~白く輝く石尾根の山~ たかのすやま(1737m) 2007年1月8日(祝)晴時々曇り 7:50奥多摩駅-[バス]-8:30峰谷-9:20奥集落(登山口)9:30-9:45浅間神社-11:10鷹ノ巣山避難小屋11:20-11:45鷹ノ巣山12:20-13:25榧ノ木山-14:05倉戸山14:15-15:20女ノ湯15:30-[バス]-16:00奥多摩駅 歩行時間:5時間45分 |
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爆弾低気圧が日本を通過し、1月最初の3連休は大荒れとなった。奥多摩にも雪が積もったとのことなので日・月で雲取山へでも、と思ったが日曜日は起きられなかった。 月曜日、日帰りで鷹ノ巣山に登ることにした。雪の石尾根は3年ぶりとなる。
青梅線の奥多摩駅には、雪を目当てにしたハイカーが数十名ほど到着した。駅周辺には全く雪が無い。気温が高かったので里では初めは雪でも、途中から雨に変わったようだ。 バスで奥多摩湖より西に入っていくと、道脇に雪が現れだした。同じ奥多摩でも、やはり奥まった地域は駅付近よりも気温は低いようだ。 終点の峰谷で下りたのは自分一人だった。所々凍結している車道を進む。50分ほどかけて、標高900mの奥集落の登山口に着く。車が数台停まっている。 畑地の横に付けられた山道に入り、すぐに標高1000mのプレートを見る。浅間神社の鳥居を過ぎると雪がまだらに見られるようになる。
自分の部屋には奥多摩などの登山地図が壁に貼ってあって、歩くたびにそのコースをラインマーカーで線引きしている。そしてこの浅間尾根や鴨沢からの雲取山コースは、もう何本も線が引かれていて何度歩いたか数えられない。奥多摩の中でも一番多く登っている道だが、雪の中を登るのは初めてだ(下りはある)。 ヒノキの植林下は、雪は薄いもののところどころ凍結している。6本爪のアイゼンを持ってきているが、とりあえずつけずに登る。 ヒノキやカラマツの急坂を登ると、ミズナラなどの自然林となる。積雪はまだ数cm~10cm程度だがここから先はずっと、尾根全体が真っ白である。 湿った水分の多い雪で、足がけっこう疲れる。いつもなら樹林を楽しみながら緩く登っていくこの道も、今日は少しの登りでもきつく感じる。また今日は久々にストックを持参、しかもダブルストックである。 木の枝を透かして左に見えているのは日陰名栗ノ峰。進む方向に控えめに見える鷹ノ巣山よりも、むしろ日陰名栗ノ峰のほうが存在感が大きい。 高度を上げるにつれ積雪は増え、水場を通り過ぎる頃は20~30cmとなる。水場はこの時期にしては水量が多い。このあたりは最近樹木の伐採が入り、南面の展望が少しきくようになった。今日は富士山の姿が見られた。 鷹ノ巣山避難小屋から、山頂目指して白く輝く尾根を登る。積雪は増え、場所によっては50cm近い所もある。 高度を上げると背後に雲取山や飛竜山、白くなった大菩薩嶺などの山々が広く眺められるようになる。富士山や道志・丹沢など幾重にも連なる山並み、そして左手には長沢背稜も視界に入る。南アルプスや北関東の山が雲で見えないのが唯一残念だ。 やはり一度積雪があると空気に一段と透明感が出るもので、どこまでもくっきりとした眺めが得られる。そして空が驚くほど青い。身も心も洗われるようだ。
鷹ノ巣山頂上も一面真っ白。登山者が三々五々行き交う。 時間がたつにつれて風が出始め、頭の上のほうでゴーゴーとうなりをあげるようになる。気温は0度くらいだろうか。だたし太陽が雲に隠れると途端に寒くなる。 稲村岩尾根から登ってきた人が、ここを下るならアイゼンはつけたほうがいいと言う。しかし今日はまだ少し尾根を歩きたいので東側の広い斜面を下る。アイゼンはザックの中のまま。雪の深い場所があるのでスパッツはつける。 榧ノ木(かやのき)尾根分岐までは気持ちの良い雪原歩きである。流れる雲に歩調を合わせる様にゆっくり進む。 分岐で石尾根を離れる。巻き道と交差し、ほどなく水根沢林道を分けると榧ノ木尾根の一本道となる。伸びやかな下りが続くがシャーベット状の雪は滑りやすい。 尾根の名前を提供している榧ノ木山(1344m)は登山道から左の踏み跡を少し登ったところにあるが、ピークに山名標識もなく、木に巻かれたビニールテープにマジックで山名が書かれているのみだ。ヨコスズ尾根の横篶山、長沢背稜の長沢山など、奥多摩の尾根道の名前になっている山は不思議と地味なものが多い。 榧ノ木山のすぐ下でノボリ尾根という支尾根を分ける。 以降は標高を下げるにつれ雪も少なくなる。倉戸山(1189m)あたりが積雪のほぼ下限であった。 倉戸山からはいつも倉戸口に下山してばかりたっだので、今日は西の尾根道を辿って女の湯に下ってみよう。
なだらかな尾根歩きののち、石や木の根の浮き出た急坂となる。雪はほとんどなくなっているが深く積もった落ち葉に膝下近くまでもぐり、これはこれで大変である。 しかし倉戸口コースよりも尾根の形状がはっきりしていて、こちらのほうが変化があって飽きが来ない。急斜面をジグザグに下るところは、雨で濡れていると少し危険な場合もあるだろう。 眼下に奥多摩湖が見えてきているのに、尾根はなかなか高度を下げない。正面上に見えている御前山がどんどん近づいてくる。 急坂を経てヤセ尾根のすぐ真下に奥多摩湖の青い湖面が見えた。どうやらこの尾根道は青梅街道をトンネルで乗っ越し、湖に突き出た岬の先っぽまで続いているようである。鶴の湯温泉の源泉口がある女の湯バス停には、奥多摩湖の側から下り立った。 1年ぶりの雪道歩きは新鮮で面白かった。暖冬の年は奥多摩には雪が多く降るようである。スノーハイキングが楽しめる期間は長そうだ。 |