山の写真集 > 丹沢・道志・箱根 > 秦野駅から弘法山
-水の町から春の野山へ-
タイトル
秦野駅-浅間山-権現山-弘法山-めんようの里
山域丹沢
地域神奈川県
標高権現山(243m)、弘法山(235m)
山行日2011年4月2日(土)天気1
沿面距離8.0km
歩行時間4時間
標高差147m(秦野駅~権現山)
宿泊-
温泉-
交通小田急線Home



2011年4月2日(土)

新宿駅8:41
 小田急線
9:51秦野駅10:00
10:15八坂神社
10:20名水桜公園10:30
10:40弘法の清水
11:25浅間山11:35
12:00権現山12:45
14:07弘法山14:30
14:50めんようの里15:10
16:00秦野駅
 小田急線
新宿駅


関連リンク
秦野市
秦野市観光協会
めん羊の里・木里館


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4月に入ってようやく、暖かな日々が続くようになった。都心では桜も開花した。昨年に比べてずいぶん遅いが、これで平年並みとのこと。山の桜はまだ早いだろう。
今日のところは山上の花見と言うわけにはいかないが、ネット仲間で表丹沢の低い山に登り小さな春を探す。

秦野駅に集合し、そのまま歩き出す。丹沢の山というと駅からバスに乗っていくのが当たり前のように思っているが、今日の山は秦野駅から歩いて登れる。
夕方の宴会まで、山だけだと時間をもてあましてしまうので、地元のメンバーのガイドで秦野駅周辺の名所を巡り歩く。

弘法山公園は桜が開花寸前。遠く表尾根を望む

八坂神社を通って、今泉名水公園に立ち寄る。桜が咲き始めており、絵を描いたり写真を撮りに来た人が数人いる。
もう少し遅ければ、満開の桜の枝越しに富士山がきれいだろう。

次に、弘法の清水と呼ばれる井戸の前を通る。秦野にはいたるところに湧き水が出ている。以前、九州の山に登ったとき、街中のあちこちにきれいな水が流れていたことを思い出した。
人の住む場所のすぐそばに清水が湧き出ているのは、さりげないけど豊かで平和な暮らしの証であると思う。

富士山は真っ白
弘法の清水
桜越しの山々
少し春の雰囲気
タチツボスミレ
浅間山

川沿いに渡り交差点へ。ここにも早咲きの桜。周囲は大型電気店などあって都会である。そのすぐ隣りに山がある。
浅間山登山口から登り出すと、すぐにタチツボスミレを見る。モノクロームの斜面にも、薄緑色の草がポツポツと現れ始めていて、山が様々な色合いで包まれる、今はそのオープニングといえそうだ。

雑木林の明るい山道をジグザグと登高する。寒さは全く感じず、先週までの山とは180度違う。季節感がまるっきり変わった。
小広い平坦地に出る。浅間山との標識が立っている。キブシがあちこちに見られるほか、日当たりのよい斜面にはスミレも多いが、タチツボ以外は見当たらない。
ここからは富士山が大きく見られるので浅間山という名前があるのだろう、しかしすでに、モヤや花粉の影響で霞んでしまっている。
後から後から、登ってくる人がいる。多くは手ぶらでザックも背負わず、散歩がてら来ているみたいだ。すぐ先に浅間山の大きな山名標があった。

歩く方向に車が何台か停まっている。駐車スペースあたりはさらに日当たりがよく、ソメイヨシノの開花が進んでいる。
林道を横断し、再び山道の登りになる。黄色くかわいい花は、同じようなのがあって何だかわからない。キジムシロ?ウマノアシガタ?ミツバツチグリ?ツルキンバイ?それともヘビイチゴの仲間だろうか。これらは皆、花が5弁で三葉なので見分けがつきにくい。

急な斜面を上がると公園のような広い場所に出た。ようやく開花の始まった桜の下、気の早い人たちが花見をしている。来週になればこんな人出ではないだろう。ここ権現山は、弘法山公園として市民の憩いの場として親しまれている。
南に突き出た、日差しいっぱいのテラスで食事をする。ここからもすでに眺めがいいのだが、展望台に上がると箱根や相模湾、南関東の市街地方面のパノラマが得られた。
反対側には丹沢大山が大きな三角を示している。大山までは尾根伝いで登れる。標高差1000m以上で距離もかなりあるが、面白そうだ。
キブシ
大山が大きい
メジロ
ミツバツチグリ?
弘法の井戸

弘法山公園にはバードパスという、バードウォッチングができる場所が用意されている。小鳥用の水浴び場のある林を、壁の穴から覗けるようになっている。キジバト、メジロ、トラツグミを見ることができた。
ここに朝から張っているカメラマンも何人かいて、自分たちのようにちょっと立ち寄っただけでトラツグミが見れたのは運がいいとのことだ。
春の山は花と共に、鳥が主役となる。

弘法山へは、車も通れそうな広い尾根道を進む。屋台の出店まである。いったん巻き道に入って時間を調整する。
だんだんと高度を上げていくと植生が少し変わり、足元のスミレも色の濃いものが目立つようになった。白と紫の境目がはっきりしているから、ニオイタチツボスミレだろうか。
センボンヤリがあったのには驚いたが、ハコベと見間違えたかもしれない。

弘法山は樹林の中の静かな山頂だった。大きな鐘と弘法大師の奉られた釈迦堂、そしてここにも井戸があった。この井戸は乳の井戸と言われ、昔は白く濁り、乳の香りがしたらしい。秦野は水と縁の深い地である。

樹林の中といっても、意外と眺めはきく。大きな杉の木の場所から鶴巻温泉方面に少し下ると、気持ちのよい雑木の尾根となる。左手のほうから動物の鳴き声を聞く。牛かと思ったが、羊だそうだ。
適当な場所で左に折れ、その鳴き声の場所に向かう。めんようの里にはログハウス風の建物(レストラン)があり、斜面で羊が放牧されていた。めんようのようは羊と書く。
レストランでジンギスカンがメニューにあるのはちょっとブラックユーモア風である。皆でソフトクリームを食べて下山とする。下山といっても、舗装された坂道を下るだけだ。

街中に出て、細道をどんどん入っていく。地元の人にしかわからないが、これが駅への近道だそうだ。民家の家の壁にヒゴスミレが咲いていたがカメラの電池が切れてしまっていた。
予定通り、4時きっかりに秦野駅に到着。さすが地元の人による山歩きは時間が正確だ。天気もよく上々の春山第一号だった。そのまま宴会に移行し、楽しかった1日が終わる。