる。
宮城野橋で下車。温泉街は冬の装い。雪が付いた木々が青空に映える。雪山の中を登って行く。取り付きが雪でわかりにくい。

展望の良い道は、すぐに両側が篠竹に覆われ始める。この付近に伸びている篠竹は「ハコネダケ」と言うようだ。やっかいなことにハコネダケは雪の重みで大きくしなり、登山道に覆い被さっている。普段なら歩きやすそうななだらかな道も、今日は雪のおかげで思いもかけないヤブ漕ぎとなった。

ストックでハコネダケを突つくと、雪が落ち進路が得られるが、突いても雪が落ちないところでは、しょうがないから腹ばいになってハコネダケの下をくぐっていく。まるでアドベンチャーゲームでもしているようだ。雪の風景とはうらはらに、汗だくになる。

明星ガ岳中腹から
明星ガ岳中腹から
雪が被ったハコネダケ
雪が被ったハコネダケ

突然視界が開ける。明星ガ岳の中腹、大文字焼の文字の脇に出て来たらしい。眼下には雪化粧をした箱根の町が広がり、正面には神山。右手には真っ白な富士山。

すぐに再びハコネダケの道へ。悪戦苦闘しながらも、何とか稜線に出る。明星ガ岳のピークに寄り道したあと、明神ガ岳への明るい稜線を進んでいく。

稜線から明神ガ岳
稜線から明神ガ岳

多少アップダウンがあるが道は広い防火帯になっており、ハコネダケに悩まされることもなく快適な歩きとなる。正面に見えてきた明神ガ岳は、山頂部が平坦だ。斜面はハコネダケの緑が目立ち、遠目からは雪が無さそうに見える。
明神ガ岳の左には富士山、その間に御坂山塊。右側に見える丹沢の山々は雪の付きが形良く、日本アルプスさながらである。山容の秀麗さで言えば、丹沢は東京周辺の山の中では抜きん出ている。

山頂に近くなると自然林の心地よい登りとなり、大雄山(道了尊)からの道を合わせるあたりは、本日一番のプロムナードな道である。

明神ガ岳頂上
明神ガ岳頂上

明神ガ岳のピークからは、さらに周囲の山々の眺望が素晴らしい。金時山に続く稜線が気持ち良く伸びている。広い山頂は雪で真っ白だが、日の照りも強く、気のせいか、これから行く先の道には雪があまりついていないようにも見える。

いつしか富士山は雲で隠されてしまった。昼食後、金時山の方向へ進む。途中の小ピーク、火打石岳あたりまでは雪も少なく、なだらかな稜線が続くが、それ以降は登り下りが大きく、ところどころでハコネダケも出てくる。道はぬかるみ体力を消耗する。
しかし自然林が多くを占め、春の山として人気がありそうな山域だと思う。

矢倉沢峠への下り。展望が開け、正面に金時山が大きい。この山へはまた次の機会に別のコースから。
いつのまにか雪が少なくなり、ハコネダケもみな上に真っ直ぐに伸びている。仙石への下山路は、あまり山を下った気がしないまま、車道に出ていた。
箱根の温泉地をしばらくぶらぶらし、福島館という温泉旅館でひと風呂浴びた。白いにごり湯は香りがよく、タオルにしみ付いたお湯の匂いは何日か消えずにいた。

山のほうを振り返ると、雪はほとんど溶けていた。午前中あれほど苦労したハコネダケの雪道がまるでうそのよう。朝と夕方でこれほど山の風景が変わってしまうのも珍しい。春の雪のなせる技だろう。


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