~富士を背に雪道を登る~ いしわりやま(1413m) 2007年1月27日(土) 晴れ 7:48富士急行富士吉田駅-[バス]-8:06ホテルマウント富士入口8:10-8:25大出山入口8:30-9:05長池山9:10-9:40大平山10:00-10:30平尾山10:35-11:05石割山11:45-12:00石割神社-12:15あずまや-12:40石割の湯14:45-15:00平野15:05-[バス]-15:50富士吉田駅 歩行時間:3時間30分 |
|
富士吉田駅からバスでホテルマウント富士入口まで行く。土日の朝、富士急行線の駅から乗れるバスはめっきり減り、7時48分御殿場行きが山中湖方面の山行に利用できる貴重な便となってしまった。 8時近くになっても富士山のバックは青空でなく白い。このところ昼は晴天でも朝や夜に雲が出ることが多く、やはり例年の冬の天気ではない。天気予報で言うところの「晴れ朝晩曇り」であるがこれは春や秋によく見られる天気だ。 富士五湖、特にこの山中湖から朝方「紅富士」が見られるのだが、今年の冬はそういう理由でなかなかみられないそうだ。 バス停から山中湖畔を歩く。道路脇にはところどころ雪が残っている。 逆さ富士が映る湖面を見ながら進むと大出山入口。ここから稜線目指して舗装車道を登るのだが、その前に湖畔に下りられる入り口があるので入ってみる。 波打ち際あたりで戯れる白鳥やアヒルを前景に、富士山が望める。青空もずいぶん見られるようになった。 薄く雪の残る車道を登り、ホテルマウント富士への道を分ける。さらにもうひとつ宿泊施設を見るとやがて、大平山への指導標に出会う。山道はここから始まる。 ここは2001年の晩秋に登路、2002年冬に下山路として歩いた。自然林の尾根道は明るく、背後に時折富士山も望める。常に富士山と対面出来る歩きになる下山コースとして取り上げられることが多いが、登りにとっても清々しい道でいい。
アンテナ設備のある長池山(1178m)まで登るとススキの原越しに富士山が大きく望める。しかしここまでは車で上っても来れるようで、5センチほどの雪面の上に何本かの車の轍がついている。 昨晩積もった雪の上についていると言うことは、朝早くから車が上がっていた人がいたのだろう。 尾根が広くなり、周囲が伐採された緩斜面に道はつけられていて、前も後も眺めがいい。黄色いカヤトの原も高原的だ。 雪は10センチくらい。風も弱く、この時期にしてはポカポカの陽気である。今日は1年で数度の「山歩き適日」かもしれない。 さらに展望が大きくなり、大平山(1295m)の広い山頂に着く。山中湖・三国山稜・愛鷹連峰などくっきりと見える。平野の街は白くなっている。道は2003年の時よりも雪は少ないが、周囲一面真っ白なので雪の山を登っている雰囲気がある。 富士山の南東側斜面、宝永山のあたりは、しきりに雪煙が舞っている。これだけ距離が近いと、カメラのズームレンズを通してその様子がありありとわかる。 さらに細かなアップダウンを繰り返す。山中湖畔からの道を合わせ、目の前の高みを目指して木の階段を登ると平尾山(1318m)だ。 そろそろ他の登山者と会うようになる。外人さんも登っている。自分のように尾根の初めから取り付くのではなく、平尾山だけまたは平尾山と石割山間だけを歩く人もいるようだ。
富士山の東斜面にはちぎれ雲が次から次へと誕生し、西風に乗って須走口付近の上空を覆い始めている。雲は先に見た宝永山付近の雪煙と区別がつきにくい。雪煙が上昇気流にのって雲に転化しているのか。 いつも他の山から見ている富士山東斜面の雲だが、今日はその創成過程の一部始終を見続けていることになる。 正面に見える台形状のピーク、その左端のアンテナの見える頂稜が石割山である。標高を次第に上げていくと風が出てきて、さらに積雪ももう少し多くなる。石割山から下山する人と多くすれ違う。 頂上直下の急斜面は足跡だらけ、しかも土が露出していて歩きにくい。長池山、大平山あたりのきれいな雪に比べると、歩く人の数の違いがよくわかる。 急登ののち石割山頂上(1413m)へ。30名はいるだろうか、数組のパーティーやツアー登山の団体さんで頂上は大いに賑わっている。 富士山は東斜面の雲が発達して、そろそろ頂上部は見えなくなりつつある。でも11時にもなってもまだ見え続けていたのだから、今日の富士見目当ての山行は大当たりだったようだ。 自分の登ってきた道を団体さんは下るようだ。みなアイゼンをつけようとしている(しかも8本爪)。滑るのが恐いのはわかるが、この雪質ではかえって歩きづらいのではないか。 頂上でゆっくりした後、平野方面へ下る。石割神社までの急な下りは、先の西斜面の登り以上に土が出ていてグチャグチャである。こんなところで尻餅をついたら、ズボンを雨具に履き替えて帰らなければならない。トラロープにすがりながら、慎重に足を置く場所を選ぶ。 神社から下の道は少し歩きやすくなった。 標高1000mの温泉、「石割の湯」に立ち寄ってから帰途に着く。 |