-氷と雪の造形美-
タイトル
裏登山口-開運山-御巣鷹山-大幡八丁峠
山域 富士周辺
地域 山梨県
標高 木無山(1730m)、開運山(1785m)、御巣鷹山(1775m)
山行日 2010年2月14日(日) 天気
沿面距離 9.0km
歩行時間 4時間15分
標高差 552m(裏登山口-開運山)
宿泊
温泉 ももの里温泉(立ち寄り入浴)
交通 マイカー Home
地図

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行程
2010年2月14日(日)
自動車 調布IC 5:45
中央自動車道
6:45 河口湖IC
国道137号、県道
7:30 三ツ峠登山口 7:40
7:50 駐車場
8:50 三ツ峠山荘
9:20 開運山 10:10
10:30 御巣鷹山 10:35
11:45 鉄塔基部
12:05 大幡八丁峠 12:10
12:45 駐車場 12:50
13:00 自動車 三ツ峠登山口 15:00
県道、国道137号
ももの里温泉立ち寄り
15:45 勝沼IC
中央自動車道
17:30 高井戸IC


関連リンク
ももの里温泉(笛吹市)
河口湖観光情報
富士急


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一昨日の金曜日から土曜にかけて、また雪が降った。日曜の東京周辺の山は雪景色だろう。遠出したい気持ちもあるが、今年の冬は近場でも十分楽しめそうだ。
三ツ峠は裏登山口からのコースだとそう時間がかからず、早いうちに山頂に立てる。夕方から曇るようなのでちょうどいいだろう。まだ歩いたことのない本社ヶ丸への尾根道をたどったのち、大幡八丁峠から林道を歩いて戻ることにした。
標高1200mの登山口までは車で上がる。おそらく雪や凍結箇所があるだろう。スタッドレスタイヤが初めて威力を発揮しそうだ。

稜線は樹氷の見本市

中央高速で相模湖あたりまで来るとようやく夜が開け、まわりの山々が見えてくる。やはり、ことごとく白い衣をまとっている。談合坂を過ぎて右手に見えてくる扇山、百蔵山を見上げてびっくり。真っ白である。どこかの雪国ではないかと思うくらいだ。こんな光景が南関東や甲信南部の山地でも見られるのだ。
都留あたりで雲間から富士山も見えてきた。こちらは九合目くらいから上はさすがに白さが増していたが、それより下は黒い筋が見えている。相変わらず雪が少ない印象だ。
肝心の三ツ峠や御坂の山を見ると、頂上部には雲がかかっている。

路面はどこも真っ白
三ツ峠山荘
山小屋の飼い犬
山頂は氷の世界

河口湖ICから国道137号線(御坂みち)を走って、トンネルの手前で県道に入る。路面はすでに新雪で真っ白だ。スタッドレスのおかげか、運転にまったく支障なく、三ツ峠登山口バス停に着く。この付近も真っ白。
さらに林道を上がり、西山林道終点の駐車場まで行ってみる。しかしすでに満車で停められる場所がない。おそらく今日は登山というより、富士山の写真を撮りに来た人が多いのだろう。先ほどのバス停まで戻って、車を停めた。
アイゼンはせずに、シングルストックで行く。このコースは山頂まで、ほとんど林道といえるくらいの幅広の登山道である。薄雪の路面にはジープの轍もついている。おそらく山頂下の小屋のジープだろう。
回りの木々は見事なまでの白一色。コースは北西側につけられているが、今日は日差しがないので方角は関係ない。おそらく南面の登山道も同じように白づくめだろう。麓では富士山が見えていたが、この空模様が続くと山頂では無理そうだ。木々の間から御巣鷹山のアンテナ施設が見えだが、それもしばらくしてガスに隠され気味になる。高度を上げるほど眺めはなくなる。

重そうな三脚をザックにくくりつけた人が、何人も下りて来る。人によっては三脚は2本背負っている。おそらく前夜から登っていて、山頂から樹氷越しの「暁の富士山」を狙ったのだろう。日の出からもうずいぶん時間が経っているので、かなり粘ったようだが、今日はあいにくの天気だった。
自分の場合は、写真だけが目的ではないので、山頂でいい被写体が得られなくとも山を歩くことに目的を切り替えられる。

三ツ峠山荘への道に入る。山荘前は富士山の屈指の展望台と言われる。しかしその方角はやはり、無情の鉛色一色だった。諦めきれない人たちがまだ何人も、三脚を構えている。しかし皮肉なことに、天気の悪い割に風がないので、雲が流れていく気配もない。
四季楽園の飼い犬を撮り、開運山への登路に入る。雪が締まってきたのでアイゼンを装着する。真っ白の斜面を登り三ツ峠(開運山)山頂に登りつく。三ツ峠の標石にはつららが何本も垂れていた。山頂周辺の木という木はことごとく真っ白。見事な樹氷模様である。
標石の肩に腰を下ろしラーメンを食べていると、空の高いところに、雲を割って太陽が顔を出した。上空は少し風が出てきて雲が流れ始めたらしい。粘っていれば富士山が現れるかもしれない。しばらく待ったが、結局富士山は見られず。しかし反対側を見下ろすと、四季楽園あたりの山稜が覗いていた。

青空が鮮やか
目の前の樹氷
貴重な日差し
山肌も白衣をまとう

背後の斜面を下って、御巣鷹山を目指す。5分で最初のアンテナ施設の前に出る。この施設を右から回り込むと、稜線伝いに下っていくトレースがあったので、行ってしまった。すぐに間違いと気づき戻る。いくつかのアンテナ施設を常に右に見ながら進んでいくと、開けた場所に出て、御巣鷹山のアンテナが見えてきた。ちょうど青空も覗いたので、天候回復に淡い期待を抱いたが、ほどなく元通りの白い空に。
御巣鷹山の施設を左手に回ると、南アルプス方面が開けている。今日は展望はない。このまま引き返してきた道を下ろうかとも思ったが、やはり歩けるだけ歩いておきたい。本社ヶ丸への縦走路に入る。ここからの道はまだ歩いたことがない。ひとしきりの急な下り道には、足跡がひとつしかついていない。つまり、今日ここを歩くのは、自分が2人目ということだ。
高度は落とすが、気温は下がってきたようだ。雪は固く締まり、アイゼンの歯がよく利く。北に面した斜面は新雪の下にアイスバーンが隠れているのに気づかず、足を取られ5メートルほど滑落した。登山道に沿って落ちたのでホッとする。ちょっと歩き方がぞんざいになっていたかもしれない。雪は少なくても、フラットフッティングなどの基本歩行技術は必要だと思った。

周囲は相変わらずの白一色。木の枝に付いた雪と氷の造形を眺め、撮影しながらのなかなか楽しい歩きである。しかし西斜面のトラバースで緊張する場所もある。人が歩いていないので、道を失ったり迷ったりしてしまうことは禁物。少し緊張感を持ちながら行く。この尾根の隣に、御坂山から伸びる尾根も並行して走っている。そちらは南アルプスなどの眺めが開ける場所が多かった記憶があるが、今日の道は樹林帯が中心で、展望を楽しめるところは多くない。
小さなピークをいくつか越える。そろそろ鉄塔が現れるはずだが、電線さえも見えない。深雪の北斜面を3人組が登ってきたので聞いてみたところ、このすぐ先だと言う。鞍部に下ったところが鉄塔基部だった。左右の眺めが開ける。この時間になっても、取り囲む山肌や木々は真っ白だ。ここから左手に下っていく踏み跡があるが、予定の林道に通じているのかわからなかったので、さらに先を行く。緩い登り下りを経て、大幡八丁峠に着く。特に標識はなく、左に林道が通っているだけだ。
自然林の尾根

あとはこの林道を歩いて、出発点に戻るのみ。真っ白の林道を歩くこと35分で、駐車場に到着。朝は車が一杯だったが、今の時間はガランとしている。この時期の三ツ峠は登山対象というよりも、むしろ写真家のための山。朝方だけ賑わう山になっているようだ。

アイゼンを外してトイレを利用する。車のあるところまで10分ほどの車道歩きであるが、行きと違いかなり凍結していた。三ツ峠登山口バス停に到着。車で御坂みちを下る。ここも今の時間になって凍結の度が増していた。一応スピードを控えめに下る。途中で、歩くくらいのスピードで恐る恐る走っている車を追い抜く。どうやらノーマルタイヤのようだ。自分の車は全くスリップしない。スタッドレスタイヤの効力は絶大だった。